「SSH」「SGH」って何? 高校の特徴的な取り組みに注目!
志望校選びの際に着目したいのが文部科学省の指定を受け、特定の分野でハイレベルな教育を行う、「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」や「スーパーグローバルハイスクール(SGH)」。SSHやSGHの指定校では、高度で専門的な学びを受けることができるので、お子さまの興味関心を伸ばし、深める大きなきっかけになるかもしれません。
理数教育に力を入れる「SSH」
SSHとSGHはどちらも文部科学省が全国の高校からの応募に対し、申請計画に基づいて審査して指定校を決定します。大学や研究機関と連携して最先端の研究が体験できたり、自分でテーマを設定して研究を行ったりと、他にはない高度な教育の実践が可能となっています。
SSHとSGHのそれぞれの教育内容を見てみましょう。
SSHは、科学技術系人材の育成を目的として2002年度にスタートしました。指定期間は5年間で、理数教育に力を入れる高校を中心に、2016年度現在全国200校以上が指定されています。
SSHの指定校では、大学や研究機関と連携したり、実験設備が充実していたりする環境で、生徒が自分でテーマを設定して研究を進める「課題研究」に取り組むなど、理数教育を充実させています。各生徒が課題研究の成果をプレゼンテーションする発表会などを実施する高校もあり、将来、科学技術の道に進みたいと考えているお子さまにとっては非常に有意義な学びとなります。また、理数系の難関大学進学に向けた対策を充実させています。
国際教育に力を入れている「SGH」
一方、SGHは、国際的に活躍できるグローバルリーダーの育成を目的として、2014年度に始まりました。指定期間は5年間、2014〜2016年度では123校が指定校となりました。また、SGHと同様の方針の教育に取り組む「SGHアソシエイト」(準SGH)に56校が指定されています。
SGHの指定校では、英語教育だけではなく、社会課題に対する関心や教養、コミュニケーション能力、問題解決力など、グローバルに活躍するために必要な国際的素養を幅広く身につけるカリキュラムが用意されています。英語によるグループワークやディスカッション、探究型学習の実施、海外の教育機関と連携した課題研究など、各校の計画に沿って様々な教育を実践しています。どの高校にも共通しているのは、英語を使えるだけではなく、英語を使って国際舞台で活躍できるグローバル人材の育成を目指していることです。
国際標準の教育プログラムを展開する「国際バカロレア」
国際教育に力を注ぐ取り組みとして、SGHとともに注目したいのが「国際バカロレア」(IB)です。IBは、スイスのジュネーブに本部を置く「国際バカロレア機構」が提供する国際的な教育プログラムのことで、国際的な視野を持った人材を育成するため、生徒の年齢に応じて教育プログラムを提供。教育プログラムは、全て導入することも、どれか1つのみ導入することも可能となっており、2016年8月1日現在、世界140以上の国・地域、4,631校がIB認定校となっています。
IBの教育プログラムは、グローバルに活躍するための素養を育成するとともに、所定のカリキュラムを履修し、最終試験で所定の成績をおさめると国際的に通用する大学入学資格や大学受験資格などが得られます。近年は国内でも、IB資格保持者を対象とした入試制度を導入する大学があります。
国内には38校のIB認定校があり、うち24校はインターナショナル・スクールなどです。文部科学省は国内における国際バカロレア認定校等を2018年までに200校に増やすことを目標に掲げており、現在、導入準備・検討中の学校も多く、今後も増加することが予想されます。
SSHやSGH、IBについて大まかにお分かりいただけたと思います。これらの教育内容とお子さまの学びたいことがマッチしているのなら、地域の指定校を確認してみてはいかがでしょう。