大学での障害者支援、国大協が具体例を提示
2016(平成28)年4月から障害者差別解消法が施行される。これを受け、国立大学協会は、大学がどのような対応をすべきかを示した教職員対応マニュアルのモデル案を作成した。障害のある学生などが、どんな支援を大学側から受けられるのかが例示されているという。ベネッセ教育情報サイトが、教育ジャーナリストの斎藤剛史氏に内容を解説してもらった。
***
障害者差別解消法は、国公立学校について障害者に対する「合理的配慮」の提供を義務づけています(私立学校は努力義務)。国大協の「教職員対応要領(雛形)」は、各国立大学が障害のある学生などに対するマニュアルを策定する際のモデルとして作成されました。障害者にどのような支援や配慮をするべきかを網羅的に示した豊富な具体例を「留意事項」として盛り込んでおり、大学進学を希望する障害者や、その保護者などにとっても参考になるものとなっています。
障害のある学生に対する合理的配慮の具体例としては、次のようなものが挙げられています。
● 図書館、コンピュータ教室、実験・実習などの施設・整備を他の学生と同様に利用できるよう改善する
● 移動に困難のある学生等が参加している授業で、使用する教室をアクセスしやすい場所に変更する
● 授業などさまざまな機会において、手話通訳、ノートテイク、パソコンテイクなどの情報保障を行う
● 授業中に教員が使用する資料を事前に提供し、事前に一読したり、読みやすい形式に変換したりする時間を与える
● 口頭の指示だけでは伝わりにくい場合、指示を書面で伝える
● 学外実習において、合理的配慮の提供が可能な機関での実習を認める
● 授業中、ノートを取ることが難しい学生等に、板書を写真撮影することを認める
障害のある子どもやその保護者、進路指導関係者などは、大学における合理的配慮の具体例を知っておくべきでしょう。
出典:大学での障害者支援は? 国大協がモデル案 -ベネッセ教育情報サイト