お年玉をきっかけに子どもに伝えたいお金のルール
子どもにとってお正月の大きな楽しみといえば、お年玉。以前から欲しがっていた物を買ったり、大切に貯金したり、その使い方には子どもの性格が表れますが、いずれにしてもお金の上手な使い方を学ぶ機会にしたいものです。そこでお年玉をきっかけとしたお金のルールの教え方について考えてみました。
計画的に使う力をつけるために「ルール」を決めることが肝心
最近は、電子マネーやインターネット決済の普及によってお金の動きが見えづらくなり、低学年の子どもは「お金はいくらでも使える」などと考えている場合もあるようです。お金の使い方は学校では学びませんから、ご家庭で教える必要があります。普段よりも多めのお金を手にするお正月のお年玉を、お金についての知識やルールを伝える良い機会ととらえましょう。
お金に関する方針はご家庭によってさまざまですが、次のような視点からルールを決めるケースが多いようです。ご家庭のお金のルールを検討する際の参考にしてください。
◎お年玉は保護者が管理する
お年玉は、万単位のお金を手にする場合もあり、子どもに管理を任せるのは難しいと考えるご家庭が多いようです。そのため、「一部を子どもが使って、残りは保護者が預かる」「保護者が全額を預かる」「子どもの口座に全額を預ける」といった管理をするご家庭が多く見られます。ご家庭のルールや子どもの性格などにもよりますが、「あるだけ使ってもいい」とするよりは、保護者が管理するほうがお金の使い方を学びやすくなるでしょう。
◎お小遣い帳をつける
きちんと収支を把握することは、正しいお金の使い方をマスターする基本です。お小遣い帳を使って、何に使ったか、今使えるお金がどれくらいあるかを把握する習慣をつけることで、お金の管理能力が身につき、計画的に使う力が育ちます。普段のお小遣いでは、前月のお小遣い帳がきちんと記入されていないと、当月のお小遣いを渡さないご家庭もあるようです。
◎基本的に臨時のお小遣いは渡さない
子どもから「足りなくなったから」と求められるたびにお金を渡したら、計画的に使おうという意識はつきません。「またもらえばいいや」という気持ちになり、つい無駄遣いをしやすくなるでしょう。生活や勉強などで必要な場合を除き、基本的に臨時のお小遣いはナシとするほうが良いかもしれません。
◎何かを買う前に保護者に確認する
子どもは我慢する力がまだ弱く、お店で「欲しい!」と思ったら衝動的に買ってしまいがちです。自由に使えるお金であっても、「本当に必要か」を考えるために、買う前に保護者に確認するように決めておくと安心です。
◎子どもだけで出かけるときはお金を持たない
子どもだけで外出する際は、保護者の目が届かないため、お金を持たせないというご家庭もあります。無駄遣いを防ぐほか、落としたりトラブルになったりするのを防止する目的もあります。
無駄遣いをしたときは、叱るだけで終わらない
大人でも何かを買ったあとに後悔することはよくありますよね。お金の使い方は失敗しながら学ぶものです。子どもがお金を無計画に使ったり、無駄遣いをしたりしたときは叱って終わりにするのではなく、お金について勉強する機会ととらえ、計画的に使うことの大切さやその方法などを話して聞かせるようにしましょう。ちょこちょこと無駄遣いをすると、本当に欲しいものが買えないことを実感すれば、しだいに自分でやりくりをするようになります。お年玉は額が大きいだけに保護者がある程度の金額を管理したほうが良い場合もありますが、子どもが自由に考えて使う余地も残すことで、お金について学ぶ良い機会となるはずです。