自分の言葉で地元を語る!直島の児童が「本村こどもガイド」に挑戦【直島アート便り】

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直島小学校では4年生がふるさと学習の一環で、地元である本村地区をリサーチし、地域の歴史や魅力を学習します。児童は、本村地区で展開するアートプロジェクト「家プロジェクト」を始めとする作品を鑑賞したり、調べ学習を行ったりして、2022年11月に自分たちなりの視点で本村地区をとらえ紹介する「本村マップ」を制作しました。

そして1年間のふるさと学習の集大成として、2023年2月にはこれまで学んできたことをリーフレットにまとめ、実際に本村を訪れたお客さまに向けて「本村こどもガイド」を行いました。今回は、「本村こどもガイド」に至るまでのプロセスと、当日の様子をご紹介します。

この記事のポイント

ふるさと学習のプロセス

本村地区は直島の生活の中心地であり、歴史あるエリアです。集落の中では、空き家などを改修し人々が住んでいたころの時間や記憶を織り込みながら空間そのものを作品化した「家プロジェクト」、建築家・三分一博志氏が手掛けた建築作品The Naoshima Plan 「水」、染色作家である加納容子氏が2001年に発表した本村の家の門や玄関にのれんをかける作品《のれん路地》から続く「直島のれんプロジェクト」、屋号を金属プレートに記し各民家に掲示する町役場主導の「屋号プロジェクト」などさまざまなアートプロジェクトが展開しています。

直島小学校の4年生は2022年4月から家プロジェクトの鑑賞をとおして、自分なりの見方で作品を解釈したり、作品に詳しいスタッフや島のかたのお話を聞いて地域とのつながりを考えたりしながら、本村の特徴や魅力を学んできました。

2022年11月には児童一人ひとりが好きな作品を一つ選び、おすすめポイントをまとめたマップを制作しました。

児童たちが作った本村マップ

マップは家プロジェクトエリアにあるショップ「本村ラウンジ&アーカイブ」に展示され、直島を訪れた多くのお客さまに見て、知ってもらうことができました。
本村について段階的に学習してきた児童たちは最後のステップとして、2023年2月にお客さまへのガイドに挑戦しました。

本村ラウンジ&アーカイブ 写真:鈴木研一

リーフレットを作ろう

実際のガイドに先駆けて、児童たちはお客さまに配布する「リーフレット」を制作しました。
担当する作品ごとにグループに分かれ、まずはリーフレットにどのような情報を入れるべきか話し合います。

「作品をこれから観るお客さまが知りたいことって何だろう」「どんな風に伝えるとわくわくするかな」「作品を観る前に伝えない方がよいことってあるかな」など、児童たちは自分たちがおすすめしたいことと、お客さまの鑑賞体験の両方の視点を軸に内容と構成を考えていきます。

作品までの道順がわかりづらいため地図を描いたり、作品の見方に一つの正解がないことを伝えるために児童自身の解釈を紹介し「あなたはどう感じましたか?」と問いかけを入れたり、作品の注目してほしいところをクイズ形式にしてみたりして、グループの個性やこだわりが詰まったリーフレットが完成しました。

リーフレットを使ってガイドしてみよう

2023年2月、児童たちは制作したリーフレットを使いながら、実際に直島を訪れたお客さまに本村をガイドしました。

児童たちは担当する作品に訪れたかたや、興味を示してくださるかたに声をかけ、リーフレットを渡して作品を案内します。

家プロジェクト「はいしゃ」にてお客さまと一緒に鑑賞

初めは緊張していた児童たちも、他のグループが案内している姿を見て勇気をもらったり、実際に案内をしたお客さまから感想を聞いたりすることで自信がつき、「関心のあるかたがいないか探してみる!」「道に迷っているかたがいないか見てくる!」と集落の中を歩きながらお客さまに声をかけるなど、積極的に行動に移せるようになっていました。

家プロジェクト「石橋」までご案内

また、当日は海外から来られたかたも多く、事前に準備してきた英語での挨拶や質問などを交えながら、日英問わず活発に交流する姿が見られました。

海外から来られたお客さまにThe Naoshima Plan 「水」を英語でご案内

「本村こどもガイド」に参加されたお客さまからは、「児童の説明が丁寧でわかりやすかった」「自分たちで制作したリーフレットが素晴らしい」「他の作品もガイドしてほしい」といった声が寄せられました。

作品の概要をただ説明するのではなく、「私にはこう見える」という自分なりの解釈をお話したり、お客さまはどう感じたかを尋ねてみたり、本村を自分たちの目で見て考えてきた児童たちならではのガイドが展開できたのではないでしょうか。

自分の言葉で地元を語る

「本村こどもガイド」では、本村のことを学び、自分なりに考え、それを表現するという過程を経てきたことに加え、島外からいらっしゃるお客さまの反応に直接触れることで、自分たちだけでは気付けない「外から見た本村の魅力」を知るきっかけにも繋がったのではないでしょうか。

「本村こどもガイド」は、1年間にわたるふるさと学習の過程も含めて、児童たちが自信を持って地元のことを語り、地元への愛着や誇りを感じられる機会になったでしょう。

プロフィール



「ベネッセアートサイト直島」は、直島、豊島、犬島などを舞台に、株式会社ベネッセホールディングスと公益財団法人 福武財団が展開しているアート活動の総称です。訪れてくださる方が、各島でのアート作品との出合い、日本の原風景ともいえる瀬戸内の風景や地域の人々との触れ合いを通して、ベネッセグループの企業理念である「ベネッセ=よく生きる」とは何かについて考えてくださることを願っています。
https://benesse-artsite.jp/

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