健康な歯を!お子さまのオーラルケアのために保護者ができる5つのポイント

3歳頃になると子どもの乳歯が生えそろい、むし歯を予防するためのオーラルケアが大切になってきます。乳歯の頃にむし歯になると永久歯になってからもむし歯になりやすいと言われているため、注意したいところですよね。子どものオーラルケアのために保護者はどのようなことに気をつければよいのでしょうか。
今回は子どものオーラルケアについて、6つのポイントをご紹介します。

【ポイント1】保護者が仕上げの歯みがきをしよう

子どもが小さい間は、まだひとりでは歯の細かいところまでみがききれないことが多いです。歯みがきの習慣をつけさせるために自分でみがかせたあとは、保護者が仕上げの歯みがきをしてあげるようにしましょう。

保護者の仕上げの歯みがきは、膝の上に子どもの頭をのせるか、子どもの後ろに回り、頭をお腹や脇でしっかりと固定して仕上げをしましょう。
歯みがき剤を使用するようになり、かつ、立てるようになっていれば、歯みがき剤や唾液を飲み込んでしまわないように、立たせたまま仕上げをするのもおすすめです。
歯ブラシの毛先を歯の面に対して垂直に当て、歯ブラシの毛が広がらない程度のやさしい力で小刻みに動かして、1本ずつ丁寧にみがきましょう。特に上の前歯と唇の間や奥歯は食べかすがたまりやすいため念入りにみがきます。上の前歯をみがくときには歯ブラシを持っていない方の手の指で、歯茎と唇をつなぐ筋を傷つけないようカバーしながらみがくようにしてください。
なお、仕上げの歯みがき用の歯ブラシはヘッドが小さいものがみがきやすいです。

【ポイント2】よくかむ習慣をつけよう

よくかんで食べているとだ液が分泌されやすくなります。だ液には「再石灰化」という、歯が溶けることを防ぐ効果があるため、むし歯予防にはだ液の働きを生かすことが大切です。お子さまにはよくかんで食べる習慣を身につけさせるようにしましょう。

【ポイント3】おやつの食べ方に注意しよう

糖分を多く含んでいるおやつをあげすぎたり、ジュースなど糖分の高い飲み物を必要以上に飲ませたりするとむし歯の原因になります。この理由は、糖質が長時間口の中にあるとむし歯菌が酸をつくりやすくなり、歯を溶かしやすくしてしまうためです。
おやつは時間を決めて食べさせ、ジュースも長時間にわたって飲ませすぎないようにしましょう。

【ポイント4】歯を丈夫にする工夫をしよう

むし歯を防ぐためには歯を丈夫にする工夫をすることもおすすめです。例えば自宅でできる工夫では、だ液による再石灰化の働きを助けるハイドロキシアパタイトやフッ素が配合された歯みがき粉を使う方法が挙げられます。

また、歯科医院での予防治療を受ける方法もあります。フッ素を塗ってもらったり、奥歯の溝をプラスチックで埋めてむし歯を予防するシーラントをしてもらったりすると効果が期待できます。

【ポイント5】お子さまに合った歯ブラシを選ぼう

お子さまの歯ブラシは、年齢ごとに適したものを選びましょう。使いやすい歯ブラシを使うことがむし歯予防のカギになります。

お子さまの好きなキャラクターの歯ブラシを使うという方法もあります。お子さまがより歯みがきに親しみを持てるようになるでしょう。

【ポイント6】歯みがきを楽しい習慣にしよう

小さいうちは、歯みがきをいやがるお子さまも多いかもしれません。その場合には、歯みがきを楽しい習慣にできるよう工夫してみましょう。歯みがきの最中に歌を歌ったり、歯みがきができたらほめてあげたりすると、歯みがきにいいイメージがつきやすくなります。

また、人形やぬいぐるみの歯をみがくまねをしてみせてあげてもいいでしょう。「自分もみがいて!」と言ってくることが期待できます。ほかにも、保護者とお子さまで歯のみがき合いっこをしても歯みがきを楽しいものにできます。

健康で丈夫な歯にしよう!

幼児期からのオーラルケアは、長く歯茎や歯を健康で丈夫にするための土台づくりになります。特に乳歯は永久歯と違って小さい分、エナメル質が薄くなっており、むし歯は神経まで届きやすくなっています。歯みがきの習慣や正しい食習慣をしっかり身につけるとともに、保護者がサポートしてあげることが大切です。また、保護者のサポートと併用して、定期的な歯科検診を受けることも効果的です。歯みがきを楽しい習慣にしながら、お子さまの口の健康を守ってあげてくださいね。

プロフィール



看護師として、総合病院の脳神経外科、皮膚科クリニック、介護老人保健施設勤務を経験。それを活かし、現在では医療系メディアのライティング、校正を中心に活動中。

子育て・教育Q&A