本を借りるだけではもったいない! 図書館の使い方【後編】

地域の図書館と学校の図書館、それぞれ役割も規模も違いますが、ただ本を借りるだけの場所ではなく、レファレンスやイベントを通じて利用者が満足できるよう、少しずつ発展してきています。
図書館の上手な使い方を教えていただいた前編に続き、今回は、夏休みならではの図書館の楽しみ方について、帝京大学の鎌田和宏先生がご紹介くださいました。


本を借りるだけではもったいない! 図書館の使い方【後編】


図書館が苦手な子どもを図書館好きにするには

「静かにしなくてはいけないから息苦しい」という理由から、図書館が苦手というお子さまもいるようです。
たしかに「図書館=静か」というイメージはあります。しかし、実は地域の図書館でも、児童書のコーナーやヤングアダルト書のコーナーは、気軽に利用できるように工夫されていることがあります。たとえば、親子で読み聞かせをしても大丈夫だったり、じゅうたんや畳の上で、靴を脱いでリラックスして本を読めたりするコーナーがあることも。これらのコーナーはよほど騒がしくしなければ、それほどおしゃべりに神経質にならずに利用できるようになっています。

また、本が苦手なお子さまは大きな図鑑など、見て楽しめるものから始めてみるのもよいですね。



夏休みならではの図書館の楽しみ方

長期休暇中に、帰省や旅行の予定がある場合は、ぜひ親子で旅先のことを調べてみましょう。旅行や帰省では、お子さまは保護者のかたに連れて行ってもらうだけなので、どこを旅行したのかわかっていないことも。

「どうやって行くのか?」「行き先には何があるのか?」「行く途中にはどんなものがあるのか?」など、図書館には旅先のことを調べられる本がたくさんあります。ガイドブックにとどまらず、写真集や、地域の地理・自然・歴史・産業に関する本や、その地域を舞台にした文学作品など、多様な資料があることも図書館の大きな魅力。「こういうところに行くんだよ」と親子で会話をすると、旅行自体も遊びに行くだけとは違った楽しみ方ができます。また、長い休みを利用して、読むのに時間がかかるシリーズものにチャレンジしてみるのもおすすめです。



夏休みの宿題対策にも図書館を利用!

前編で「調べ学習」のサポートイベントをご紹介しましたが、このようなイベントが開催されていない場合でも、調べたいことについて司書に相談してみるのもよいでしょう。図書館の検索システムを使いこなすのはお子さまにとっては至難の業。検索システムを使わなくても、「こんなことについて調べているのですが……」と相談すると、司書が調べたい内容について書かれた本を一緒に探してくれます。

また、多くの親子を悩ませる読書感想文の宿題については、「感想文を書くこと」を前提とせずに、「感動できる本と出会う」ことを優先してあげてほしいと思っています。課題図書の指定がない場合は、保護者のかたが子どもの時に好きだった本を紹介してあげて、親子の会話を感想文としてまとめるのもよいでしょう。
親子での読書を通じて、感動を共有できる体験ができるとよいですね。

たくさん時間がある夏休みこそ、図書館を最大限に利用するチャンス。司書や保護者といった大人を通じて、お子さまが楽しい読書体験ができるよう、ぜひサポートしてあげてください。また、普段からも、自治体のお知らせなどもこまめにチェックして、本を借りるだけではなく、学習や暮らしに生かせるよう、どんどん活用できるとよいですね。

『教室・学校図書館で育てる 小学生の情報リテラシー』『教室・学校図書館で育てる 小学生の情報リテラシー』
<少年写真新聞社/鎌田和宏(著)/1296円=税込>

プロフィール


鎌田和宏

帝京大学教育学部教授。東京都の公立小学校、東京学芸大学附属世田谷小学校、筑波大学附属小学校等の教員を経て現職に。社会科・総合学習・生活科を中心に、メディア利用・学校図書館活用等の授業研究に取り組む。

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