【英語勉強法】中1英語 スタートでつまずかないための予習復習のすすめかた
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4月に真新しい制服に身を包んだ中学生の姿を街で見かけると「入学したての中学1年生なんだろうな」とわかり、心の中で応援したい気持ちになります。中学校生活という新しい環境に意気込む姿は、とても頼もしく見えます。
そこで今回は新中学1年生の保護者の方からよくお声が挙がる「中1英語の予習復習」についてお伝えさせていただきます。
“小学校でも英語をやっていた”から大丈夫?
2020年から小学校でも「英語」が教科となり、通知表に成績が表示されるようになりました。“教科”となったと聞いて、保護者の方の中には、ご自身が中学1年生のころに習っていた内容を前倒して学習しているイメージを持たれる方も少なくありません。
では、実際に小学校での英語(以下、外国語)はどのようなことを目標に授業が行われているのでしょうか?文部科学省発表の「【外国語活動・外国語編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説」で、外国語の目標は以下のように記載されています。
「(中略)今回の改訂では、小学校中学年に新たに外国語活動を導入し、(中略)音声面を中心とした外国語を用いたコミュニケーションを図る素地となる資質・能力を育成した上で、高学年において「読むこと」、「書くこと」を加えた教科として外国語科を導入(後略)」
このように、小学校中学年の外国語は音声面を中心として英語に慣れ親しむことが中心となっており、小学校高学年では「読むこと」「書くこと」が導入として扱われています。
小学校では、アルファベットや簡単なあいさつや単語の読みを扱いますが、アルファベットを正確に書いたり単語を暗記したりといったレベルまでは求められていません。
つまり、“小学校での英語は中学校の内容の前倒し”ではなく、特に「読むこと」「書くこと」については中学校からが本格的なスタートであると言えます。
そのため、これまでの外国語の成績に関わらず、中学校から英語が再スタートとなるイメージを持つことが大切です。
- ■小学校の外国語は音声面を中心に学習
- ■小学校の外国語の学習内容は中学校の内容を前倒ししているわけではなく、コミュニケーションに役立つ素地の育成が目標
- ■「読むこと」「書くこと」の本格的な学習は中学校からスタート
また、英語に限った話ではありませんが「小学校の成績と中学校の成績に相関はない」と考えることも、中学1年生にとって重要な心構えです。
「算数が苦手だから数学もきっとできない」や「外国語でうまく発言できなかったから英語も苦手」と考えてしまいがちですが、小学校と中学校では学ぶ内容や評価の方法が大きく異なっているため、小学校での得意・苦手意識と中学校の成績は必ずしも一致しません。
中学校進学は苦手意識払拭のチャンスでもあるのです。小学校の勉強で苦手な分野があったお子様に、「小学校の成績に関係なく、中学校で心機一転頑張ろう!」とお声がけいただくとモチベーションをぐっと引き上げるきっかけとなることも、こちらでお伝えさせてください。
できると思っていても確認が重要な「アルファベット」
中1英語は基本的に、クラスルームイングリッシュ(教室内で使用する英語)やアルファベットから学習します。外国語の教科書でも、アルファベット(大文字・小文字)を扱っているので、「小学校でアルファベットは書けるようになっているはず」と思われる方も多いかと思います。
しかし、小学校では必ずしも中学校のように本格的なアルファベットのテストを行っているわけではなく、「アルファベットを完璧に暗記する」といった課題の出し方をしているケースはまれです。
書く指導も「今日はAとB」など1文字~3文字程度ずつを学習範囲として行われるため、大文字・小文字それぞれ26文字を何も見ずに何度も書いてみるといった暗記をみっちりと指導するケースは多くはありません。
ところが、中学校の定期テストでは、大文字⇔小文字の書き換え問題や、文字列をアルファベット順に並び替える問題のように、大文字・小文字の暗記を求める問題が出題されることがあります。
そのため、中1英語の予習として、アルファベット大文字・小文字を何度も練習するということは大変有用であると言えます。また中学校の採点は小学校よりもやや細かいポイントまで見る傾向にあるため、四線上での棒の長さの「伸ばしすぎ」「短すぎ」や、pとqやbとdの混同といった誤りがないように、改めて正しいアルファベットの形を理解する機会としても効果的です。
過去の記事で、具体的なアルファベットの学習方法についてもお伝えしていますので、併せてぜひご確認ください。
中学進学に向けて、小6生が自宅でできる「英語」の先取り学習法2選
「予習」よりも「復習」重視で、成功体験を
また、中学校進学にまつわるご家庭の不安をお聞きすると、多くの方が最初に「勉強についていけるかどうか」といった点を挙げられます。
しかし実は、お子様にとっての中学校進学は勉強以外にもたくさんの大きな変化があるのです。
例えば人間関係や部活動、通学時間の変化や制服・鞄といった身に着けるものの変化までも、お子様にとっては大きな変化です。
そこに、「予習をする!」というこれまでにない学習スタイルを無理に埋め込んでしまうことは、過剰な負荷となってしまい、「できないこと」を増やしてしまう可能性があります。
そこで、中学校生活に慣れるまでの1学期の間は、「予習」ではなく「復習」を学習の中心とすることが大切です。1学期の間は、学校も“中学校生活に慣れる”ことを主眼に据えて指導している場合が多く、生活の変化に順応しつつ日々の学習に取り組めるような課題量に収まるケースがほとんどです。
中学1年生のスタートでは、お子様が少しでも「英語って楽しい!」「英語ができる!」と感じる経験をしていただくことが重要です。
特に最初の定期テストは学習範囲が他の教科に比べて狭く、学習しやすい内容となっていることが多いため、日々の復習を大切に学習することで、比較的成功体験を積みやすい内容です。積み重ねの教科である英語は特に、その日の学習内容の復習を大切にしてください。
まとめ & 実践 TIPS
中学校進学は、生活とともに学習意欲を大きく変容させる大チャンスです。ぜひこのチャンスに「なりたい自分」を目指し、さまざまなことにチャレンジしてください。新しい生活環境の中で、お子様がたくさんの経験を楽しめるよう応援しています!
株式会社プランディット 英語課 堀内(ほりうち)
編集プロダクションの株式会社プランディットで、進研ゼミを中心に、小学校から高校向けの英語教材の編集を担当。
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