スタートの姿勢と腕振りのしかたを覚えれば、誰でも今より速く走れる

春の運動会シーズンが近づいてきました。子ども同士でも、ご家族でも、「クラスでいちばん走るのが速いのは誰かな」と話題に上ることがあるのではないでしょうか。お子さまが速く走れるようになるコツを、宇都宮大学教育学部教授の加藤謙一先生に教えていただきました。

先天的に走ることが得意で速く走れる子どもと、そうでない子どもはいますが、誰でもきちんと練習をすれば、必ず今より速く走れるようになります。走るのが苦手な子どもは、スタートの時の姿勢と、走っている時の腕の振り方を教えてあげると、速く走れるようになります。「うちの子はもともと足が遅いから、練習しても速く走れない」ということは絶対にないので、安心してください。ただ一般的に、体格の大きな子どものほうが速く走れる傾向があります。小学生の場合、体格差はどうにもできないため、できれば長期的に脚力を強くするような運動をしつつ、運動会や記録会の本番前になったら、スタートの姿勢や腕振りのコツを学習するとよいでしょう。

もともと走るのが得意で速く走れる子どもほど、自然にできてしまうため、なぜ自分が速く走れているのかを知らないものです。周りに追いつかれてしまった時に、より速く走れるようになりたいと思っても、次の一歩を踏み出すことができなくなってしまうことも。

そんな時にぜひ実践してほしいことがあります。速く走れる子どもは「速く走れる仕組みを知る」こと、そうでない子どもは「どうすれば速く走れるのか、いろいろな方法を試しながら自分に合った走り方を見つける」ことです。たとえば、もとから速く走れる子どもの場合は「自分は自然と腰を落とした状態でスタートしていたから、勢いがついて速く走れていた」などということ、練習をして速く走れるようになった子どもは「今までは肩を振っていたけれど、体がぶれないように腕を振るようにしたら、タイムが上がった」などということです。

自分がどうやって速く走れるようになったのかを知るということは、「上手にできた」ことを学習したということでもあります。速く走るためのコツを自分で理解して初めて、走ることの楽しさを知ることができるのではないでしょうか。

プロフィール

加藤謙一

加藤謙一

宇都宮大学教育学部教授。博士(体育科学)
専門は健康・スポーツ科学・身体教育学。どうしたら速く走れるのか、遠くへ跳べるのか、遠くへ投げられるのか、そうした運動が小学生から大人に至る過程のなかで、どのように動き方を身に付けるのか研究を行っている。

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