うちは対象?子育て支援制度 受けられる助成金は何がある?
- 教育費
現在の子育て支援制度は種類が多く、助成条件もさまざまです。そのため、「どんな助成があって、自分がどの助成の対象なのかよくわからない」という方も多いのではないでしょうか?そこで今回は、小学校から高校生のお子さまを持つご家庭向けに、さまざまな子育て支援制度の「誰が対象で、どのような助成なのか」を、わかりやすく解説します。
児童手当
対象となるご家庭は?
0歳~18歳(高校生)の子がいるご家庭
どんな支援制度?
児童手当とは、児童を養育しているご家庭への、子育て応援を目的とした支援制度です。2024年10月より支給期間の延長や所得制限の撤廃など、支援が手厚くなりました。
支援内容は?
改正後の児童手当の内容は以下の表をご覧ください。
※こども家庭庁サイトより作成
【4つの改正ポイント】
・所得制限の撤廃
対象年齢の子を持つすべてのご家庭が対象になりました。
・支給期間の延長
中学校年代(15歳になったのち最初の3月末)から高校生年代(18歳になったのち最初の3月末)に延長されました。
・支給回数の増加
年3回から6回に増えました。
・第3子の増額
月額3万円に増額されました。ただし、第3子のカウント方法には注意が必要です。
改正以降の児童手当の総支給額は230万円を超えるため、大学入学資金として貯蓄するのもおすすめです。改正後の児童手当に関する詳しい内容は下記の記事をご覧ください。
児童扶養手当
対象となるご家庭は?
父母の離婚や死別、一定程度の障害などの状況で、0~18歳(高校生年代)の児童を養育しているご家庭(ひとり親家庭等)
どんな支援制度?
児童扶養手当とは、ひとり親家庭などの生活の安定と自立を促進するための制度です。支援要件を満たしていれば、児童手当と児童扶養手当は両方受給できます。
支援内容は?
支給額は、ご家庭の所得に応じて段階的に決められています。令和6年(2024年)11月より一部が改正され、所得限度額と第3子以降の加算額が引き上げられます。
〈支給額〉
・全部支給家庭:月額4万5,500円
・一部支給家庭:月額4万5,490円~1万740円
〈2人目以降の加算額〉
・2人目 全部支給家庭:月額1万750円
・2人目 一部支給家庭:月額1万740円~5,380円
※2024年11月以降は3人目以降も2人目と同額になります。
〈所得制限限度額(収入ベース)〉
・全部支給(2人世帯):190万円(←160万円*)
・一部支給(2人世帯):385万円(←365万円*)
*()内の金額は2024年10月現在のもので、2024年11月から所得制限限度額が引き上げられます。
【参考資料】
児童扶養手当について|こども家庭庁
子ども医療費助成制度
対象となるご家庭は?
・0歳~就学前の児童がいるご家庭
・0~15歳(中学生)までの児童がいるご家庭
・0~18歳(高校生)までの児童がいるご家庭 など
支援対象や所得制限の有無などは、お住まいの自治体によって異なります。
どんな支援制度?
子ども医療費助成制度は、支援対象となる子どもが医療機関などを受診した際に医療費の一部を助成してくれる制度です。
支援内容は?
医療費の自己負担額は自治体によって異なり、全額無償化されているところもあれば、「1回の受診で負担上限500円」などと定められているところもあります。
自立支援医療(育成医療)
対象となるご家庭は?
特定の障害や疾患を持つ子どもがいるご家庭
どんな支援制度?
自立支援医療制度(育成医療)とは、特定の障害や疾患を持つ子どもが、その障害や疾病に対して確実に効果が期待できる治療を行う際の医療費支援制度です。
自立支援医療費制度には、「精神通院医療」「更生医療」「育成医療」の3種類があり、子どもが対象となっているのが「育成医療」です。所得制限が設けられており、所得ごとに月額医療費の負担上限が異なります。
支援内容は?
月額医療費の上限は0~1万円で設定されており、年収約833万円(夫婦+子どもの3人世帯の場合)以上のご家庭では1割負担です。
【参考資料】
自立支援医療制度の概要 |厚生労働省
高等学校等就学支援金制度
対象となるご家庭は?
