センター試験ありがちトラブル! 前日までに知っておきたい10のこと-村山和生-

迫るセンター試験本番。前回は、試験への心構えについて触れましたが、今回は、例年ありがちなセンター試験でのトラブルをもとに、試験前日までに必ず知っておくべきことを解説します。

(1)インフルエンザや風邪の場合は、追試験が受けられる
病気やけが、試験場に向かう途中の事故など、やむを得ない事情で試験が受けられなかったかたには、追試験が用意されています。詳細は受験票と一緒に送られてきている「受験上の注意」に記載されていますので、「僕の受験はもう終わりだ!」と落胆する前に確認するようにしてください。追試験の会場は、例年全国に2か所(東日本・西日本)のみですので注意が必要です。

(2)会場へは必ず公共交通機関で出かけよう
雪などで公共交通機関に遅れが生じた場合、公共交通機関が発行する「遅延証明書」を提出することで、開始時刻の繰り下げや、別室での受験が認められることがあります。同じように雪で遅れても、自家用車やタクシーの場合は認められません。

(3)スマートフォンや携帯電話は時計代わりにできない
今年改めて受験案内に明記されたことのひとつが「時計」の定義です。まず、スマートフォンや携帯は時計の代わりにはできません。辞書機能や電卓機能が付いているもの、または付いているかどうか判別しにくいものも明確にNGとなりました。大きさの目安は手の平に載る程度のもの。秒針音のするものやキッチンタイマー、大型のものはNGです。最も無難なのはアナログの腕時計ですが、保護者のものを借りたり、普段使っていないものを持参したりする場合は、少なくとも前日までに電池の有無や動きなどを必ずチェックしてください。会場には、必ずしも時計があるとは限りませんので、時計は必需品です。

(4)携帯は電源を切り、かばんにしまっておくこと
2011(平成23)年に携帯を使ったカンニング事件が起きてから、スマートフォンや携帯の取り扱いは非常に厳しくなっています。大学によっては身に付けているだけでアウト。ですから、無用なトラブルを避けるためにも、試験中はかばんの中にしまい、試験が終わるまで見ないようにしてください。また会場では、着信音やアラーム音、振動音もNGです。試験中は、マナーモードではなく必ず電源を切ってください。

(5)試験会場にいる間は、出来不出来を絶対に話題にしない
前の試験の出来不出来を話題にしたり、問題の答えを言い合ったりするなどの行為は、試験会場では絶対にやめてください。仮に誤りがあるとわかっても修正することはできませんし、本当の答えは自己採点をするまでわかりません。試験終了後に自慢げに大声で答えを言う人もいますから、休憩時間はイヤホン等で耳を塞いでおくのもよいでしょう。

(6)忘れ物に気付いたら「そのまま会場へ」が原則
家を出てから忘れ物に気付き、取りに戻るかそのまま行くか迷う。そんな局面では、そのまま会場に向かうのが原則です。仮に受験票がなくても、本人であると証明ができれば受験できます。ただし、忘れ物には救済措置があっても、試験会場を間違えた場合は例外なく受験できません。自分の試験会場の場所は、改めて確認するようにしてください。

【持ち物チェックリスト】

出典:ベネッセコーポレーション 進研ゼミ高校講座


(7)保温効果の高いインナーは着ないこと
昔は受験会場=寒いというイメージがありましたが、今のご時世に寒くて受験がままならないような会場はまずありません。逆に寒さを気にするあまり、保温効果の高いインナーを大量に着込んでしまった結果、試験中に暑くなっても脱ぐことができず、頭がぼーっとして効率が落ちてしまう人が例年多く見受けられます。原則として、普段着慣れないものは着ないこと。着込む場合は、すぐに着脱できるものにしてください。

(8)貼るタイプのカイロにも注意
貼るタイプや靴に入れるタイプなど、取り外ししにくいカイロにも注意が必要です。外は寒くても試験会場は暖かいですから、貼りっぱなし、入れっぱなしは避けてください。

(9)英字プリントの服はNG
英語や地図、漢字などがプリントされた洋服は、最悪の場合脱がされることがあります。また、合格鉛筆や、格言が書かれた鉛筆の使用もNGです。

(10)カンニングは言語道断
不正行為が発覚すると、それ以降の受験が一切できなくなります。それまでに正しく受けた試験もすべて「無効」になりますので、出願資格自体がなくなってしまうのです。また、携帯を身に付けていたり、試験官から指示がある前にICプレーヤーをいじったり、問題冊子をフライングでのぞいたり、定規やコンパスなどの補助具を使ったりすることも、不正行為と見なされる可能性があります。無用なトラブルを避けるためにも、「使わないものはかばんにしまい、身に付けたり手に持ったりしない」ことがルールです。

前日までにしっかりと準備をし、試験当日はこれまでの成果を十分に発揮することに集中してください。皆さんの健闘を祈ります。


プロフィール


村山和生

ベネッセでは進研模試等を通した高等学校への進路指導支援、大学入試分析、進路説明会講師等を担当。2012年からはベネッセ教育総合研究所・高等教育研究室のシニアコンサルタントとして大学の教学改革支援や入試動向分析、「VIEW21大学版(現:Between)」編集長等を担当。16年からは「ベネッセ i-キャリア」にて大学生向けアセスメント分析や大学IRのための統合データベース開発などを担当。17年からは一般財団法人大学IR総研の調査研究部にて、研究員として高等教育全般の調査・研究と教学改革支援、ならびにIRの推進支援に携わる。
ベネッセコーポレーション帰任後は、学校支援事業の経営企画業務に従事。21年からベネッセ文教総研の主任研究員として、高等教育を中心に「学修成果の可視化」「IR」を主なテーマとして調査、研究、情報発信を続けている。

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