ドイツとはどんな国?どんな特徴がある?魅力や文化を解説

外国語を勉強してみたいけれど、どこの国の言葉を学んだらよいかわからない…という人も多いと思います。そこで、今回は、数ある外国語の中から、ドイツ語に注目し、ドイツ語学院ハイデルベルクの上田浩二先生と柴田まりさんに、ドイツという国の魅力やドイツ語についておうかがいしました。


ヨーロッパの経済大国・ドイツ

 ドイツの正式名は「ドイツ連邦共和国」です。第2次世界大戦後、東ドイツと西ドイツの2つの国家に分かれていましたが、1989年、東西ドイツを隔てていたベルリンの壁が壊され、1990年に再び統一国家となりました。

 

ドイツは欧米の中でもとくに経済力の高い国です。GDP(国内総生産)の高さは、アメリカ、中国、日本に次いで世界で第4位。自動車輸出台数は、フランスに次いで2位です。

 

また、文化の分野ではクラシック音楽の本場であることが知られています。学問の分野でも、イギリスの雑誌、「タイムズ」が発行している教育情報誌「タイムズ・ハイアー・エデュケーション」の2014~2015年の世界の大学ランキングのトップ100校の中にドイツ語圏の大学が8校ランクイン(日本は2校)。そして、2014年までのノーベル賞受賞者数は、アメリカ、イギリスに次ぐ81名*となっています。
スポーツの分野でも、ドイツが2014年に開催されたサッカーのワールドカップで優勝したことは、記憶に新しいところでしょう。

 

そして、ドイツの象徴的な魅力の一つが安全な国であること。ドイツを訪れた人が、街を歩いていて危険を感じることはまずないでしょう。夜でも危ないことはほぼないといえます。
ドイツ人は、一般に親切で秩序を大切にしています。非常に環境意識が高いことでも知られていて、徹底したごみの分別システムや再生可能エネルギーの先進国でもあることも見逃せません。

 

 

ゲルマン人たちの言葉から生まれたドイツ語

 ヨーロッパの国々は、大きくラテン系、スラヴ系、ゲルマン系にわかれます。フランス、イタリア、スペインなどがラテン系であるの対して、ドイツ、イギリス、デンマークなどはゲルマン系です。そして、このゲルマン人たちが話していた言葉の中から、ドイツ語は生まれていきました。

 

現在、ドイツ語を公用語としているのは、ドイツのほかに、オーストリア、スイスなど。 ドイツ語を準公用語としている国にルクセンブルグがあります。そのほか、世界各国にドイツ語を話す人が暮らしており、母語として使っている人の数は1億人ほどと言われています。1億人以上の人が母語としている言葉は、世界で10程度しかありません。日本語が9位、ドイツ語が10位です。

 

ドイツ系の移民が多い国といえば、アメリカです。有名な人では、アメリカの大統領だったジョージ・ブッシュや国務長官(外務大臣)を務めたヘンリー・キッシンジャーなどはドイツ系のアメリカ人です。また映画俳優のアーノルド・シュワルツェネッガーはオーストリアからの、そして奇跡の人ヘレン・ケラーはスイスからのドイツ系アメリカ人です。

 

 

日本では意外と浸透しているドイツ語

 実は、日本人が日ごろよく使う言葉の中には、たくさんのドイツ語があります。たとえば、「アルバイト」は、ドイツ語で「仕事」を意味する「Arbeit」に由来する言葉なのです。
また「メス」「カルテ」「リュックサック」「ゲレンデ」「ストック」など、これらはすべて元はドイツ語です。

 

戦前まで、日本人は、化学、物理学、医学、哲学などを英語、もしくはドイツ語で学んでいました。そして当時、斉藤茂吉、北里柴三郎ら学者たちがウィーンやドイツに留学したことから、日本にはドイツの言葉がたくさん入ってきました。そして、今日でも私たちの生活の中で使われているのです。

 

 

取材協力:ドイツ語学院ハイデルベルク

 

*文部科学省「文部科学統計要覧」/国別・分野別のノーベル賞受賞者数より

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouikusaisei/dai18/t3.pdf

 

 

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