みんなで一緒にドッジボール! 【第3回 アタック】

ボール1つあれば、みんなで楽しめるドッジボール。お互いのチームがそれぞれ内野と外野に分かれ、内野プレーヤーにボールを当てるゲームです。ボールを投げて相手に当てたり、飛んできたボールをかわしたり、キャッチしたりするための、ちょっとしたコツさえつかめば、ボールに触るのが楽しくなります。
ドッジボール日本代表として世界で活躍し、男子・女子の日本代表総監督も務めているドッジボールの達人・吉田隼也(よしだとしや)選手にテクニックを身に付ける練習法を習います。前回は、ボールを受ける技「キャッチング」を練習しました。今回はボールを投げる「アタック」のトレーニングです。
※練習を始める前に、準備運動を忘れずに行いましょう。

<みんなで一緒にドッジボール!>

<みんなで一緒にドッジボール! 【第3回 アタック】(動画)>



アタックの基本

ボールを投げることを「スローイング」といいます。スローイングにはアタックとパスがあります。ボールの投げ方をマスターして、効果的なアタックができるようになりましょう。
アタックの時に、手だけを使って投げる「手投げ」になっていることがよくあります。しかし、これだと遠くに投げることは難しく、肩やひじに負担がかかるので、けがの原因にもなるので気を付けましょう。



アタックの練習(1) オーバースロー

「オーバースロー」はドッジボールの最も基本的な投げ方で、効果的なアタックの1つです。


◆オーバースローの投げ方

(1) 最初は後ろ足に体重をかけて、ボールを持った腕のひじを上に上げる
(2) 前足のつま先を相手に向けて真っすぐに踏み出して、後ろ足の体重を前足に移動しながら、全体重を前足に移動
(3) ボールを持った腕を、力いっぱい上から下へ振り下ろす

きちんとボールを持ってなるべくひじを肩よりも上げ、投げないほうの手と目と足をしっかり投げる足(文足)の前に出します。投げる時に軸足から反対側の足に体重を移動してしっかり投げます。


スローイングのポイント
(1) 投げる時は反対の腕を投げる方向へ伸ばす
(2) 軸足から踏み出す足へ体重を移動させる

オーバースローでボールを投げる時は、絶対に狙った相手から目を離さないようにします。そして、前足を真っすぐ前に踏み出し、投げる腕とは反対の腕を投げる方向へ真っすぐ伸ばすことも大切です。投げるスピードも重要ですが、狙ったところに投げるコントロールは、一番大事なポイントです。



アタックの練習(2) サイドスロー

今度は、サイドスローで投げてみましょう。サイドスローは、体の横から投げるアタックのことです


◆サイドスローの投げ方

(1) ボールを手の平と手首で支え
(2) ひじを伸ばしながら腕を振り、同時に体も回転させる

回転の遠心力を利用するので、筋力の弱い人でも力のあるボールを投げられます。ボールを離す位置によって方向が変えられるので、相手にとってはやっかいなアタックです。しっかり体を回す練習をしましょう。


サイドスローのポイント
(1) 投げる時は狙った相手から目を離さない
(2) スピードよりもコントロールが大事

すべてのアタックに通じるポイントは、ボールを投げる時に、最後まで相手から目を離さないことです。最初のうちは、スピードよりもコントロールを身に付けましょう。練習を続ければ、そのうち相手がビックリするような力強いボールも投げられるようになります。



アタックの練習(3) ランニングスロー

ランニングアタックに挑戦してみましょう。内野のうしろからダッシュしてのアタックです。ボールに速さと勢いが加わるので、相手にとってキャッチしにくいボールを投げられます。


◆ランニングスローの投げ方

(1)狙う相手をしっかり見る
(2)ボールを両手であごの高さに持って、猛ダッシュ
(3)前足を相手に向かって真っすぐに踏み出し、体重をうしろ足から前足に移動
(4)胸を張って、ひじをできるだけ上げて、真っすぐに振り切る

走ってきて「1、2、3」と数え、体重を移動させてよいボールを投げます。


ランニングスローのポイント
(1) 走りながらリズムをとって投げる
(2) 踏みきる足の場所に注意

走りながらボールを投げる時は、踏みきる足の場所に気を付けなくてはなりません。勢い余ってラインを踏んだり、足が出てしまったりするとファールになり、相手ボールになってしまうからです。最後まで相手から目を離さないようにするのも、大事なポイントです。

次回は「キャッチボール」のトレーニングです。


プロフィール


吉田隼也

ドッジボール日本代表として、世界で活躍する吉田隼也(よしだとしや)選手。選手としてだけでなく、男子・女子の日本代表総監督も務めている。

子育て・教育Q&A