予習はなぜ必要?予習の目的と効率のよい予習・復習のコツを解説!
「予習が大切」と言われても、なぜ大切なのか、どう取り組めばいいのかわからないと感じているお子さまもいらっしゃるのではないでしょうか。復習との違いや、どちらに重点を置けばいいのか迷うお子さまもいらっしゃるかもしれません。そこで、予習の目的や効果、効率的なやり方についてご紹介します。
この記事のポイント
予習とは?
予習とは、授業で学ぶ内容を事前に学習しておくこと。「学校で習うのに、なんで前もってやっておかないといけないの?」と疑問に感じる子どももいるものですが、予習には次の5つの効果があります。
予習をすることの重要性と5つの効果
予習をすることで、わからない部分をあらかじめ知っておけば、授業中はその部分の解説に集中できますし、授業後に質問することもできます。反対に「自分自身で理解できること」と「自分で教科書を読んだだけでは、わからないこと」の区別がついていない状態だと、先生の解説をずっと集中して聞かなければならなくなり、負担が大きくなってしまいます。
このように、予習をするかしないかで授業の効果には大きな差が生まれるものです。予習の重要性を理解するために、予習の効果について整理しておきましょう。
1.学校の授業が理解しやすくなり、授業に集中できる
予習で予め学習内容をざっとつかんでおくことで、授業理解は格段にUPします。それにより授業中に「え?これはどういうこと?」「わ、聞き取れなかった」ということが起こりづらくなるもの。授業そのものに集中できるようになります。
2.予め、わからないところ・難しいところを把握しておけるので、授業で聞くべきポイントがわかる
予習で「何が理解できたか」「何が理解できなかったか」を整理できるため、授業で聞くべきポイントが明確になります。これにより、メリハリをつけて授業に臨めるようになるでしょう。
3.授業についていけなくなることや、「わからない」となってしまうリスクを減らせる
授業中に防ぎたいのは、授業内容を理解できずについていけなくなってしまうこと。これは、新しい学習内容が多ければ多いほど発生しがちなものです。予習をすることで、事前に学習内容をつかんでおけば、そのようなリスクを減らしていくことができます。
4.授業中も挙手や発言しやすくなり、自信がつく
予習で事前に学習内容を把握しておくことで、授業内容の理解が進みます。それにより、授業中も先生の質問に対して挙手をして考えを発言しやすくなるものです。積極的に授業に参加することで、自信も身につき勉強の楽しさを実感することもできるでしょう。
5.授業の理解度が上がり、復習時間が短縮できる
聞きどころを押さえて、授業の理解度がUPすると、授業で「わからない」を減らしたり、ゼロにすることが可能になります。その結果、復習にかける時間も大幅に短くなるはず。予習をすることで、授業の一部を復習にすることもできるようになるでしょう。
忙しい人は休み時間を活用してもよいので、授業を受ける前に教科書にはひと通り目を通し、わからない部分をチェックしておきましょう。こうすることで授業の理解度が上がり、その結果、復習にかける時間が少なくてすむようになるでしょう。
予習と復習の目的と違い
学習の効果を高めるには、予習と復習の両方が大切ですが、予習と復習はそれぞれ目的が異なるもの。どのような違いがあるのかをしっかり意識していきましょう。
- ・予習の目的:学校の授業を理解しやすくすること。
- ・復習の目的:理解の穴を埋め、知識の定着をはかること。
上記のような目的の違いがあるため、「予習」では授業を受ける前に「わかる部分」と「わからない部分」を洗い出すことが重要になります。また、学んだことがすぐに知識として定着するわけではないため、「復習」で理解に穴がある部分を洗い出し、補っていくことが求められるわけです。
「予習でインプット・理解→授業で確認→復習で定着」というサイクルをまわしていければ、効率的な知識の定着が進むものです。そうなれば、テスト前に慌てて復習したり、勉強したはずなのに覚えていないといたりすることも防げるでしょう。
予習と復習の使い分けを意識しよう
「予習でインプット・理解→授業で確認→復習で定着」という勉強サイクルをまわしたほうが、効率的に学びを身につけていくことができるとはいえ、お子さまの中には「復習に手一杯で、予習の余裕はない……」という方もいらっしゃるかもしれません。
予習・復習の両方をきちんとこなせれば理想的ですが、部活や課外活動が忙しく、どちらも完ぺきにやる時間がないという人もいるでしょう。そのような人は「予習に時間をかける教科」と「復習に時間をかける教科」を分けて考えるのもひとつの方法です。
