料理研究家・コウケンテツさんに聞く ジャンクフードやお菓子が好きで、野菜が嫌いな子はどうすればいいですか?
- 育児・子育て
毎日毎日、子どものために栄養バランスを考えて食事を作っても、好き嫌いや偏食で残されて、がっかり。ジャンクフードやお菓子だったら、いくらでも食べられるのに……。
そんな経験はありませんか?
料理研究家で3人の子どもの父親のコウケンテツさんに、悩みを聞いてもらいました。
【お悩み相談①】
ジャンクフードやお菓子が好きで、野菜が嫌いな子はどうすればいいですか?
子どもが好き嫌い(特に野菜)が多く、またジャンクフードやお菓子ばかり好んで食べるので、栄養バランスやカロリーが心配です。どうすれば好き嫌いは減りますか?
また、ハンバーガーやお菓子ばかりを食べたがる子どもに、どうやって食育をしていけばよいでしょうか?
《好きなもの》と交換すれば、お互い納得!
コウさん:ジャンクフードやお菓子。子どもは大好きですよね。
それらを完全にやめるのは相当な労力がかかりますし、子どももつらいでしょう。それならば、ジャンクフードやお菓子を完全にやめさせるのではなく、量を制限してはどうでしょうか。
たとえばポテトチップスを今まで1袋全部食べていたところを、お皿に移して「1日に1皿までならOK!」といった、親子で納得できる線を見つけるといいと思います。
また、代替できる好きなものと交換するというのも一つの手です。
うちの場合は、子どもがお菓子をすごく食べだしたら、途中からおにぎりを用意して、交換します。
成長過程や日によっても、好きなもの、食べたいものは変わってくるので、いつでも喜んで食べてくれる、子どもの《好きなもの》の引き出しをたくさん持っておくことで、ジャンクフードやお菓子の食べ過ぎは防ぐことができます。
「食べて当たり前」と思わなくていい
親になって気付いたのですが、子どもは食の個人差がすごくありますよね。
好き嫌いが多い子や小食な子を育てる保護者のかたが「子どもは食べて当たり前」と考えていると、毎日の食事の準備はしんどいと思います。
だから、そういうご家庭は「子どもは食べないもの」と考えて出発するのはどうでしょうか。そうすると、子どもへのアプローチ方法も変わってきて、「食べて当たり前」から、ぐっとハードルが下がって、お椀の1/4のご飯を食べられただけでもすごいと思えるはず。そして食べられた時は、子どもをたくさんほめてあげてください。
食べて、ほめられて、成功体験で食事を終えるというプロセスが、とても大切だと思います。
栄養バランスを気にしすぎない。食卓は楽しいのが一番!
子育ては、やることがたくさんありますよね。
正直僕は、栄養バランスを考えることは親の仕事から除外していいとさえ思っています(笑)。料理家の僕ですらそう思っているのです。
今の保護者のかたは、真面目で責任感が強い人が多い。子どもの栄養バランスにもすごく気を遣われていますが、栄養バランスやカロリーを家庭で考えるのは、実はとても難しい。それこそ専門家でないと理解できない部分もあります。
だから家庭では、食事のバランスよりも、子どもとどんな食卓を囲むかということを大事にしてほしいと思います。
僕の子どものころの食卓の記憶は、《楽しかったな》というのが一番です。
インタビューなどで、《子どものころの思い出の味を教えてください》と聞かれることがあるのですが、正直忘れています(笑)。
でも、みんなでワイワイ楽しかったという食卓の風景は今も覚えています。ご飯の時間が楽しい。これが一番の食育になると思います。
まとめ & 実践 TIPS
ジャンクフードやお菓子を食べ過ぎる時は、代替できる好きなものと交換! という方法なら、親子ともに納得できそうですね。
また、「栄養バランスは気にしすぎなくていい」「子どもは食べて当たり前と思わなくていい」というコウさんのアドバイスにびっくり。でもその言葉に救われて、今日もご飯作りができそうです。
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