子どものために知っておきたいマイナンバー入門【前編】

いよいよ手元に届いたマイナンバー。しかし、実際にこの12桁をどう扱ったらいいの? 「絶対漏らしちゃいけない」「詐欺が横行している」、そんな報道ばかりが目立ち、ビクビクしてしまうのは無理もありません。ましてや、マイナンバーは大人だけでなく子どもにも交付されるもの。子どもの個人情報が脅かされるのでは……と不安を感じているかたも少なくないようです。
今月からの「マイナンバー制度」施行を受けて、大人だけでなく子どものマイナンバーをどのように扱えばよいか、ご自身も2児の母親である税理士の酒井麻子先生に聞きました。



マイナンバーとは何か?

時折、マイナンバーについて不安を感じているかたとお会いすることがあります。しかし、企業側でない限り、漏れることを必要以上に恐れることはありません。なぜならば、現在マイナンバーで管理されているのは、「社会保障」「税」「災害対策」の3つだけだからです。
しかも、たとえば「社会保障」のひとつである年金についてアクセスしたら、その情報だけしか取り出せないという分散管理をしているので、マイナンバーが漏れると個人の情報が一気に流出するというわけではないのです。
マイナンバーを導入する国のメリットは、生活保護や失業保険の不正受給、税金の申告漏れを防ぐこと。これにより、「公平・公正な社会の実現」を可能にしようと考えたのです。

個人のメリットとしては、「行政手続きの簡略化」が挙げられています。マイナンバーを照会することで確認ができるので、戸籍謄本や住民票などをいちいち申請・取得する必要がなくなるのです。具体的には、児童手当や住宅控除の手続きなどが楽になります。
たとえば今までは「児童手当」を申請する場合には、印鑑はもちろんのこと、所得証明書や戸籍謄本など、いくつもの書類が必要でした。必要書類の中には、地方自治体の役所窓口や出張所へ行く必要があるものもあり、その用意だけでも大変でしたよね。しかし、マイナンバーがあれば、児童手当を申請する窓口にマイナンバーを伝えることで、窓口で照会できるので、マイナンバー導入前より少ない書類数で済むようになります。役所のチェックも省力化できますので、申請作業もスムーズになるというメリットがあります。
特に、育児に忙しかったり、働いていて平日昼間に何度も役所には行けなかったりするかたにとって、とても便利なシステムなのです。



子どものマイナンバーの扱いは?

大人はもちろんのこと、子どもにも割り振られたマイナンバーですが、現在のところ、子どものマイナンバーを扶養申請以外に使用することはほぼありません(お子さんに収入がある場合はその限りではありません)。そのため、マイナンバーや氏名・住所等、さらに顔写真が入った「個人番号カード(マイナンバーカード)」を取得する必要は必ずしもないでしょう。

「カードのほうが扱いやすいから」といってマイナンバーカードにするかたもいらっしゃるかもしれませんが、そうしてしまうと、ついお子さんの保険証などと一緒に持ち歩いてしまいそうです。しかし、外に持ち出すことで落としたり盗まれたりといったリスクが高まりますので、できれば自宅で保管をしましょう。マイナンバーは、知らない人に住所や電話番号を明かさないのと同じように、番号を保管していれば大丈夫。特別にピリピリする必要はありません。



マイナンバーを他人に知らせることはある?

マイナンバーは雇用主(会社など)に知らせることで、税や社会保障の処理をしてもらえるというメリットもあります(個人事業主はその限りではありません)。具体的には、年末調整の扶養控除申請の際に用紙に記入します。
書き方などは、それぞれの雇用主からのお知らせに従ってください。

後編では、マイナンバーにまつわるトラブルや、今後マイナンバーで管理する範囲がどのように広がっていくのかをお知らせします。

プロフィール


酒井麻子

酒井税理士事務所、代表税理士。次男が8か月の時に税理士として独立した経験から、働く母親や自営業の女性向けに数多く講演を行う。開業サポートや経営支援のほか、マイナンバーの理解を促す取り組みも実施している。

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