どんな活動をいくつかけもち? 幼児・小学生の習い事‐佐藤昭宏‐

最近友人夫婦と話をしていると、就学前の我が子の子育てや習い事について、しばしば話題になります。さまざまな習い事や体験活動がある中で、「何をさせるべき?」「いつから始める?」と迷っている保護者のかたは多いのではないでしょうか。
ベネッセ教育総合研究所が、全国の子どもを持つ母親を対象に実施した「第2回学校外教育活動に関する調査」(2013<平成25>年)によると、幼児・小学生の家庭が習い事など学校外の教育にかける費用はここ数年で減少傾向にあります(※)。それでも、およそ7割の幼児・小学生は、複数の活動をかけもちしていることもわかりました。今回は同調査から、かけもちのパターンや費用などについて、幼児と小学生を中心に見ていきたいと思います。



家庭による差が大きい幼児期

調査では、過去1年間で定期的に行っている(いた)スポーツや塾、家庭学習教材などの教育活動をすべて挙げてもらっています。その活動の数を合算して集計すると、図のようになります。


【図 子どもの学校外教育活動のかけもち数(学校段階別)】


※「活動なし」は、どの習い事項目にも○を付けなかった人の%。
出典:ベネッセ教育総合研究所「第2回学校外教育活動に関する調査」(2013<平成25>年)より


このデータから、幼児期(3~6歳)と小学校低学年(7歳~9歳)と小学校高学年(10歳~12歳)いずれの段階でも、「2つ」が最も多いことがわかります。幼児期は小学校段階と比べ、「活動なし」が14.5%と高いのですが、一方で「5つ以上」が占める比率も高く、17.2 %にのぼります。幼いうちにさまざまな活動を経験させたいという気持ちはどの保護者も同じかもしれません。



家庭学習をベースに、スポーツや塾・教室を加えていく

下の表は、「スポーツ活動」「芸術活動」「教室学習活動」「家庭学習活動」の4つのカテゴリーをどのように組み合わせているのかを表したものです。


【表 活動の組み合せ 上位5位(学校段階別)】


※表中の%は「スポーツ活動」「芸術活動」「教室学習活動」「家庭学習活動」の各活動について、なんらかの活動をしていると回答した人の比率を表す。
出典:ベネッセ教育総合研究所「第2回学校外教育活動に関する調査」(2013<平成25>年)より


幼児期で最も多いのは「家庭学習活動のみ」でおよそ3分の1を占めます。ここで言う「家庭学習活動」は、通信教育や市販の参考書・問題集、知育教育のアプリやDVDなどを指します。月あたりの平均費用は3,200円です。次に多いのが「家庭学習活動+スポーツ活動」の組み合わせで16.3%。費用は月あたり8,600円。この2つの組み合わせタイプで全体の約5割を占めています。
小学校低学年でいちばん多いのは「家庭学習活動+スポーツ活動」の組み合わせで17.6%、平均月額は、幼児の同じ組み合わせパターンの場合と比べて高くなり、1万円を少し超えます。次に多いのが、1位のパターンにさらに「教室学習活動」を足した組み合わせで、費用は、約2万円です。幼児期と比べ、教育費もぐっと高くなっています。
高学年では、低学年で2番目に多かった「家庭学習活動+スポーツ活動+教室学習活動」の3種類の活動を組み合わせたタイプの比率が最も高くなります。「教室学習活動」は、学習塾、英会話・英語教室、習字教室、そろばん教室などが主なものです。月あたりの費用はこの3つの組み合わせで平均2万5,300円となっています。

以上をまとめると、幼児期には比較的安価な複数の家庭学習で教育活動をスタートし、小学校に上がるとスポーツ活動をプラス、高学年になると、さらに塾や教室での習い事を加えていく、というのが平均的なパターンのようです。「我が子になるべく多くの活動をさせてあげたい」というのはすべての保護者の願いだと思いますが、現実的には、上記のようなかけもち具合が落としどころになりそうです。ひとつの目安として、参考にしてみてください。

(※)2009(平成21)年3月に実施された「学校外教育活動に関する調査」の第1回調査と2013(同25)年3月に実施された第2回調査を比較すると、1か月あたりの学校外教育活動の費用は幼児でおよそ7,200円→6,700円、小学生で1万7,900円→1万6,200円となっている。


プロフィール


佐藤昭宏

ベネッセ教育総合研究所・研究員。初等中等領域を中心に、子ども・保護者・教員の意識・行動の調査分析や、情報誌編集、教材開発等を担当。主な研究テーマは「『学び方』支援の在り方」、「消費社会下における子どもの自立・社会化」について。

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