お子さまの“今”に合った声かけや勉強のコツをお届けします

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ベネッセの教育情報アプリ「まなびの手帳」 では2021年6月より、「わが子の学習タイプ診断」をスタート。30の質問でお子さまの“今”を診断し、学力アップにつながる声かけや勉強のコツなどを日替わりでお届けしています。そこでその総合監修を務め、発達心理学、学校心理学の専門家である渡辺弥生先生に、診断テストの開発への思いや、親子の関わりなどについてうかがいました。

この記事のポイント

わくわく学ぶお手伝いがしたい

毎日わくわくしながら学べたら、学校生活はきっとぐっと楽しくなりますよね。ところが実際は、思うように点数がとれなかったり、親御さんがつい小言を並べてしまったり…。それを「わくわく」に変えていくために大事なことの一つが、毎日の親子の会話です。親御さんが声のかけかたをちょっと工夫したり、お子さんに合った学習のしかたなどを伝えたりするだけで、子どもは「そうか!」「できるかも」という自信を持ち、視野や興味を広げ、学びに前向きもなれるもの。感情の仕組みや発達などについて研究してきた者として、子どもたちが好奇心をもち、新しいことを学ぶわくわく感を得るためのお手伝いをできたらいいなという思いで、診断テストの監修をお受けしました。

学力を伸ばすカギとなる3つの力を診断

テストでは30の質問により、学力を伸ばしていくために特に身につけたい3つの力を診断。そのバランスによって8つの学習タイプにわけ、週2回、タイプ別に声かけのコツや学習法などをお届けできるようにしました(水曜日の学習法は親野智可等さんが監修)。この3つの力は、小学校中学年くらいから獲得できるようになるもので、一度その視点や学習法などがわかると学びの効率が上がり、「やればできる」という自己効力感にもつながります。

ー3つの力とはー

●自己調整力

自分で目標を設定したり、課題を目標までに無理なく達成するために、段取りを考えたりする力です。先延ばししたくなる気持ちをコントロールし、ゴールに到達できるようになると、学びに前向きになり、やれている気持ちが高まります。

●感情力

なかなか問題が解けなかったり、解くのに時間がかかったりすると、イライラしたり、悲しくなったりしがちです。そのような気持ちは問題と向き合うエネルギーにはなりますが、できれば「落ち着いて集中して解こう」といった気持ちを持てるようにしたいもの。自分の気持ちを理解し、「どうすれば状況に合わせて気持ちをコントロールできるようになるか」に気づければ、学びに前向きにのぞめるようになるのです。

●メタ認知力

「自分はどこが苦手で、どこに力を入れたらいいか」など、自分の考えや行動について客観的にとらえる力です。小学校高学年ごろからぐんと発達する力ですが、声かけによって低学年から土台を育んでいけます。自分の学びをモニタリングして、「自分はこういう間違いをしがち」などと気づけるようになれば、それをコントロールする方法も考えたりできるようになります。

学びには他にも様々な力が必要とされます。とりわけ、なぜこの3つなのかというと、学習面で壁にぶつかるとされる9歳・10歳ごろに、これらを獲得していることで壁を乗り越えられるからです。「わが子の学習タイプ診断」は、アカデミックなエビデンス※をもとにして、分析も行ったうえで質問項目を選定していますので、安心してご活用ください。1組でも多くのご家庭で実際に役立てていただける診断テストになるよう、1,000組の保護者のご意見もうかがうなどしながら完成させました。
※エビデンス:証拠

ポジティブな反応が“わくわく”につながる

「声かけで学力が変わるの?」と思われるかもしれませんが、ポジティブなやり取りは、ハッピーの連鎖につながります。これを心理学では“ポジティブキャピタリゼーション”というのですが、例えば友達に「ステーキを食べたんだ」と話した時に、「いいね!」と返ってくるのと「胃もたれしそう」と言われるのでは、気持ちがぜんぜん違いますよね。「いいね!」と返ってくると、話したほうは思いやりや寛容性が高まります。もちろん、うれしい情報をもらったほうも気持ちが肯定的になります。逆に、否定的な反応ばかりだと、その友達にはもう「ステーキを食べた」なんて言いたくなくなってしまうでしょう。それは、子育てでも同じこと。親の価値観を押しつけるだけでは、子どもはやがて「ワクワク」という気持ちを持たなくなってしまいます。診断テストのアドバイスなども参考に、ぜひお子さんの気持ちや関心のあることに注意を向け、気持ちを理解したうえで、お子さんが気づいていない視点や勉強のやりかたなどをわかりやすい言葉にして伝えていきましょう。

子育てについての記事などを見ると、つい「ああしなきゃ」と肩に力が入ってしまいがちですが、子どもはそれぞれに素晴らしい個性を持っています。お子さんとの話のタネにもなりますし、一緒にアプリをしてみるのも良いですね。毎週、お子さんのタイプに合わせて具体的でポジティブな声かけや勉強法も紹介していきますので、ぜひ目の前にいるお子さんに寄り添いながら、活用してくださいね。

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プロフィール


渡辺弥生

法政大学文学部心理学科教授。教育学博士。発達心理学、発達臨床心理学、学校心理学が専門で、子どもの社会性や感情の発達などについて研究し、対人関係のトラブルなどを予防する実践を学校で実施。著書に『子どもの「10歳の壁」とは何か?—乗り越えるための発達心理学』(光文社)、『感情の正体—発達心理学で気持ちをマネジメントする』(筑摩書房)、『まんがでわかる発達心理学』(講談社)、『子どもに大切なことが伝わる親の言い方』(フォレスト出版)など多数。

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