教職課程の実績公開義務付けで、受験生の大学選びは変わる?
文部科学省は、教員を養成するための教職課程を持つ大学に対して、卒業者の教員就職状況など教員養成に関する情報を公開するよう義務付けることを決めた。大学の教職課程の質を保証するのがねらいだが、各大学の教員就職状況などが明らかになるため、受験生にとっては志望大学を選択する際の参考になりそうだ。教育ジャーナリストの斎藤剛史氏に詳しく伺った。
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実際に教員になるかどうかは別として、教員免許は資格としても魅力があるため、教職課程があるというのは大学の大きなセールスポイントです。教職課程を設置するためには文科省の審査に合格して認可を受ける必要があり、教職課程の教員の職歴や研究実績、開設する科目が適切かどうか、きちんと授業計画が策定されているかどうかなどが調べられます。しかし、認可は一度だけ受ければよいため、一部の大学では認可後に教職課程の教員が不足していたり、授業科目が認可当時と異なっていたりするなどの問題点も指摘されています。
また、国立大学では教員養成系学部卒業者の教員就職状況が文科省から毎年公表されているのに対して、私立大学などでは教員就職状況などを公表していないところも少なくありません。このため、文科省は教育職員免許法施行規則を改正して2015(平成27)年度から教職課程の情報公開を大学に義務付けることにしました。具体的には、教職課程の教員数、各教員の業績や学位、教職課程の授業科目、卒業者の教員免許取得状況、卒業者の教員就職状況といった情報をウェブサイトなどで公開することとしています。
教職課程の情報公開の義務付けの背景には、私立大学を中心とする教職課程の増加が背景にあるようです。たとえば、小学校教員の免許を取得できる学部・学科が増えていますが、卒業者の教員就職実績がほとんどないところもあるとも言われているのです。
出典:教職課程に情報公開義務付けへ 受験生には大学選びの材料にも -ベネッセ教育情報サイト