家庭教育でできる子どもの「得意」や「伸ばしどころ」の見つけ方
- 育児・子育て
小学校入学時は、お子さまの苦手教科や不得意なことに目がいき、直すように支援をしたくなりがちです。しかし、そもそも人には得意・不得意があるもの。特にこの時期は子どもの「得意」を伸ばしていくことが重要です。そこで、ガミガミ言わなくても勉強する子に育てる! 家庭教育講座「かおりメソッド」を開講しているママプロジェクトJapan代表の岩田かおりさんにその考え方と子どもの得意な部分を伸ばすポイントを聞きました。
「まんべんなくできなければ」という考えはNG
小学校に通い始めたばかりの頃は、子どもは学校に慣れることで精一杯です。そうした段階で、「これができるようにならないと!」「もっとできないことを頑張らないと!」と声かけすること酷です。通学して、毎日を過ごしていることだけで子ども達にとっては大変なことなのです。
また、私は保護者の方には大前提として、人には得意・不得意があるものなのだということをお伝えしています。これまでの日本の教育では、すべての教科をまんべんなくできることを良しとされがちです。しかし、これからの時代は、「苦手の克服」「弱点をゼロにする」ということよりも、得意な部分を伸ばしていくことの方がずっと大事。小学校入学時点では、特にその点を意識してほしいと思います。
教科の中での得意・不得意だけでなく、「机に向かう勉強は苦手だけれど、運動は得意」といった子もいるかもしれません。「手先は器用でないけれど、おしゃべりは得意」「みんなで遊ぶことは苦手だけれど、黙々と好きなことに没頭できる」などのケースもあるでしょう。保護者のかたは、お子さまのそうした得意な部分を認め、大事にしてあげてください。
また、できないことの克服に重点的に時間を取って取り組ませようとすると、むしろ、苦手意識を強めてしまう可能性があります。子どもの成長に合わせて、自然と苦手意識がなくなっていくこともあります。焦らずにおおらかな気持ちで見守っていきましょう。
自信をつけることによって苦手なことも芋づる式で引き上がる法則を紹介!
子どもが得意なことについては、思い切り褒めて伸ばしてほしいと思います。こうした接しかたをすることで、得意なことをさらに伸ばしていく効果があるだけでなく、得意なものに引っ張られて苦手なことも克服されていくからです。
わかりやすく言うと、芋づる式に得意も不得意も全てが引き上がっていくというイメージです。上の方にある“得意の芋”を引っ張ることで、下の方にある“苦手の芋”も引き上がっていきます。苦手を克服するには得意を認められた自信が必要なのです。
なぜ、このような芋づる式の引き上がりかたをするのかというと、子どもが自信をつけていくことで、不得意なことにも自ら取り組んでいこうとするようになるからです。
また、小学校1年生の段階では苦手も固定化していません。
苦手なものにフォーカスを当てるよりも、得意なものをさらに引き上げる方向で接してあげることで全体的に引きあがっていくことができるのです。
子どもの「得意」や「伸ばしどころ」の見つけ方
小学1年生のうちでは苦手が固定していないというお話をしました。実は、それは得意なことにもいえます。では、子どもの得意なところや「伸ばしどころ」の見極めはどのように行っていったらよいのでしょう。
それは、子どもが話しかけてきたら、耳を傾けてあげることです。保護者のかたは忙しかったり、興味がない話だと流してしまいがちですが、食事の時間やお風呂の時間などでもよいので子どもの話を聞きましょう。
「うん、うん」とうなずくだけでもいいですが、「どこがおもしろかったの?」「楽しかったところ教えて」などと子どもの話に合わせて質問をしてみてもよいでしょう。そうすると、子どもは教科書を絵本のように楽しそうに広げて、おもしろさを子どもは説明してくれます。
教科書を「お勉強道具」として扱うのではなく、「楽しいことが書いてある本」あるいは「身近にある本」という位置づけにできれば、これからの学習姿勢にも大きくプラスになるはずです。保護者のかたにとっても、最近の教科書の内容を知るよい機会になると思います。
まとめ & 実践 TIPS
従来の日本の教育の価値観ですと、どうしても「まんべんなくできることがよい」と思ってしまいがちです。しかし、大前提として人間には得意・不得意があるものです。小学校入学したての子どもは学校に慣れることで精一杯。子どもに苦手なものの克服を促すのはやめましょう。
苦手なことは、得意なことを褒めて自信をつけさせることで芋づる式に克服されていきます。まずは得意なことを伸ばしていくために、子どもの話に耳を傾けて、授業でどこがおもしろかったのかなどを教科書を使って聞いてみることもひとつの方法ですね。
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