自分で考えて行動できる子になるには「段取り力」と「習慣化」がカギ!
- 育児・子育て
AIの活用やグローバル化・多様化が進む今、これからを生きる子どもたちには、答えがある問題ばかりではなく、問い自体を自分で考え、周りの人と対話しながら、自分なりの考えを導きだす力、「自分で考えて行動する力」が求められていきます。
コーチングのプロの石川尚子さんに、どうすればその力が身に付くのか、ポイントをお伺いしました。
先回りをせず、子どもが自分で決めることを大切に
石川先生:「自分で考えて行動する」子になるには、まずおうちのかたができることとして、「子どもの先回りをしない」ことが挙げられます。
おうちのかたは、どうしても子どものやっていないことに目がいきがちで、「勉強しなさい」「早くしなさい」などと先回りする言葉を言ってしまいますが、これは逆効果です。
言えば言うほど、言わないと動かなくなるし、言われると反発心をだんだん感じるようにもなります。
また、だんだん言われるのを待つ、言われてから動くようになってしまいますので、そうすると「自分で考える」、「自分で選ぶ」という感覚が育ちにくくなり、自分で考えて行動することができなくなってしまいます。
おうちのかたにはぜひ、先回りせず、子どもが自分で決めて動くということを意識してほしいと思います。
大事なのは「段取り力」と「習慣化」
その上で、家庭でできることとしては、たとえば勉強でも、「今はこれをやって、次はこれをする」ということを、子ども自身で「段取り」を決めて、やってみるということです。
「自分で決めた⇒できた⇒自分で決めた⇒できた」という積み重ねが自信につながり、自分で考えて行動できる力が育っていくからです。
そのため、「段取り力」とともに大事なのが、その「習慣化」です。
勉強であれば、小学校低学年のうちは、おうちのかたも一緒に机に向かってあげることをオススメします。おうちのかたは、その時間を読書や趣味、仕事の段取りを考える時間にしてもよいですし、勉強を教えなくても、「一緒に座ること」で、習慣がつきやすくなります。
また、習慣化するにあたり、「何時から」と決めてやることももちろんいいのですが、毎日スケジュールは違うと思いますので、厳密に時間に縛られるよりも、「ご飯を食べたら歯みがき」のように、1日の流れの中に、勉強も組み込むことで、より習慣化しやすいかと思います。
心身ともにゆとりがある状態を作りだす
また、先ほどの段取りの話につながりますが、「自分で決めた⇒できた⇒自分で決めた⇒できた」というサイクルを繰り返すことは、「自己基盤を整える」ということでもあります。
自己基盤とは、自分自身の土台であり、簡単に言うと、心身ともにゆとりがある状態を作り出すことです。
専門的には「未完了の完了」と言われていますが、これはおうちのかたもぜひ一緒にやってみてください。
たとえばおうちのかたであれば、「スーパーで買いたかったものを買えた」「子どもと一緒に美味しくご飯が食べられた」など、1日ひとつでもいいので、普段当たり前と思いがちなことでも、「自分で決めてできた」という、「未完了を完了する」ことで、自己基盤が整い、心身ともに健康的になり、心にゆとりが持てるようになります。
ダメ出しよりも、次につながる質問をする
子どもが「自分でやる」といったことを、やれない時もあるかと思います。
そういった時は、
「やってないじゃない」とダメ出しをするよりも、
「どうする?」と質問すれば、
子ども自身が自分で考えてどうするかを決められるでしょう。
また、将来について親子で話している時でも、
「何をやりたい?」と子どもに聞けば、
「こういうことやっていたい」という考えも出てくるでしょうし、
そうすれば、
「それまでには、こういうことをやっておいたほうがいいかな」と、
子どもは自分で勝手に気付いていきます。
これが「自分で考えて行動する力」です。
目先の結果に一喜一憂しないほうが、親自身も気持ちが楽です。
親子の関係性が崩れると、それこそもう少し大きくなった時に何も言うことを聞かなくなってしまいますので、答えを急ぎすぎず、ジャッジもせず、相手のペースに合わせてあげるとよいと思います。
つい誘導しそうな時も、ぐっと我慢してみてください。
沈黙も大事です。
子どもが黙ると先回りしてつい言いたくなるものですが、
子ども自身が考えて成長している時間だととらえてはどうでしょうか。
まとめ & 実践 TIPS
自分で考えて行動する子になるために、まずは親が「先回りしないこと」、子ども自身が「自分で段取りを決めて行動すること」が大事だと分かりました。また、この体験は積み重ねることで、自信につながり、さらに「自分で考える力」が育っていくようなので、「習慣化」する工夫が必要ですね。
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