例えば、英語と国語は予習に力を入れるのがおすすめの教科。わからない英単語や語句の意味を調べておくことで、授業中は先生の解説に集中できます。逆に数学は、復習が大事な教科です。なぜなら、公式を覚えるだけでなく、それを実際に使いこなせるようになるのが大切だからです。授業で習ったその日のうちに、公式を使った問題を数題解くようにしましょう。
効率のよい予習の方法とコツ
予習が重要とはいえ、むやみに時間をかければいいというものではありません。まだ学校で習っていない部分であるからこそ、やろうと思えばいくらでも時間をかけれてしまうのが気をつけたいところ。ポイントを意識しないと予習で力尽きてしまう危険性もあります。また、予習向けに教材が必要というわけではありません。予習はあくまで教科書中心で大丈夫と理解しておきましょう。
予習の3つのステップ
1.ざっと目を通し、大まかな概要をつかむ
最初から細かく丁寧に内容を押さえるのではなく、まずはざっと目を通し取り組むのが大切です。予習する内容は、学校で習っていない部分のため、わからないところがあって当たり前なもの。細かな点に気を取られすぎると、挫折してしまいます。まずは、ざっくり全体像をつかむようにしましょう。
2.丁寧に目を通し、特にわからないところにチェックを
ざっくり概要をつかんだ後は、丁寧に目を通し「理解できる部分」と、「わからない部分」を整理していきましょう。このとき注意したいのが、わからない部分を理解しようとするのではないということ。授業での聞きどころを明らかにするために、わからない部分が明らかになればOKです。
また、新出単語や語句の意味などは、予め調べて確認しておくようにしましょう。調べてわかることは事前に調べておくことが、授業に集中して取り組めるようにするコツです。
3.前に習った単元が曖昧な場合は、前に習った単元を確認しておく
特に数学や英語のように知識の積み重ねが重要な教科は、基礎を理解していないとその先の単元でつまずいてしまいます。このような場合は前に習った単元の復習をしましょう。
教科別おすすめ予習法
5教科の科目特性に応じて、効率的な予習方法も変わってくるものです。教科別に予習のポイントを理解しておきましょう。
算数・数学の予習
公式は、確認をするだけでなく例題を解くところまで行うのがポイント。「わかった」「知った」と「使える」は別物であるため、実際の問題を用いて自力で使ってみるところまで取り組んでおきましょう。
国語の予習
国語では、読めなかったり、意味がわからなかったりする漢字や語句をつぶしておくことがポイント。
まずは、本文を一通り読んで新出漢字やわからない語句や熟語をチェックしておきましょう。小学生なら音読をしながらチェックをすることがおすすめです。そのうえで、それらの読みや意味を辞書で確認するようにしましょう。
また、漢字や単語でなく、文章の意味や解釈がわからない部分も洗い出しておくようにしましょう。線を引いて印をつけておくと、授業中に意識しやすくなるはずです。
英語の予習
英語の予習は、中学から取り組みましょう。大切なのは、新出単語やわからない単語をあらかじめつぶしておくこと。授業中には、文法事項や和訳の仕方に集中できるよう、単語の意味は事前に辞書を引いて調べて、ノートにまとめておくようにしましょう。
また、自力では日本語訳を作れない部分や、文法事項で理解できない部分も洗い出しておくようにしましょう。授業で確認ができればOKなので、予習の段階で「全て日本語訳しなければ」と思い込まず、わからない部分を明らかにするという意識を忘れずに。
理科の予習
基本的には、教科書に目を通してわからない部分を明らかにしておければOK。とはいえ、電気・電流、生物など教科書の文字情報だけでは理解するのが難しいものもあります。そういった場合は、YouTubeの動画解説や実験動画などイメージやビジュアルで理解できるものを見ておくと良いでしょう。それにより、単元の概念理解も深まるはずです。
社会の予習
社会は、地図記号や年号、出来事など暗記要素が強い教科と思われがちなものですが、大局的に全体の流れを理解することが重要な科目です。そのため、まずは大まかな流れを理解することを意識して、教科書を一読しましょう。暗記から入ろうとすると、学習が単調に感じてしまうため要注意です。
まとめ & 実践 TIPS
「予習をしなさい」と言われても、まだ習っていない部分のため、どう取り組めばいいのか迷ってしまう子どもも多いものです。そのため、まずは予習とは何か、復習との目的の違いといった前提を押さえてあげることが大切。そのうえで、取り組みのコツを理解できれば、お子さまも目的意識を持って主体的に取り組んでいくことができるはずです。保護者にとって大切なのは、「予習しなさい」と言うことではなく、効果や目的、やり方についてサポートしてあげること。今回ご紹介した内容を参考に、お子さまの効率的な予習をサポートしていきましょう。