自分をもっと知るための「部活ノート」

運動部で頑張る中高生必見! もっと上達するために、試合でいいパフォーマンスを発揮するためには、日頃から自分をよく知ることが大切です。自分自身を振り返るための「部活ノート」のつけ方について、オリンピック選手などトップアスリートを支えるメンタルコーチ・ファシリテーターの小田桐翔大さんにお話をうかがいました。


「結果」だけではなく「過程」を振り返る

 試合に負けた、目標に届かなかった——だからといって試合内容や練習でやってきたことを全部否定してしまうのは、もったいないことです。負けた試合でも、よかったこと、できたことはあるはずです。逆に勝った試合でも、勝ったから全部OKではなくて、もっとよくなるために気づいた点などが、きっとあると思います。勝ったか負けたかという結果だけではなくて、過程をしっかり振り返ることが大切です。

 

個人個人が振り返るのもいいですが、みんなで話し合うことも大切です。僕は、「反省会」ではなく「振り返り会」をやってみることをおすすめします。日本人は「反省会」という言い方をして、自分たちの改善点やできなかったことばかりを見ようとする傾向があるようです。改善点やできなかったことに加えて、よかったことやできたことも振り返ってほしいと思います。自分のできたこと、チームメイトのできたことを、勝ち負けに関係なく振り返ることは、自分自身やチームを成長させていく上で大切なことです。

 

 

ふせんに書いて、ノートに貼る

 試合の振り返りなど、自分の気持ちや考えを文字にするときに、僕がおすすめしたいのは、ふせんを使うことです。まずは、よかったことと改善点など、気になったことを思いつくかぎり1枚1枚に書き出していきます。次に、一度ノートに貼ったふせんをはがして、よかったことと改善点などのグループ分けをし、それぞれのグループの中で自分にとって重要度の高い順に並べ替えます。そして、全体を眺めてみます。そうすると、自分の内面を客観的に見ることができます。「自分の頭の中で分かっているよ」と思っていることでも、書き出して全体を眺めてみることで、頭の中が整理されたり、新しい気づきもあるものです。

 

 

自分の身体と心の状態に点数をつけてみよう

 「測定できないものは改善できない」という言葉があります。裏を返せば、「測定できるものは改善できる」とも言えると思います。ですから、自分の身体や心の状態を改善しようと思ったら、測定してみるといいでしょう。

 

絶好調のときの自分の身体と心の状態をそれぞれ10点満点とした時に、今の自分の身体と心の点数はそれぞれ何点なのか、自分で点数をつけてノートに書いてみましょう。もし身体が5点、心が6点だとしたらそう書いて、さらにそれぞれその点数をつけた理由も書きます。たとえば、身体が5点なのは「ケガも治ってキレが戻ってきたから」、心が6点なのは「次の試合に向けてやる気が上がってきたから」など、その日の自分の感覚を正直に書きます。そして次に、「それぞれ1点ずつ上げるために何ができるか?」についてのアイディアを書いていきます。これを習慣にすると、「もっと身体と心の状態をよくするためにはどうすればいいか」と自分で考える習慣がついていきます。

 

1学期分、1年分と、ノートがたまれば、振り返ってみて「絶好調だった頃の自分はこんな感覚だったんだ」とか「不調だった時にこうやって調子を上げていったんだ」というように、今の自分にとって必要なことを過去の自分から教えてもらうことができます。

 

 

プロフィール

小田桐 翔大(SHOTA ODAGIRI)

FLY HIGH 代表 メンタルコーチ・ファシリテーター。1985年青森県生まれ。中学校・高校は岩手県にて野球部に所属。筑波大学体育専門学群卒業。在学中はバスケットボール部に所属し、全国ベスト8を経験。 (株)JTB法人東京で約4年間勤務した後、2013年1月に「FLY HIGH」を起ち上げ、アスリート・スポーツチーム向けにメンタルコーチング・チームビルディングプログラムを提供している。

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