教育費が足りないときのために、知っておきたい奨学金制度と教育ローン
金銭的な事情で進学をあきらめたり、不本意入学をしたり…そういうことはできれば避けたいもの。奨学金制度と教育ローンの違いを知っておくことで、将来の選択の幅が広がるかもしれません。お伝えしていきます。
可能性があるなら申請しておきたい! 多種多様な奨学金制度
奨学金は、返還義務のない「給付型」と、卒業後に返還義務がある「貸与型」の二つに分けられます。さらに貸与型は「利子があるもの」と「利子がないもの」に分かれます。
(1)日本学生支援機構の奨学金
貸与型奨学金の代表として、最も利用者が多い、日本学生支援機構(旧・日本育英会)の奨学金があります。無利息の「第一種奨学金」と、大学卒業後に利息が発生する「第二種奨学金」があり、申し込みには各種の条件が設けられています。
また、在学する高校を通じて申し込む「予約採用」と、進学した大学を通じて申し込む「在学採用」があるのも特徴。「予約採用」で審査に通れば、大学入学直後から奨学金が振り込まれます。条件を満たす学生には、入学時特別増額貸与奨学金などもあります。
(2)大学独自の奨学金
国公立大、私立大ともに、多くの大学で独自の奨学金制度を設けています。貸与型と給付型の両方があり、一つの大学で複数の制度がある場合も。
また、入試で優秀な成績を修めた受験生に向けた特待生制度や、学費免除制度も見られます。
(3)地方自治体の奨学金
全国の地方自治体の中には、保護者のかたがその地方の在住者であることを条件に奨学金制度を設けているところも目立ちます。このタイプは、貸与型が多いようです。
(4)民間団体・その他の奨学金
民間の育英団体や企業、病院などでも、それぞれ独自の奨学金制度を実施しています。新聞奨学生制度などもここに含まれます。
教育ローンにはどのような種類があるの? 奨学金との違いは?
奨学金が間に合わなかったり、支給されなかったりした場合に考えるのが、教育ローン。借りる相手先によって「国(日本政策金融公庫)のローン」と「民間金融機関(銀行やJAなど)のローン」の二つに大きく分けられます。
(1)国の教育ローン
「金利が民間より低い」「在学中は利息のみの返済も可能」「奨学金との併用も可能」などのメリットがあります。
日本学生支援機構の第二種奨学金と異なるのは、国の教育ローンは申し込み時の金利で返済額が決まりますが、第二種奨学金は卒業してからでないと利息を含めた返済額がわからないという点でしょう。また、教育ローンの借り手は保護者なので、返済も保護者が行います。
(2)民間の教育ローン
「審査が早い」「借入限度額が国のものより多い」「来店不要で借りられる」など、商品によっては国のローンにはない長所を持つものもあります。
ただし通常は借りた翌月から返済開始になるため、毎月の生活費への影響が心配される恐れも。
どちらの場合も、よく調べて、将来のことをシミュレーションすることが大切です。
参考:
Benesse マナビジョン 保護者版
https://manabi.benesse.ne.jp/parent/qa/#qa28