21世紀の教育モデル 東北復興プロジェクトが世界のパイオニアに

21世紀の教育モデル 東北復興プロジェクトが世界のパイオニアに東日本大震災から3年が経った。この震災を教訓に全国では自然災害に備える動きがある一方で、被災地の復旧・復興は依然として道半ばだ。そんな中、東北で取り組んでいる教育が世界から注目を集めている。21世紀にふさわしい未来の教育に示唆を与える試みについて、教育ジャーナリストの渡辺敦司氏に話を伺った。

 

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文部科学省などは2月、仙台市内で「第16回OECD/Japanセミナー」を開催しました。「生徒の学習到達度調査」(PISA)の実施でも知られる経済協力開発機構(OECD)が進める教育事業に協力する一環として1992(平成4)年から開催しているセミナーです。今回は震災被害が大きかった東北の地で、しかも「キーコンピテンシー/21世紀スキル」をテーマに設定したところに意義があります。

 

OECDの教育復興プロジェクト「OECD東北スクール」(運営事務局・福島大学)には、被災3県の中・高校生約100人が参加しています。各地でチームを作り地域の復興を考えることで、キーコンピテンシーを身に付けています。また、ビデオで紹介された宮城県気仙沼市立唐桑中学校のエネルギー環境に関する授業では、東北電力女川原子力発電所から50キロ圏内で甚大な津波被害を受けた、自らの体験と科学的データを元に、将来のエネルギーの在り方を討論させていました。

 

OECDのアンドレア・シュライヒャー教育・スキル局次長は「これからは知識を(たくさん覚えるのではなく)どう活用するかが重要だ。教育もカリキュラム中心から学習者中心に変えなければならない。その点で東北はパイオニアであり、世界は多くを学ぶだろう」と話していました。東北のことを考えるのは、復旧・復興のためにとどまらず、日本、そして世界の将来を考えることにつながるのです。

 

出典:「21世紀」の教育モデルは東北に -ベネッセ教育情報サイト

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