子どものやる気も成績も上げる人気家庭教師の秘密[やる気を引き出すコーチング]

子どものやる気も成績も上げるという人気の家庭教師、Aさんのお話を今回はご紹介したいと思います。
「A先生はすごくいい先生だよ!」 という口コミが子どもたちの間で広がっている先生だそうです。人気の秘密を、まずは、A先生から教わっている小学校5年生のお子さんにきいてみました。

■過去の話はしない

「A先生は『前にできなかったこと』はまったく言わないです。『やります』と言っていた問題をやっていなくても、『どうしてやらなかったの?』と言われたことはありません。やっていない自分が悪いのに、A先生は叱らないで、『今日はどうする?』ってきいてくれて、一緒に考えるところがいいです。
お母さんは、前のことばっかり言います。『前もやるって言ってやらなかったよね』とか『前はあんなにやってたのに』とか、そういう言い方、ムカつくだけです」。

なるほど、なかなか手厳しいコメントもありました。Aさんご本人にも聴いてみました。
「例えば、宿題などをやらなかったお子さんに対して、腹が立ったり、絶望したりしないのですか?」
「そうですね。私はそこはあまり気にならないですね。この子がどうしたいのかが大事なので、できなかったことや過去のことを持ち出してきても仕方がないですよね。もう終わったことなので、蒸し返しても、お互いに気分が悪くなるだけで、限れられた勉強時間がもったいないですよね。
なぜやらなかったのかの原因をきいても、今後の解決策につながるような話はあまり出てこないです。それよりも、これからどうしたいのか。今、何をするのかを考えたほうが時間を有効に使えると思っています」。
まさに、コーチングのアプローチそのものです。

■「やりたい!」を引き出す

さらに、多くの保護者の方が気になっていらっしゃるであろう質問をしてみました。
「子どもが『やる』と言ったのにやらなかったことを注意しないでいると、『何も言われないからいいや』と思って、まったく何もやらなくなってしまうというようなことにはなりませんか?」

「まあ、本人がそれでもいいなら、いいのかなと私は思っています。本人が『やりたい』と思えばやればいいかなと。本当にやりたいことややったほうがいいと思うことは、『やっておいてね』と言わなくても、子どもはやります。やりたくないことをむりやりやらせようとすると、最初は好きで始めたことでも嫌いになってしまいます。
私は、何のためにいるのかというと、子どもを勉強嫌いにするためではありません。単に勉強を教えるためだけでもありません。『勉強するのは楽しい』と思ってもらって、子どもの『やりたい!』と思う気持ちを引き出すためにいるのだと思っています」
もうコーチングの話にしか聴こえなくなってきました。

■「やりたい!」の引き出し方

さらにもう一つ、私がぜひとも聴いてみたいことを聴いてみました。
「子どもの『やりたい!』を引き出すために、Aさんはどんな関わり方をされているのでしょうか?」

「まず、子どもの話を聴くことでしょうか。何が好きなのか、どうしたいと思っているのか、勉強してどうなりたいのかとか。『勉強はしたほうがいいよ』という話だけではやる気にはなれません。
何のために勉強するのか、勉強するとどうなるのかが、自分の中ではっきりすれば、自ずと『やりたい!』につながります。自分がやりたいと思うところからやってみて、わかるようになったり、テストで点が取れるようになったりと、成果が実感できると、さらに『やりたい!』となります」
まったくもって、コーチングの実践と同じアプローチに、私も勇気をいただきました。

プロフィール


石川尚子

国際コーチ連盟プロフェッショナル認定コーチ。ビジネスコーチとして活躍するほか、高校生や大学生の就職カウンセリング・セミナーや小・中学生への講演なども。著書『子どもを伸ばす共育コーチング』では、高校での就職支援活動にかかわった中でのコーチングを紹介。

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