「好き嫌いが多い我が子、給食が心配……」家庭でできる「克服」よりも大事なこと

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入園・入学すると始まる給食。お子さまに好き嫌いが多いと心配ですよね。「克服させなければ!」と焦っているかたもいるはず。でも、それで解決できれば苦労はしません。そう、まず大事なのは「好き嫌いを克服する」よりも、「好き嫌いがあるときにどうするか」なのです。

この記事のポイント

自分の食べられる量を知り、伝えられるようにしよう

好き嫌いがあると、まず始めにしようとするのは「克服」です。でも、もっと大事なことがあります。それは「知る」ことと「伝えられるようにする」こと。どうしても克服できないものがあるときなどは、こちらの方が重要です。保護者のかたがいない場面でも困らないように、家庭でできることを紹介します。

大皿ではなく一人分ずつ分けて配膳する

まずは、自分の食べられる量を知ることから始めましょう。これは、嫌いなものだけでなく食事全体の量です。そのためには大皿ではなく、給食のように一人分ずつ配膳してあげるとよいでしょう。

ただ、大皿で食べている家庭も多いはず。その場合は、始めに食べられる量をまとめて取らせてあげてください。少しずつ取ると食べた量の把握が難しいですが、一度に取ればわかりやすいですよね。もちろん、始めは食べ切れなかったり足りなかったりするでしょう。でも、叱る必要はありません。繰り返すうちに、自分の食べられる量を把握できてくるはずです。

自分で配膳してみる

食べられる量を把握するには、自分で配膳するのも良い方法です。学校では自分たちで配膳することになるので、練習にもなります。まずは簡単なご飯から。慣れてきたら、汁物やおかずも自分で盛ってみるとよいですね。

まだ小さいお子さまの場合は、保護者のかたが盛ってあげてOK。ただその場合も、「どのくらい食べられる?」と聞きながら盛ってあげるとよいでしょう。もちろん、保護者のかたが食べてほしい量と子どもの食べられる量が異なることもあります。でも、できれば自分で決めさせてあげてください。その方が食べ切るという経験ができ、自信がつくかもしれません。

困ったときは自分で言えるようにする

嫌いなものがあって食べられないとき、お腹いっぱいになってしまったとき、体調が悪くて食が進まないとき……。食事には、そういった「困った」が必ずあります。そういったときに、自分で伝えられるようになるとよいですね。

お子さまのことをよくわかっている保護者のかただからこそ、「それ嫌いだったよね、減らす?」「もうお腹いっぱい?」と、つい先回りして聞いてしまいがち。でも、それをちょっと我慢してみましょう。もちろん、始めのうちは自分で伝えられないかもしれません。そういう場合は「どうしたの?」と聞いて答えを待ちましょう。「どうしたい?」と希望を聞いてあげてもよいですね。難しければ選択肢を与えてあげてもOK。これができれば、園や学校でも伝えることができます。その後は、先生が上手に対処してくれるはずです。

子どもが伝えてくれたことを否定しない

子どもに任せることが増えると、保護者のかたの理想とは違うことも増えます。でも、それを否定しないようにしてください。「残したい」「お腹がいっぱい」「これが苦手」と話してくれたら、まずは「そうなんだね」「これが苦手なんだね」と共感してあげましょう。それから、どうするか一緒に考えていけばOK。

「そんなこと言わないの」「まだ食べられるはずでしょ」と、子どもの気持ちを否定するのはNGです。自分の気持ちや希望を伝えたのに否定されてしまうと、「伝えたらダメなんだ」と思うようになります。そうすると、本当に困ったときにも黙ってしまう可能性が……。食事の場面に限らず、そうなってしまうのは避けたいですよね。保護者のかたの希望は、子どもの気持ちを受け入れてから伝えましょう。「ママはあと一口だけ食べてほしいな」「次は少なく盛ってみると食べ切れると思うよ」と、Iメッセージを意識して話をしてみてください。

一口だけでもOK!いろんな食材に触れておこう

克服は、しなくてもよいわけではありません。好き嫌いを「なるべく」減らせるような心がけは必要。そのためには、とにかくいろんな食材に何度も触れることが大切です。

特に給食は、家庭ではなかなか出てこないような食材も多く登場します。初めて口にするものもあるかもしれません。そういうときに、「見たこと・食べたことがある」のと「まったく知らない」のとでは、気持ちが違ってくるはず。大人も、初めて食べるものには抵抗があるでしょう。その抵抗をなるべく取り除いてあげると、給食も食べやすくなるかもしれませんね。

「どうせこの食材は食べないから」と家族全員で避けるのではなく、家族の分だけでも食卓に出すようにすれば、目に触れる機会が増えます。それだけでもOK。無理に食べさせるのではなく、あくまで距離を近付けておく感じです。もちろん、食べられるようになれば花マル! たった一口、たった一粒でも食べられれば、給食でもがんばれるかもしれません。

食事だけでなく、さまざまな場面で食材に触れることは可能。たとえば、「絵本や図鑑を読む」「家庭菜園で野菜を育てる」「料理をする」「買い物に行く」といった方法があります。お子さまの年齢や性格に合わせて、いろんな方法を試してみてください。

家では無理でも給食なら食べられることが多い

「心配して損した」というくらいに、給食では何でも食べられるという場合もあります。家では絶対に口にしなかった野菜を食べたり、少食だと思っていた子どもがおかわりをしたり……。これは、周りの友達につられて食べたり、先生に励ましてもらえたり、家ではできないような調理法や味付けがしてあったり、さまざまな理由が考えられます。

ですから、まずはしばらく見守ってみましょう。慌てて克服しようとしたり、心配し過ぎたりすると、かえって逆効果になる可能性もあります。子どもの姿を先生と共有しながら、まずは様子を見てみてください。「今日はピーマンが一口食べられました!」といったうれしい報告があるのを、楽しみに待ちましょう。

ただし、中には給食を苦にして登園・登校を渋るお子さまもいます。その場合は一度相談を。昔と違い、給食で「無理に完食させる」という指導をすることはほとんどなくなりました。しかし、そうではない先生がいたり、子どもの性格によっては受け入れられなかったりする可能性もあります。嫌いなものを食べられるように「がんばる」のはよいですが、「無理をする」にはならないように。子どもの声と先生の声を両方聞きながら、対応を考えてみてください。

まとめ & 実践 TIPS

給食は、家庭での食事とは雰囲気が違います。外の世界である園や学校では、がんばろうと思えることも多いはず。あまり心配し過ぎず、しばらくは見守ってみてください。家庭では、克服することだけにこだわらず、困ったことを伝えられるようなサポートをしていきましょう。

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