妊産婦が新型コロナウイルスに感染したら?乳児への影響はある? ベネッセ教育総合研究所が子どもの生活・学びの困りごとに応えるシリーズ(2)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がまだ収束しない中、妊産婦のかたは、ご自身が感染した場合、お子さんへの影響は大丈夫なのかと不安を感じていらっしゃると思います。ベネッセ教育総合研究所が運営するインターネット上の「子ども学」の研究所『チャイルド・リサーチ・ネット(CRN)』では、支援してくださっている専門家の方々に、健康・学び・遊びをテーマに、正しい知識や対処法をうかがっていきます。

6回にわたり、医学博士でもあり、CRN所長とベネッセ教育総合研究所常任顧問でもある榊原先生による健康面に関するお話をお届けしていきます。

●赤ちゃんの感染は、胎内ではなく、出産後

妊娠中のかたや出産を控えているかたは、「新型コロナウイルスに感染してしまったら…」と、心配されていらっしゃるのではないでしょうか。確かに一般的には、妊産婦は感染症に弱いと言われています。ですが、妊産婦が新型コロナウイルスに感染したとしても、胎児に感染する確率は少ないことが中国からの報告でわかってきました。例えばある報告では、妊産婦から赤ちゃんに感染したケースは33件中3例ということです。
ではどの段階で感染するのでしょうか。今わかっていることは、臍帯血や羊水の中にウイルスは発見されておらず、お腹の中で胎児にうつったという報告はありません。一方、お母さんが出産後に赤ちゃんのお世話をするなかで感染しまうことがあり、上記の3例もこの例にあたります。ただし、いずれもお子さんの症状は軽く、特別なケアは必要なかったうえに、死亡例もゼロ。万が一赤ちゃんにうつってしまったとしても、軽く済むということは、どうやら明らかなようです。

●赤ちゃんに感染させないためには、家族の感染予防がポイントに

軽症で済むとはいえ赤ちゃんに感染させないことが一番ですから、ご家族のみなさんはいわゆる“三密”を避け、こまめに手洗いをし、外出先ではマスクをし、感染しないようにすることが重要です。それでもお母さんがかかってしまった場合に、赤ちゃんに母乳をあげてもいいのだろうか」という心配も出てくると思いますが、アメリカや中国の産婦人科の先生方は、「母乳のなかには感染から守る成分が含まれていますから、可能ならウイルスがつかないようにして、母乳は搾乳してあげるといい」というようなことをおっしゃっています。ただし、母親、もしくは新生児や乳児期の赤ちゃんのどちらかが感染しているのであれば、赤ちゃんも入院し、専門の看護師のかたに見ていただくことになるでしょう。

上記記事はベネッセ教育総合研究所が運営するチャイルド・リサーチ・ネット(CRN)に掲載した動画をもとに作成したものです。
チャイルド・リサーチ・ネット(CRN)は「子どもは未来である」という理念を掲げ学際的、国際的な活動を推進する、インターネット上の「子ども学」研究所です。ベネッセ教育総合研究所の支援のもと運営されています。

チャイルド・リサーチ・ネット(CRN)では、新型コロナウイルスに関する様々な情報も公開中
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ベネッセ教育総合研究所の支援のもと運営されています。

プロフィール

榊原洋一

榊原洋一

医学博士。CRN所長。お茶の水女子大学名誉教授。ベネッセ教育総合研究所常任顧問。日本子ども学会理事長。専門は小児神経学、発達神経学特に注意欠陥多動性障害、アスペルガー症候群などの発達障害の臨床と脳科学。趣味は登山、音楽鑑賞、二男一女の父。

主な著書:「オムツをしたサル」(講談社)、「集中できない子どもたち」(小学館)、「多動性障害児」(講談社+α新書)、「アスペルガー症候群と学習障害」(講談社+α新書)、「ADHDの医学」(学研)、「はじめて出会う 育児の百科」(小学館)、「Dr.サカキハラのADHDの医学」(学研)、「子どもの脳の発達 臨界期・敏感期」(講談社+α新書)など。

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