学校見学に行く家庭の90%で「母親」が参加

アンケート期間 2008/5/14~2008/5/23 回答者数:996人
※百分比(%)は小数第2位を四捨五入して表示した。四捨五入の結果、各々の項目の数値の和が100%とならない場合がある。

私立中学校や公立中高一貫校の受験、さらに公立小・中学校における学校選択制など、義務教育の段階から「学校選び」に直面するシーンはますます増えてきています。お子さまに合った学校を選ぶためには学校情報の収集が欠かせませんが、中でも学校見学は、実際に学校に足を運び、学校の雰囲気を肌で感じ、学校の先生に直接質問することができる貴重な機会です。この夏、保護者のかたが学校見学をどのように利用しようとしているのかを調査しました。

父の参加は1/4程度

まず、学校見学に参加する場合、家族の中でだれが参加することになりそうかを聞きました。

【図1 もしもこの夏、学校説明会・見学会・体験授業・オープンキャンパスなどに参加するとしたら、ご家庭でどなたが参加すると思いますか?】
もしもこの夏、学校説明会・見学会・体験授業・オープンキャンパスなどに参加するとしたら、ご家庭でどなたが参加すると思いますか?

参加予定のご家族のうち、一番多かった答えは「お子さまとお母さま」の二人で学校見学に参加するというものでした。「参加する予定がない」と答えたかたを除くと、半数以上は「お子さまとお母さま」のペアでの参加を予定していることになります。次いで多かったのは「お子さまとお母さま・お父さま」、そして「お子さまのみ」「お母さまのみ」と続きますが、「お子さまのみ」「お母さまのみ」には大きな差はありませんでした。学校見学に行く予定の家庭に限れば、実に90%の家庭で母親の参加が予定されており、学校選びとそのための情報収集における母親の存在の大きさがわかります。一方、父親の参加はトータルでも26%ほど。「お子さまとお父さま」「お父さまのみ」の合計ではわずか2%と、学校見学への父親の関与の度合いは低いことがわかりました。

学校見学で見たいのは「普段の様子」

学校見学に参加する場合、どんな形態のものに参加すると思うかを複数回答で聞きました。

【図2 どんな形態のものに参加すると思いますか。いくつでも選んでください】
どんな形態のものに参加すると思いますか。いくつでも選んでください

最も多かったのは「特定の学校に訪問する見学・体験・オープンキャンパス」で、半数を超えるかたがこの形態の学校見学に参加すると答えています。次いで多かったのは「特定の学校の行事などの見学(体育祭や部活動の試合など)」。学校見学では、できるだけ普段の学校の様子を見たいと考えていることがわかります。「いくつかの学校が集まる合同説明会」も3割強のかたが参加を希望していますが、これは学校の普段の様子がわかりづらい半面、複数の学校を効率よく比較できるというメリットがあるからでしょう。

学校見学の最大の情報源はインターネット

では、学校見学の情報はどこから得ているのでしょうか。利用している情報源について伺いました。

【図3 あなたは今現在、学校説明会・見学会・体験授業・オープンキャンパスなどの情報はどこから得ていますか。いくつでも選んでください】
あなたは今現在、学校説明会・見学会・体験授業・オープンキャンパスなどの情報はどこから得ていますか。いくつでも選んでください

今回のアンケート調査は、Benesse教育情報サイトメンバーにWeb上で行ったこともあり、学校見学の情報源として圧倒的に多かったのは「インターネット」という結果になりました。学校見学は夏休みなど長期休暇中に行われることが多いのですが、最近は年間をとおして随時実施する学校も増えてきました。また、学校見学の中でも見学・体験型の形態では、参加者に定員を設けたり、事前の申し込みを必要とするなどのケースもあります。そのため、興味のある学校の学校見学がいつ行われるのか、参加するためには申し込みなどは必要か、最新の情報をチェックしておくことが求められます。そこで、学校のホームページから手軽に最新情報がチェックできるため、インターネットが威力を発揮することになるのです。また、「周囲の保護者のかた」という回答も多く、同じ学校に関心を持っている保護者からのクチコミなども貴重な情報源になっているようです。

参加しない最大の理由は「まだ早い」から

学校見学への参加を検討していないかたに対して、その理由を伺いました。

【図4 参加を検討していないかたに伺います。検討していない理由は何でしょうか】
参加を検討していないかたに伺います。検討していない理由は何でしょうか

最も多かった理由は「まだ早い」という答えでした。学校見学に参加するのは、学校選びが実際の問題として直面するようになってから、と考えているかたが多いようです。ただ、学校見学のメリットとして、学校を比較するための情報が得られるだけでなく、学校選びや進学に対する意欲が高まることも見逃せません。したがって「まだ早い」と思われる段階からあえて参加することで、お子さまのモチベーションや意識を高める、ということも働きかけとして有効かもしれません。同様の考え方で、学校見学に参加することで「本人をその気にさせる」ことも可能といえるのではないでしょうか。

意義を感じているから「いつ行くか」に悩む?

最後に、学校見学についてどんな疑問や不安を感じているかを聞いた結果をご紹介します。

【図5 学校説明会・見学会・体験授業・オープンキャンパスなどに何年生から行けばよいか疑問・不安に思う】
学校説明会・見学会・体験授業・オープンキャンパスなどに何年生から行けばよいか疑問・不安に思う

疑問・不安として挙げられることが特に多かった回答は「その場でどのようなことをチェックすればよいのか」「何年生から行けばよいのか」の二つでした。回答の状況をお子さまの学齢別に見てみると、「何年生から行けばよいのか」を挙げる割合は、お子さまの学齢が低い段階のほうが、ほかの回答と比較しても高くなる傾向が見られます。これは保護者のかたが、お子さまが小さな段階から既に学校見学に関心を持っていたり、その意義を感じたりしているものの、実際にいつから参加すればよいのか、決断をしかねているという様子を示しているのかもしれません。


この夏の学校説明会・見学会・体験授業・オープンキャンパスの事前予約・申し込みはもうすぐ始まります。興味はあるのだけれど迷っている、というかたは、まず合同説明会に保護者のかただけで参加し、様子を見てみるというのも一つの方法です。「うちの子にはまだ早い」のか「我が子に有意義なイベント」なのか、保護者のかたが見極めることができるのではないでしょうか。

プロフィール



子育て・教育Q&A