「写真と動画を両方は無理!?」保護者ひとりで挑む運動会の撮影、3つの失敗あるあると対策
- 教育動向
「うまく撮れたと思ったのに、大画面で見直したらウチの子じゃなかった…」
「他の競技で撮影の練習をしていたら、肝心のリレーで充電切れに…」
年に一度のイベント、子どもの運動会。遠方で会えない方に子どもの成長を見てもらうためにも、撮影の失敗は避けたいところですよね。でも、新型コロナウィルス感染症予防のため、時間短縮、参観人数は制限という小中学校も。参観人数が1人の場合、これまでのように「手分けして写真と動画を撮影」ができない問題もあります。
「スマホだけで大丈夫?」「慣れないビデオカメラの操作が心配」など、戸惑うことも多い子どもの運動会での撮影。どんな失敗に注意したらいいのでしょうか。自身も小中学生のお子さんを持ち写真館で家族写真を撮影するフォトグラファー工藤真衣子さんに相談してみました。
“失敗あるある” 1:肝心の競技でまさかの充電切れ
対策1:予備バッテリーも準備
運動会の撮影エピソードで多いのが「充電が切れてそもそも撮影できなかった」失敗。実は筆者も子どもの運動会に一眼レフカメラを持ち込んだものの、前夜に充電したバッテリーを自宅に忘れて撮影できなかったことがあります。
運動会当日はいろいろなシーンを撮影したくなりますし、メインの競技はプログラム後半のことも。予備のバッテリーもしっかり準備しておきましょう。SDカードの容量確認も忘れずに。
対策2:スマホのバッテリーの発熱に注意
直射日光が当たるところで長時間、特にスマホで撮影しているとバッテリーが熱くなり、撮影できなくなったりデータが消えたりすることがあります。特に防水性能があるスマホは熱がこもりやすいです。スマホカバーをはずす、撮影時以外は電源をオフにするなどしてスマホの熱暴走を防ぎましょう。LINEの通知も来ないよう機内モードに。
対策3:プログラムを見て、撮影ポイントを予習
配布されるプログラムを見て「団体競技のポジションは?」「保護者が入ってOKなゾーンは?」など事前に確認し、撮影ポイントを考えておきます。子ども本人の「ダンスは動画で撮ってほしい」などのリクエストも確認しておきましょう。
対策4:あると便利なアイテム
「バッテリーグリップ」を取り付けると、バッテリーを追加でき、手ブレもしにくくなるメリットがあります。乾電池から給電できるタイプもあります。自分のカメラに合ったものを選びましょう。スマホ用でハンドグリップや三脚がセットになったタイプも便利ですが、「自撮り棒は禁止」の運動会の場合は注意してください。
“失敗あるある” 2:決定的瞬間が撮れない
対策1:スマホの連写機能を活用
iPhoneやXperiaなど、最近のスマホは高画質&高性能。「スマホで十分撮影できるし、共有しやすくて便利」という保護者の声も多いです。スマホの連写機能は使いやすいものが多く、決定的瞬間を逃しません。撮影するときは動き回らず、決めたアングルで連写することがポイント。慣れないビデオカメラで撮影したものの、あとで見たら「地面ばかり映っていて、ぐるぐる動くので酔った」「ちがう子が映っていた」人も。
対策2:かけっこはスタート地点での表情を
「走っているところはやや難易度が高いので、スタート地点のポーズや表情を撮るのもおすすめ」と工藤さん。落ち着いて撮影できるポイントなら「ちがう子にピントが合っていた」心配もありません。また、お友達とのお弁当タイムや得点板などを撮影しておくと、あとで思い出アルバムをつくるとき便利です。
対策3:レンズは複数持たず、身軽さを優先
お弁当や水筒など荷物が多くなる運動会当日。撮影機材が重くなりすぎないよう注意しましょう。単焦点レンズやズームレンズなどいろいろ持参したくなりますが、会場でのレンズ交換は大変。「ミラーレスカメラや小型軽量の一眼レフカメラと28-200mm(焦点距離)など、1本のレンズで近くも遠くも撮影できる態勢がおすすめです」(工藤さん)。
対策4:あると便利なアイテム
スマホにはズーム機能がありますが、デジタルズーム(撮影したものを拡大)のため、大画面で再生すると画質が気になることがあります。スマホで離れた場所を撮影したいなら、スマホにクリップで簡単に取り付けられるスマホ用望遠レンズを試してみて。
“失敗あるある” 3:写真は撮れたけど、動画も撮っておきたかった
対策1:短い動画なら、スマホやカメラでOK
手軽に見られ、卒業アルバムにも使えるため「まずは写真」と考える人が多いですが、「動画」なら、その場の音声や雰囲気を伝えられます。特にソーラン節やダンスなどは音楽と動きをじっくり見返したい人も多いです。でも、特に「動画を長時間しっかり撮りたい」のでなければ、スマホやカメラのビデオ撮影機能で十分。最近注目のVlog(ビデオブログ)用カメラなら、音もきれいに。
対策2:動画を撮影・編集したいなら4Kビデオカメラを
ズーム撮影時の手ブレを防ぎたい、長時間の動画を撮影したい、広角で撮影してあとから編集したいなどの希望があれば、ビデオカメラも検討してみましょう。最近は4K画質が主流となり、静止画(写真)もきれいに撮影できる機種が増えています。1台で動画と写真が撮れるので、落ち着いて撮影に取り組めます。
対策3:あると便利なアイテム
「左手でスマホ動画、右手でミラーレスカメラ態勢」といった光景もよく見られる運動会。スマホをカメラにアダプターで取り付けると、スマートに一体化できます。
思い出をきれいに残したい。何で撮影するのがベスト?
スマホ+ミラーレス一眼スタイルが人気
手軽さ優先ならスマホで十分。共有も簡単です。スマホが古く画質に不安があったり、バッテリーの熱暴走も心配だったりした場合はズームレンズ付きのミラーレス一眼などと組み合わせると安心。離れた場所からクローズアップがきれいに撮れます。
運動会のおすすめ撮影機材 | |
目的 | 機材 |
手軽に写真も動画も | スマホ |
写真もこだわりたい。ズームもきれいに | スマホ+ミラーレス一眼/小型一眼レフカメラ |
4K動画もしっかり撮りたい | ビデオカメラ |
便利な撮影モードも使ってみて
スマホにもカメラにも、撮影モードを設定できる部分があります。ミラーレスカメラや一眼レフカメラの場合、「P(プログラムAE)モード」と呼ばれるモードを選ぶと簡単に使えます。「Pモードは細かい設定なしでも使えますが、露出を+0.5、シャッター速度優先で1/250秒にするとうまく撮りやすくなると思います。いろいろ試してみてください」(工藤さん)。
まとめ & 実践 TIPS
最新のスマホなら写真も動画もきれいに撮影できますが、ズームレンズを使えば周りがきれいにボケた写真なども撮影可能。運動会をきっかけに、こだわりカメラ撮影に挑戦してみるのもいいかもしれません。
「撮影に必死でちゃんと応援できなかったのが心残り」の声も多く聞きました。応援する気持ちがいちばん大切。子どもの成長をしっかり見届けてくださいね。
執筆/樋口かおる
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