おっぱいを触る子ども……「どうしたら……?」悩みはこうして解決!
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断乳・卒乳が終わり、子どもの成長と自立にほっとひと息ついていたのもつかの間。
「卒乳したのにおっぱいを触りたがるのはどうして?」
「まだおっぱいを触りたがるなんて、うちの子だけかしら……」など、おっぱいを触りたがる子どもに困っているママは意外と多いのではないでしょうか。
今回は、医師の岡田百合香先生に、子どもがおっぱいを触りたがる理由や触りたがる時の対処法についてお話を伺いました。
どうしておっぱいを触ってくるの?
実は、卒乳後もおっぱいを触りたがる子どもは多い
卒乳後にお子さまがおっぱいを触りたがると、「卒乳後もおっぱいに執着するなんて、うちの子だけなんじゃ……」と心配になる保護者のかたもいらっしゃるかもしれません。しかし、おっぱいを触りたがる子どもは、性別にかかわらず多くいます。
保護者のかた向けの性教育講座でも、「卒乳後もおっぱいを触り続けます」というのはよくある質問・相談です。「うちの子だけ……」ではないので、安心してください。そして、小学校に入り成長を重ねていくうちに、自然となくなっていくことがほとんどです。
そもそも、どうしておっぱいを触るの?
子どもがおっぱいを触る理由は子どもによってさまざまですが、「単純に触り心地がいいから」や「ママに触れていたいから」などが多いようです。赤ちゃんのころから母乳を飲むためにママのおっぱいに触れてきた子どもにとっては、「おっぱい=安心、癒し」の存在でもあるでしょう。
やわらかくてふわふわしているものを触っていると気持ちが落ち着くというのは、大人も子どもも関係なく抱く感覚です。よくあることではないでしょうか。
子どもがおっぱいを触るのは、当然ながら性的な意図ではありません。大人にとっては「(女性の)胸=性的なパーツ」というイメージが強いため、中には子どもの性欲や将来の性トラブルにまで関連付けて、不安になってしまう保護者のかたもおられます。
まずは、幼少期に保護者のおっぱいを触りたがることは「性的な」問題ではないと考えていただければと思います。
おっぱいを触りたがるのは愛情不足なの?
おっぱいへの執着は、愛情不足からくるものとはいえません。そもそも、子どもがおっぱいを触るのは問題行動ではなく、「ママの髪を触り続ける」などと同じレベルの話であることが多いです。保護者のかたが「おっぱいだから」という理由で、過剰に反応する必要はないといえるでしょう。
「愛情不足」は保護者にとって呪いのような言葉です。客観的、定量的に測定することが不可能であるが故、大人にとって都合の悪い子どもの行動の原因をすぐに「愛情不足」に繋げようとする考え方がまだまだ存在しています。「おっぱい」や「身体的接触」に限らず、何かに強く執着したり依存したりする背景には、不安感や欠乏感が存在するケースはもちろん存在します。
ただし、それが「おっぱい」だからという理由だけで「愛情不足」と接続させる必要はありません。
子どもがおっぱいを触ろうとしてきた時の対処法は?
子どもがおっぱいを触ろうとしてきた時の対処法として、保護者のかたが「おっぱいを触ってほしくない場合」と「おっぱいを触られても嫌ではない場合」で異なります。それぞれを見てみましょう。
おっぱいを触ってほしくない場合
おっぱいを触ってほしくない場合は、保護者のかたの気持ちを優先して問題ありません。お子さまの年齢がおおむね3歳以上で、ある程度言葉でコミュニケーションが取れる時は、「プライベートゾーン」について話すのがおすすめです。
プライベートゾーンとは、水着で隠れる「胸・性器・おしり」と、「口」を指す、自分だけの特に大切な体の部分のことです。プライベートゾーンは「自分だけが自由に見たり触ったりしていい」「他の人が勝手に見たり触ったりしてはいけない」ということを、ぜひお子さまに話してみてください。
そして、「おっぱいを触りたい時は、その人に触っていいか聞かなきゃいけないよ」「自分が触られたくない時は、『嫌だ』『やめて』と断っていいんだよ」と伝えましょう。お子さまが、1回でプライベートゾーンについて理解をするのは難しいかもしれません。絵本なども活用しながら、くり返し話してみましょう。
その上で、「おっぱいはママのプライベートゾーンだから、触る前にちゃんと触っていいか聞いてね」と伝えます。ママが子どもにおっぱいを触っていいか聞かれて、「触られたくないな」と感じるなら、お断りをしてもちろん大丈夫です。
その際、「どうしておっぱいが触りたいの?」「おっぱいを触るとどんな気持ち?」と聞いてみてもよいでしょう。ママに触れていたいだけなら、手をつなぐやハグなど、他のスキンシップを提案してみましょう。やわらかくて触り心地がいいから触りたいなら、ぬいぐるみなどのふわふわしたやわらかいものでいいのか聞いてみてもいいですね。
おっぱいを触られても嫌ではない場合
自分がおっぱいを触られても嫌ではない場合は、そのまま触らせても大丈夫です。ただし、プライベートゾーンの話をして、「触りたい時は、毎回『触っていいか』許可を取ってから」というルールにするのがおすすめです。許可を取るように伝えることで、ママ以外の人にむやみに触る心配はなくなるでしょう。
おっぱいへの執着が強くて誰かに相談したい時は?
・極端におっぱいに執着していると感じる
・おっぱいを触らせないことで、癇癪(かんしゃく)を起こしたり泣き叫んだりする など
お子さまのおっぱいへの執着の強さに困っている時は、専門家に相談してみるのも一つの手です。「かかりつけの小児科の先生には相談しにくい……」という時は、助産師さんや心理発達に特化した小児科の専門医などに相談してみましょう。
助産師さん
産前・産後のケアだけではなく、性教育を行っているかたも多いです。子育て相談をしている助産師さんや、行政窓口なども調べてみてください。
小児の心理発達に特化した小児科医
小児の心理発達に精通している小児科医を探してみるのもいいでしょう。近くにいない場合は、オンライン診療を使ってみるのもおすすめです。
まとめ & 実践 TIPS
卒乳後の子どもが、おっぱいを触りたがるのは、特別なことではなくよくある話です。子どもが触りたがったら、まずは子どもにプライベートゾーンについて話し、触りたくなったら許可を取ることをルールにするのがおすすめです。触られたくない時は、お断りをしてもちろん大丈夫です。その代わりに、手をつないだりハグをしたり、ふわふわしたやわらかいぬいぐるみで代用したり、子どもの欲求をフォローできるといいですね。誰かに相談したい時は、助産師さんや発達心理に詳しい小児科医を頼ってみるのも一つの手です。
編集協力/海田幹子、Cue`s inc.
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