保育と育児は違う?! 先生のアドバイス通りにやっても子どもが言うことを聞かない理由

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保育園・幼稚園の先生に、育児についてのアドバイスをもらうことも多いでしょう。でも、その通りやってみてもうまくいかなかった経験、ありませんか? それには理由があります。やり方が間違っていたり、先生のアドバイスが下手だったりするわけではないのです。

この記事のポイント

先生の言う通りにやってみたのにうまくいかない……

「食事中どうしたら落ち着くか」「自分で着替えるにはどうやって言葉をかけたらいいか」といった悩みを、保育園や幼稚園の先生に相談したことがあるかたも多いでしょう。おたよりを通して、育児に関するアドバイスをもらうこともありますよね。さて、実際に試してみてどうでしたか? 「うまくいかない」というかた、結構多いのではないでしょうか。

でも、決して保護者のかたのやり方が悪いわけではありません。もちろん、先生のアドバイスが間違っているわけでもありません。まったく同じようにやってもうまくいかないのは、ある意味「当たり前」なのです。

家と外では環境も気持ちも違う! 言うことを聞かない理由

先生のアドバイス通りにやってもうまくいかないのは、たくさんの「違い」があるからです。具体的に見てみましょう。

・「先生」と「親」

「先生」という相手に対しては、大人もちょっと気を付けようとしますよね。子どもも同じ。気を引こうと「言うことを聞かなきゃ」「いいところを見せなきゃ」と思ったり、「叱られたら怖いな」と無意識にがんばったり……。なんとなく姿勢がピッとするのが当たり前。

でも、「親」はその反対。子どもが一番安心できる相手です。だから、甘えたりわがままを言ったり、弱みを見せたりします。「どんなことをしても見捨てない」と信頼しているからこそ、子どもが正直に気持ちをぶつけてくるのです。言うことを聞かないのは、ある意味喜ばしいことなのかもしれません。

・「大勢」と「一人」

保育園・幼稚園にはたくさんの友達がいます。周りの子どもが動けば、それにつられて動けることもあるでしょう。お手本になる人がいるから、何をすればよいのかもわかりやすいですよね。友達によいところを見せたいという気持ちもあるでしょう。

それに対して、家庭では基本的に子どもが一人です。きょうだいがいても、年が違えば動き方が違います。「お手本になる人がいない」「張り合う相手がいない」から、うまく動けないのかもしれません。

・「がんばりたい」と「休みたい」

保育園・幼稚園は、大人の会社と同じ場所です。よいところを見せようと、ちょっと無理をしてがんばっています。でも、家庭は休むところ。本当はできるのにダラダラしているのは、それだけリラックスして休める環境だからなのですね。

・「終わりがある」と「終わりがない」

「給食になったら終わり」「もう少しで家に帰れる」など、時間の区切りがある保育園・幼稚園。終わりが見えるとがんばれるのは、大人も同じですよね。でも、家庭はそうではありません。ずっと過ごすところだから、メリハリがなくダラダラしてしまいます。

これは保護者のかたにも言えること。保育と違って育児は終わりがないので、気持ちの余裕がなくなることもあります。それが子どもに伝わってしまうから、同じ言葉でもうまくいかないのかもしれません。

アドバイスは無駄じゃない! 無理せず続けてみて

うまくいかないのは当然のこと。でも、先生のアドバイスは間違っているわけではありません。保育と育児は違えども、子どもに関わるということは同じ。先生は、年齢や子どもの性格を見極めて、的確な言葉がけや対応をおこなっています。だから、その方法を参考にしない手はないでしょう。

すぐに効果が出なくても、ぜひ続けてみてください。もちろん、無理のない程度に。頭の隅に置いておいて、思い出した時に使ってみるのもよいでしょう。同じようにできなくても、決して無駄ではありません。どこかで必ず保護者のかたを助けてくれるはずです。

まとめ & 実践 TIPS

家庭と保育園・幼稚園の違いを知ることで、アドバイスを実践する時の気持ちも違ってくるはず。「無理」と思わずに、ぜひ試してみてください。また、先生はいろんな引き出しを持っています。気軽に話を聞ける専門家として、保育園・幼稚園の先生をもっと頼りにしてください。

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