不利な環境でも成果を上げている子どもはいる! 学力格差を打ち破る5つのポイント
先ごろ、文部科学省が「平成25年度全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)の追加調査として行われた「保護者に対する調査」の結果を発表した。そこから見えてきた、子どもの教育において保護者が配慮すべき5つのポイントとは!? ベネッセ教育総合研究所・主任研究員の木村治生氏が解説する。
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家庭の社会経済的背景と子どもの学力に関連があるという結果は、これまでにも明らかにされていますが、家庭の社会経済的背景は、容易に変えられるものではありません。この調査で興味深いのは、不利な環境のなかで成果を上げている子どもの特徴や、そうした子どもの学力を高めている学校の特徴を明らかにしている点にあります。家庭の状況にかかわらず学力を高めるのに効果的な方法を示しているのです。
この研究ではさらに、家庭の社会経済的背景の影響を取り除いても、子どもの学力と関係がある保護者の接し方5つを示しています。これらは学力の向上にプラスの影響を与えている働きかけだと考えられます。それは、次のようなものです。
(1)生活習慣に関する働きかけ
毎日決まった時間に寝る/起きる、毎日朝食を食べさせている、テレビゲームで遊ぶ時間を限定している、携帯電話等の使い方に関するルールや約束を作っている、または持たせていない
(2)読書に関する働きかけ
本や新聞を読むようにすすめている、読んだ本の感想を話し合っている、小さい頃に絵本の読み聞かせをした
(3)学習に関する働きかけ
勉強を普段からみている、計画的な勉強を促している、子どもが英語や外国の文化に触れるよう意識している
(4)文化・芸術・自然体験活動に関する働きかけ
一緒に「博物館や科学館」「図書館」「美術館や劇場」に行く
(5)子どもとのコミュニケーション
「学校での出来事」「勉強や成績」「将来や進路」「友達のこと」「社会の出来事やニュース」について話をする