進路選択…やりたいことはいつ・どう見つければ?/お笑い芸人 厚切りジェイソンさん&石井てる美さん対談【前編】
- 進路・職業
最近でこそ文系と理系の学問を横断的に学べる学部などが登場しています。
ただ、多くの高校では大学で学びたい学問に合わせて、「文系コース」「理系コース」にクラス分けされるところが多いようです。
では、我が子はどちらを選べばいいのでしょうか?
文系コースを選択したものの、大学に入ってから理系学部に転じた石井てる美さん(東京大卒・芸人)、好きなコンピューターサイエンスを究めた厚切りジェイソンさん(IT会社役員・芸人)の進路選択のエピソードには、ヒントになることがたくさんありそうです。
やりたいことはいつ、どうやって見つけた?
——進路選択のエピソードを教えてください。
石井てる美さん(以下:石井さん):私が「文理選択」をしたのは、高1から高2に上がる時でした。進路調査の紙が配られたものの、やりたいことは特にナシ。ただ、数学が苦手で、英語が得意だったので、とりあえず「文系コース」にマルをしたのがはじまりでしたね。つまり、大学で学びたいこととか、将来やりたいことというよりも、「大学受験を乗り越えるにはどうするか」で決めた気がします。
厚切りジェイソンさん(以下:ジェイソンさん):アメリカの場合は、ちょっと違うかもしれないですね。「理系か文系か」っていう考え方はなくて、「やりたい仕事」から逆算して、必要なことを学んでいく人が多いんじゃないかな。僕の場合は、コンピューターが好きで、プログラミングの仕事をしたかったので、高校生のうちに基礎的な知識を身に付けて、大学で本格的なコンピューターサイエンスを学びました。
石井さん:「何のために?」が明確な勉強っていいね。そこがはっきりしていないと、私のように大学合格が目標になりがちだもんね。
ジェイソンさん:アメリカの場合は、就職してから人事異動がないということもあるけれど、早めに目標を決めて、学生のうちに仕事に必要な知識を身に付けることで、就職してすぐに戦力になれるわけです。
石井さん:私の場合、やりたいことが見つかったのは、大学生になってから。東京大学では、3年次に上がる時に学部を選ぶのですが、自分が入った文系の学部はどれもしっくりとこない。ところが、工学部の社会基盤学科プロジェクトコースというところの説明会に参加してみたら、海外でリサーチできたりして「楽しそうだな」と思えて、理系だけれども行ってみることにしたんです。
「得意」が進路選択の強みになった
——石井さんは、文系学部に入学したのちに理系学部へ。苦労はなかったですか?
石井さん:文系の学生でもついていけるような科目も少なくなかったこともありますが、高校時代に、目の前の授業をしっかりと聞いていたことが大きかったと思います。それから、英語という武器があったこと。数学では理系の学生にかなわなかったものの、英語を使う学科でもあったので、英語が得意だったことが強みになりました。
ジェイソンさん:それは僕も同じかな。コンピューターサイエンスに加えて、日本語という武器を身に付けたことで、唯一無二になれた。それで、日本に来るチャンスをつかむことができましたから。
うまくいかなかったら後戻りすればいい!
——お二人とも、お笑い芸人としてデビューしたという共通点もあります。
ジェイソンさん:お笑いが好きだったので、お笑い養成所に通ってみたのがきっかけです。ただ、そんな挑戦ができたのは、会社役員というベースがあったからこそですね。
石井さん:私も同じです! 芸能界なんて、夢みたいな世界じゃないですか。でも、興味があるのに、何もしなければ後悔するだけ。やってダメなら諦めがつくし、失敗しても後戻りすればいいと思って、会社を辞めて挑戦してみたんです。
そうして今に至るわけですが、高校生なんてまだまだこれから。やりたいことがあるならどんどん挑戦すればいいし、やりたいことがまだ見つからなくても、今のがんばりがきっと将来の自分を助けてくれると思います。
【中編】では、進路選択と苦手との関係についてうかがっていきます。
※この記事は、公開日時点の情報に基づいて制作しています。
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