大人の健康のきっかけにも!? 幼児用「作りおき」レシピとは

子どもが卒乳し、離乳食も終わると、5歳くらいまでのあいだは、幼児食を食べる期間になります。市販のお惣菜や生ものなど、大人とまったく同じものは食べられないものの、いろいろなものを食べて心身や味覚の成長につなげる大事なこの時期は、お子さまの食べるものを用意するのが大変な時期でもあります。

そこで、今回は、『はじめてママとパパでもかんたん1歳半~5歳 子どもと食べたい作りおきおかず』(世界文化社)の著者で管理栄養士の中村美穂さんに、幼児食の作りおきのポイントについて伺いました。

子どもから大人への移行期に食べる「幼児食」とは?

小さなお子さまをお持ちのご家庭では、お子さまの食事について悩みを抱えていらっしゃるかたは多いのではないでしょうか。
私自身も2児の母であり、保育園で栄養士をしていた経験があるため、「子どもがなかなか食べてくれない」「初めての子どもで何をどれくらい食べさせてよいのかわからない」「どうすればバランスのよい食事になるのかわからない」というお悩みには数多く接してきました。
保育園の栄養士として、園児の保護者のかたとやりとりをするのは毎日のことでしたし、それに加えて自治体の子育て支援の一環として、園児以外の近隣のかたの食事や栄養のことについて相談を受ける場面も数多くありました。

そういったお悩みに触れる中で、より多くの人の食事の悩みに寄り添いたいという思いでフリーランスの管理栄養士・フードコーディネーターとして活動を開始。自らの料理教室などで、保育園の栄養士としての経験を生かして活動をつづける中で、多くのかたにアドバイスしてきたのが、幼児食の作りおきです。

1~5歳までの幼児期は、歯も生えそろってきてさまざまなものが食べられるようになるだけでなく、心身の成長という意味でも栄養バランスのよい食事が必要です。ただ、まだ消化機能が未熟な子どもにとっては、大人と同じものを食べるのは体に負担がかかります。このような理由で「幼児食」が必要になりますが、毎日大人のおかずと幼児食を作り分けるのはとても手間がかかるもの。そこで、著書の中では、大人も子どもも食べられる作りおきおかずのレシピを紹介しています。

幼児食の作りおきは「減塩」が大きなポイント

大人のための作りおき料理の場合、保存性を高めるために塩分を増やし、味を濃くした料理がメニューに加わることもありますが、幼児食の作りおきの場合は、塩分を強くすることはできません。そのため、保存方法や調理法でよりおかずを衛生的に保存する必要があります。いくつかポイントを紹介します。

1)食べる分を小分けにして保存する
大きい鍋や容器に大量のおかずを作って保存すると、冷蔵庫から出し入れする回数が増え、空気に触れる時間も多くなります。すると、傷みの原因になり、「保存期間3日」とレシピ本に書いてあっても、3日間持たないことも。1日分ずつ分けで保存して食べる分だけ温めて食べます。

2)下茹でした野菜は素早く冷ます
野菜を使ったおかずの保存性を高めるには、下茹でした野菜を素早く冷やすのが有効です。大きめのザルに広げてなるべく素早く冷ますことを心がけます。このとき、下の方に熱がこもっていると野菜がしなしなになってしまうので、上下を返しながら冷ますとよいでしょう。水分が残っていると、傷みの原因になるだけでなく、味が染み込みにくくなるため、塩分を控えた幼児食では、おいしさも半減していまいます。最低限の塩分でおかずをおいしくする工夫でもあります。

3)保存容器はほうろう、ガラス、密閉袋がおすすめ
保存容器は、プラスチックよりも熱の伝導率がよいほうろうやガラス容器がおすすめ。ラップなどではなく、しっかりふたをできるものがいいでしょう。密閉性を高める性能があるものも◎。チャック付きの密閉袋も、中の空気が抜きやすく、おかずや食材が長持ちするのでぜひ活用してください。

野菜が多めで塩分控えめなレシピになるため、同じものを食べる大人も健康になれるというメリットもあります。お母さん・お父さんは「子どものために健康によい食事を作らなくては」と、プレッシャーを感じているかたも多いかと思いますが、幼児食のレシピや作りおきおかずは、薄味・野菜多めなため、家族全員の健康にも役立ちます。
お子さまだけでなく、ぜひ家族で健康的な食事ができるといいですね。

(プロフィール)
中村 美穂
管理栄養士、フードコーディネーター。2児の母。保育園栄養士として乳幼児の給食作りや食育活動、食事相談などを手がけ、2009年に独立。料理教室「おいしい楽しい食時間」を主催するほか、栄養講習会への登壇、雑誌・広告などのレシピ提供やスタイリングなど幅広く活動。著書に『発達を促す子どもごはん』(日東書院)、『3歳からのからだを作るおべんとう』(赤ちゃんとママ社)などがある。

***書籍紹介***

「毎日ごはんを作る時間がない」「でも、栄養のあるものを食べさせたい! 」そんな悩みを解消するのが本書。
忙しいママやパパを救う、子どもと食べる作りおきレシピ集です。1歳半~5歳児の成長に必要な栄養がたっぷりで、作りおきしておいしいおかずを集めました。
スキマ時間を利用して作っておけば、食べるときはチンするだけ&盛るだけ。子どもの「お腹すいたー」にも、手作りのおかずですぐに応えられます。
メニューは、子どもが野菜をよく食べる人気料理を厳選。大人が食べてもおいしい、ちょい足しアレンジも紹介しています。
役立ちコラムも満載です。・発達に合わせたスプーン、箸の持ち方 ・食べてくれないときの対処法・かまって攻撃への対策 ・栄養バランスのいい手抜きレパートリー
時間と心に余裕が生まれ、子どもとのごはんの時間が楽しくなる1冊です。

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