世帯年収が一定以下で、高校・特別支援学校(高等部)・高等専門学校(1~3年生)などに通う子どもがいるご家庭
どんな支援制度?
高等学校等就学支援金とは、高校等に通う子どもがいるご家庭に対する、授業料の就学支援制度です。国公私立を問わず、所得要件を満たせば支給されます。お住まいの自治体によっては、独自支援として所得制限が撤廃されているところもあります。
※高等学校等就学支援金リーフレットを基に作成
国公立高校では11万8,800円、私立高校では最大39万6,000円が授業料として支援されます。所得基準は「片働き・共働き」や「子の人数」によって細かく設定されており、片働きで子が2人(高校生と中学生以下)の世帯の場合、世帯年収約910万円未満のご家庭が支援対象となります。
【参考資料】
高等学校等就学支援金リーフレット
高校生等奨学給付金
対象となるご家庭は?
高校生等の子どもがいる生活保護世帯または住民税所得割が非課税の世帯
(家計が急変して非課税相当になった世帯も対象)
どんな支援制度?
高校生等奨学給付金とは、子どもが安心して高校等の教育を受けられるよう、低所得世帯を対象に授業料以外の教育費(教科書代・学用品費・入学学用品費・修学旅行費など)の負担軽減を目的とした、返還不要の給付型支援です。
上で紹介した「高等学校等就学支援金」との併用利用も可能です。
支援内容は?
国の補助基準は以下の表をご覧ください。
※令和6年度 高校生等奨学給付金リーフレットを基に作成
表にあるように、世帯状況や第1子・第2子などによって給付額に差があります。制度の詳細は、お住まいの都道府県で異なる場合があるため、利用する際は下のURLより確認してみてください。
【参考資料】
高校生等奨学給付金:文部科学省
高等教育の修学支援新制度(大学無償化制度)
支援対象は?
大学、短期大学、高等専門学校(4年・5年)、専門学校に進学している学ぶ意欲がある学生(世帯収入や資産の要件あり)
どんな支援制度?
高等教育の修学支援新制度とは、授業料等減免と給付型奨学金の両支援で、家庭の経済状況にかかわらず大学等への進学のチャンスを確保できるようにする支援制度です。
「授業料等減免」の部分は、授業料と入学料が免除または軽減されることから、「大学無償化」と呼ばれることもあります。
支援内容は?
支給額は、資産要件である「申込日時点の学生等本人と生計維持者(2人)の資産額の合計が2,000万円未満(生計維持者が1人のときは1,250万円未満)であること」を満たしたうえで、世帯収入に応じた4段階の基準で決まります。支援内容の例は下の表をご覧ください。
【令和6年(2024年)9月現在の高等教育の修学支援新制度】
※文部科学省 高等教育の修学支援新制度概要より作成
※〈本人(18歳)・父(給与所得者)・母(無収入)・中学生〉の4人家族で、本人がアパートなど自宅以外から私立大学に通う場合の支援額目安(年額)
令和6年度から、世帯収入中間層の多子世帯と私立学校の理工農系の学生への支援を拡充しました。ここでいう多子世帯とは、扶養する子どもが3人以上いる世帯を指します。
さらに、令和7年度からは、多子世帯の支援が拡充します。給付型奨学金はなくなりますが、所得制限が撤廃され……
・国公立大学の場合:入学金 約28万円 / 授業料 約54万円(年額)
・私立大学の場合 :入学金 約26万円 / 授業料 約70万円(年額)
が支援される予定です。
大学無償化や奨学金に関する詳しい記事はこちらをご覧ください。
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まとめ & 実践 TIPS
国の少子化対策として、児童手当や医療費の助成、高等学校等の授業料の実質無償化などが整備され、多くの家庭で高等学校卒業までに教育資金をためやすい体制が整えられてきています。支援の力をしっかり活用し、子どもが希望する進路をサポートするために、時間を味方につけて、コツコツしっかり教育資金を準備しましょう。
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