夏休みの定番「観察日記」のまとめ方 子どもが楽しく学べるように親ができる声かけポイント
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朝顔やミニトマトの鉢を抱えて帰る小学生や保護者のかたを見かけると、夏休みの始まりだなとわかります。
観察日記は夏休みの宿題の定番ですね。この貴重な学びの機会を生かすには、ご家庭でどのようにお子さまをフォローするのがよいでしょうか。
(赤ペン先生 河原)
この記事のポイント
「じっくり、ゆっくり」を教えたい
チューリップ、朝顔、ホウセンカ、ミニトマト、蚕、ヘチマ、ゴーヤー、稲、ヒヤシンス……。小学校六年間の間に、子どもたちはさまざまな植物や生き物のお世話をし、観察します。
この「観察する」という学習は、子どもの頃は授業の“おまけ”程度にしか思っていませんでしたが、親になってみると多くの意味をもつ学びであると気付かされます。
あらゆる情報が瞬時に手に入ってしまう日常の中では特に、「じっくり、ゆっくり物事を見て感じる」ことの楽しさ、おもしろさを子どもたちに体験してもらえる、得がたい機会となるように思えます。
「一緒に眺める」を楽しんでみる
でも当のお子さまはというと、観察になど全く興味がない様子。授業内でかいた観察絵日記をパラパラめくってみると、それが確信に変わります。
持ち帰った鉢はほったらかし。気が気でないおうちのかたがしかたなく水やりを……。こんな光景は珍しくないようです。
そんなお子さまにやる気を出してもらうコツは、まず、おうちのかたが興味を示してみせることです。
「昨日よりつぼみが増えたよ」「花が咲きそうだよ」と発見した「変化」をお子さまに報告し、「見てみて~」と呼んで一緒に眺める。こんな「観察タイム」を三日に一回、一週間に一回、負担のない頻度で設けてみるのがよいと思います。
初めは面倒がっていたお子さまも、一つのことを一緒に眺め、気付いたことを言い合う楽しさに目覚めていくはずです。その楽しさが、観察している対象への興味にもつながっていくことと思います。
観察日記のまとめ方のアドバイス
お子さまが観察日記をまとめやすくなるような、声かけのポイントが3つあります。
1.複数の観点に気付かせる
ただ「見る」だけでなく、さわってみる、においを嗅いでみる、数を数えてみる、大きさ、色、形、太さの変化を見てみる、上と下、内側と外側など、位置による違いを比べてみる、などなどたくさんの観点に気付かせてあげましょう。
2.特徴を言葉にしてもらう
発見した特徴を言葉にしてもらいましょう。的確かどうかより、見て感じたことを「お子さま自身の言葉で表現する」ことが大切です。おうちのかたとのやり取りが、言葉を引き出すきっかけになると思います。
3.疑問をもたせる
「なぜ?」と好奇心をもつことは、より深い学びへの一歩です。「なぜミニトマトは緑から赤になるのかな。」「なぜ蚕は口から糸を出せるのかな。」観察を通して疑問が生まれたら、それもぜひ日記に書くとよいことを伝えてあげましょう。
まとめ & 実践 TIPS
親子で「観察」を楽しむこと、それはかけがえのない「今」を共有することでもあります。昨日までつぼみだった花が開いた朝、それを一緒に喜ぶことができたら、どんな学習にも負けない豊かな心の糧をお子さまにもたらすことになるでしょう。
そんな瞬間を共有できるのも夏休みならでは。観察日記の宿題を、ひと夏の思い出づくりの材料として、親子で楽しんでみてはいかがでしょうか。
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