【お子さまの傾向別】勉強や宿題をしないときは、こんな声かけを!

保護者のかたがお子さまの代わりに勉強してあげることはできませんが、やる気のスイッチを入れるきっかけを与えることはできます。単に「勉強しなさい」とくり返すだけでは、お子さまの心には届きません。お子さまのタイプや状態によって声かけを工夫することが大切です。


気が散って勉強に集中できないお子さまには

 勉強や宿題をしなくてはいけないと本人もわかっているのに、なかなか机に向かえないことは誰にでもあるものです。大人でも、どうしても仕事や家事をする気持ちが起きないことはあるでしょう。そんなときに「早く勉強しなさい!」と叱るのは逆効果。「今から勉強しようと思っていたのに、そう言われてやる気がなくなった」などと、ますますやる気を失ってしまいかねません。

 

お子さま自身が「やらなくてはいけない」とわかっているのですから、気持ちを切り替えるサポートをしてあげましょう。例えば、「○時になったらテレビを消して勉強しようね」「タイマーが鳴ったらゲームをやめようね」などと、時間を設定してあげるのはよい方法です。それでもなかなかやる気が起きなければ、再びタイマーを設定し、「30分間だけ勉強に集中できたら、またテレビを見ようね」などと、先の見通しをもたせると、目の前の学習に向かいやすくなるでしょう。

 

 

「どうせ勉強してもできない」などと自分に自信がないお子さまには

 勉強をしているのに学力が伸びないことなどから自信を失ってしまい、勉強をしたがらなくなるお子さまもいます。こうしたケースでは、自信をもたせようとして「大丈夫。やればできるよ」などとポジティブな言葉をかけてしまいがちですが、それではますますプレッシャーを与えてしまいかねません。

 

まずは、「勉強してもできるようにならない」と感じているお子さまの気持ちを受け止めましょう。そのうえで、「どうしてそう思うのかな?」「どこがわからないの?」などと苦手意識やつまずきを具体的に把握し、乗り越えられるようにサポートをしましょう。またやる気はあるのに勉強方法が誤っていて学力につながらないケースも少なくありません。お子さまの勉強をよく見てアドバイスをしたり、必要に応じて先生に相談したりするとよいでしょう。

 

 

勉強をすることに意味を感じられないお子さまには

 なかには、勉強をすることに意味を感じられず、テストの点数が低くても意に介さないお子さまもいます。こうしたお子さまはスポーツや趣味など自分の興味のあることには没頭する傾向が見られます。つまり、裏を返せば、「勉強って必要なんだ」と感じられれば学習意欲も一気に高まるのです。

 

とはいえ、「どうして勉強しなきゃいけないの?」と、お子さまから真顔で聞かれたら困ってしまうかたも多いに違いありません。こうした質問を受けたら、すぐには答えを与えず、「どうして勉強をしても意味がないと思うのかな?」などと返し、まずはお子さま自身に考えてもらいましょう。

 

そして、お子さまが「勉強をしても役立たない」と言うのなら、日々の生活や未来とのつながりをイメージさせましょう。例えば、「今、あなたが話をしたり、数を数えたりできるのは、小さな頃から言葉や数を学んできたからなのよ」「確かに今すぐに役立たないこともあるけど、大きくなって何かがしたいと思ったとき、きっと役立つはずだよ」といったアドバイスが考えられます。また、お子さまが「勉強しなくても生きていける」などと話す場合は、「確かに生きていけるけど、たくさん勉強をすると、知っていることやわかることが増えて、より豊かに生きられるようになるんだよ」などと説明してあげましょう。

 

お子さまが「勉強しても意味がない」と固く思い込んでいる場合は、こうしたアドバイスをしても、すぐには変化は表れないでしょう。しかし、その後、お子さまが「勉強は本当に必要なのか」と自問自答をする際、「そういえば、お母さんはこう言っていたな」と参考にするに違いありません。「大人に言われたからやろう」とは考えず、自分なりに勉強の意義を考えるのは、ある意味では自分に正直な姿勢です。保護者のかたは焦らずに何度でも向き合い、じっくりと語り合う気持ちをもつようにしましょう。

 

 

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