大学入試の新テストに導入の英語の「4技能」 中高の学力テストが先行?

大学入試の新テストに導入の英語の「4技能」 中高の学力テストが先行?文部科学省は、2020(平成32)年度に導入予定の「大学入学希望者学力評価テスト」(仮称)で、英語の聞く・話す・読む・書くの「4技能」を重視する方針を打ち出している。
これに先立って、中学校での全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)や、高校版全国学力テスト「高等学校基礎学力テスト」(仮称)でも、4技能を問うテストを行おうとしているという。ベネッセ教育情報サイトが、教育ジャーナリストの渡辺敦司氏に話を聞いた。

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中学の全国学力テストで4技能調査を行う方針は、昨年12月に行われた専門家会議で、2019(平成31)年度からの実施を目指すことが改めて確認されました。
「複数年に一度実施」ですが、調査の目的が「英語教育改善のため」とされていますし、スピーキングやライティングは「教員による試験実施・採点も検討」するとされています。出題を契機に、普段の英語の授業にも大きな影響を与えることは間違いありません。
高校に関しては、基礎学力テストで「4技能を測ることができるテストを導入する」(高大接続システム改革会議「中間まとめ」)とされています。基礎学力テストが始まるのも、2019(平成31)年度です。中学校での全国学力テスト、高校での基礎学力テストという具体的なテスト問題を通じて、英語の授業を通じて身に付けさせるべき4技能の能力が示され、それに基づいて実際の授業をどう変えるべきかというメッセージを、具体的な形で英語担当の先生に与えることになります。
現在、改訂を検討している次期の学習指導要領では、中学校でも「英語で授業」が基本となりますし、小学校高学年の「外国語活動」は教科になります。ペーパーテストのための勉強ばかりに打ち込むのではなく、将来いつ英語を使う機会が訪れてもよいように、今から積極的に4技能をバランスよく身に付けようと努力する姿勢が、ますます求められるでしょう。

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