夏休みの子どもの学習習慣 教育評論家が教える効果的な指導法
長期休暇の夏休み。子どもに「生活も学習もしっかりさせたい」と、多くの保護者が望んでいることだろう。子どもが学習習慣を身に付けられる工夫について、教育評論家の親野智可等氏にアドバイスをいただいた。
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子どもが学習習慣を身に付けられるポイントは2つ。「時間の管理力をアップさせる工夫」と「やる気をアップさせる『言葉』の工夫」です。
●時間の管理力をアップさせる工夫
まず、カレンダーなど7月と8月が見渡せるものを並べて目につく所に貼り、夏休み全体の予定表を「見える化」しましょう。休みを大きく4つ位の期間に分け、「宿題は7月、自由研究はお盆までに」など、やる時期を決めて書き込みます。こうすると、子どもはどの時期に何をやればいいのか、全体の見通しを立てられるようになります。次に一日の予定を大きめのホワイトボードに書き込みましょう。
一番重要なことは、決めたことが守られているか保護者が「見届け」て、できたらほめる、できなければ守ろうよ、と声をかけることです。保護者用の「見届け表」を作って忘れずに見届けてあげてください。
●やる気をアップさせる「言葉」の工夫
夏休み前にぜひやってほしいのが、一学期にがんばったところをほめてあげることです。ほめた後に足りなかったところを振り返り、夏休みの目標につなげます。「毎日○○をやる」と決めたら、がんばり表を作り、「進んでできたら花マル」「言われてできたらマル」など、努力を「見える化」するようにします。
また、「暑くて勉強できない」など子どもが愚痴をこぼした時は、否定をするのではなく、まず共感してあげてください。共感することで、子どもの気持ちが落ち着き、聞く耳を持ちやすくなります。さらに「半分だけやっておこう」など、取り掛かりのハードルを下げると効果的です。「合理的な方法」と「言葉」の工夫によって、子どもが少しでも楽に学習できるようになるといいですね。