まずは子どもが自分で「決める」習慣から 社会で求められる新しい力を育むために
大学入試改革に向けた議論が進む中、学校では、今後の入試でも求められる新しい力を伸ばすための「アクティブ・ラーニング」(AL)が導入され始めた。今後、求められる力とはどのようなもので、そうした力を身に付けるために家庭ではどうサポートしていけばよいのだろうか。ベネッセ教育情報サイトが、ベネッセ教育総合研究所・情報企画室長の小泉和義氏に話を聞いた。
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ALとは「課題の発見と解決に向けて主体的・協働的に学ぶこと」。学校現場ではALを通じて、新しい大学入試でも求められる「思考力・判断力・表現力」を高めていこうとしています。知識・技能に加え、思考力・判断力・表現力は、今後、多様化する社会で確実に求められる力です。入試が変わるかどうかは別として、小中学生の段階からそうした力を伸ばすクセを付けておくことは重要といえます。
まずは主体性を育てるために、自分で「決める」習慣を子どもに付けさせましょう。ポイントは、いきなり重要なことを決めさせるのではなく、ご飯の時間やお風呂の時間など、あまり難しくない決定の機会を日常的にたくさん作るということ。また、「失敗ができる」環境を作ることも大切です。失敗したら、なぜうまくいかなかったのか考えさせましょう。
もう一つ重要なのは、決めたら必ず「続ける」ことです。1週間でも1カ月でもかまいませんが、その期間は何があっても続けさせてください。これが、決めることと責任を取ることは表裏一体だという気付きにつながります。
また、「ほめる」時はプロセスを具体的にほめましょう。「決める」と「ほめる」を意識して行うことで、子どもの主体性と自己肯定感を高められます。
今後20年ほどで今ある職業の半数が機械化されるといわれています。そんな中で人間が行うのは、正解のない問いに対して最適解・納得解を導き出し、新たな価値や仕事を作っていくこと。ぜひ家庭の中でも、こうした力を養うことを意識してください。
出典:変わる大学入試 小中学生が今から身に付けておくべき力とは?【後編】 -ベネッセ教育情報サイト