注目の反転授業とは? 反転授業のメリット・デメリット

「反転授業」という言葉を耳にしたことはありますか? 近年、従来の授業とはまさしく180度異なる授業形態が注目を集めています。タブレット端末やデジタル教材、インターネット環境など、情報通信技術(ICT)は、わが国における教育にどのような変革をもたらすのでしょうか。

反転授業っていったい何?

通常思い浮かべる授業といえば、先生が教壇に立って講義を行うものですよね。そして、復習として宿題を出されるのが一般的だと思います。反転授業は、その従来の授業形態をまさに「反転」させたもので、家庭でいわゆる「授業」を映像教材を用いて予習の形で受講し、学校の授業の時間では通常「宿題」として扱われる演習や、学習内容に関わる意見交換などを行うものです。つまり、学びのインプットとアウトプットの場を全く逆にするのです。
2000年代にアメリカで始まった試みで、国内でも東京大学を始めとするいくつかの大学が試行を始め、現在注目を集めています。

メリットや注意点は?

反転授業によってもたらされるメリットには、どのようなものがあるでしょうか。考えてみましょう。また、同時に注意点もみてみましょう。

【メリット1】お子さまが意欲的に取り組める

従来の授業は一方的に知識を植えつけることに一貫しがちですが、反転授業では、もっている知識をどのように生かすかに焦点が当てられます。それにより、お子さま一人ひとりの能力や特性に応じた学びが可能になり、難しい課題や発展問題に挑戦させることができます。

【メリット2】教員がお子さまの実態を把握できる

授業は学んだことをアウトプットする場になるため、教員はお子さまの理解の度合いを一人ひとり細かく確認することができます。

【メリット3】授業で問題解決能力を育てることができる

お子さまはタブレットを家庭に持ち帰り、予習の映像教材を視聴したうえで授業を受けます。基礎知識や要点を予習しておくことにより、授業の中では「学び合い・教え合い」などの協働的な学習に時間を充てることができるのです。協働的な学習を通じて、自分の考えをまとめ、議論できる能力を身につけることが期待できます。

【メリット4】学習効率を上げる

映像教材では、わからなかったポイントを繰り返し確認することができます。復習にも活用でき、授業そのものの効率が格段にアップします。

【注意点1】保護者のサポートが必要

宿題としている予習を行わなければ、反転授業の意味はなくなってしまいます。しっかりと効果を得るためには、保護者が家庭での学習を促し、支えてあげる必要があります。

【注意点2】ハードウェアを確保できるのか

タブレット端末などの確保、インターネット回線の整備が十分になされるのかという課題も大きく立ちはだかります。家計の負担が大きくならないように、自治体の施策が求められます。

佐賀県武雄市の例

実は、すでに反転授業を導入している自治体もあります。佐賀県武雄市の全11校の公立小学校では、2014(平成26)年より児童一人ひとりにタブレットを支給し、「スマイル学習」という名で反転授業を行っています。
全教科の全ての時間に反転授業を導入しているわけではなく、対象は3~6年生の算数と4~6年生の理科。まだまだ実績は少ないものの、2015年11月に行われた調査では、「明日の授業が楽しみ」「少し楽しみ」と答えた児童が8割を超えるなど、学習意欲へ好影響が見られています。

まだまだ課題が山積みの反転授業ですが、今後全国に波及するのか、新しい学びの形が日本の教育の未来にどのような影響を与えるのか、注目したいところですね。わが国は今後ますます、少子高齢化、人口減が急速に進むと予測されています。だからこそ、お子さまのより良い未来を、教育を通じて考えなければなりません。

※武雄市教育委員会 武雄市「ICTを活用した教育」検証報告
https://www.city.takeo.lg.jp/kyouiku/cat67/ict.html 

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