家族でキャンプ! 初めてでも大丈夫? どんな楽しさや成長がある?【後編】

「何から始めていいかわからない」「子どもは何歳から連れて行ける?」「道具は最初から買いそろえるべき?」…キャンプ未経験のかたによくある質問に、引き続き、キャンプをはじめとしたアウトドアライフを提案するSTEP CAMP代表の寒川一さんがお答えします。

【Q1】キャンプは全くの未経験で、何から始めていいかわかりません。

【A1】手始めとして最もおすすめなのは、キャンプ好きの友人や知人に一緒に連れていってもらうこと。
たいていのキャンプ愛好家は、お気に入りのキャンプ場や自慢のグッズを紹介したくてうずうずしていますから、とても喜んでくれるはず(笑)。キャンプの楽しみ方や必要な道具などを手っ取り早く学べるでしょう。

キャンプ場のコテージやキャンピングカーに泊まるのも、入門としてよい方法です。寝る場所は確保されていますから、最低限の調理器具を持ち込んで野外料理に挑戦するとよいでしょう。いきなり野外に泊まるのが不安なら、日中にバーベキューなどを楽しみ、その日に帰るデイキャンプもおすすめです。

【Q2】子どもが小さいのですが、何歳からキャンプできますか?

【A2】キャンプは年齢を問わずに楽しめると考えています。
私自身、子どもが0歳のときから連れていっています。子どもが小さい時期は小さいなりの楽しさがあるものです。今しかできないキャンプを楽しんでください。

ただし、小さな子どもがいる場合は、気候が比較的穏やかなシーズンにしたり、事故の危険性が低いキャンプ場を選んだり、長時間のドライブを避けたりといった配慮は必要になります。

【Q3】キャンプ道具を買いたいのですが、何をそろえるとよいのでしょうか?

【A3】未経験のかたが、いきなり全ての道具を買いそろえるのはあまりおすすめしません。
家族構成、お気に入りの過ごし方、行きたい場所などによって必要な道具は変わるからです。最初はレンタルを利用するなどして、「こういうキャンプをしたいな」といった具体的なイメージをもてるようになってから購入するとよいでしょう。キャンプの必須アイテムは次のようなものがあります。

≪衣≫
帽子/タオル/アウター/防寒具/レインウェア

≪食≫
燃料/食材/飲み物/調味料/ウォータータンク/クーラーボックス/クッカー(鍋)/包丁、ナイフ/食器/カトラリー(箸など)/ゴミ袋、ビニール袋

≪住≫
テント/シュラフ(寝袋)/マット/ランタン/ヘッドライト

≪火≫
焚火台/火ばさみ/グローブ/ライター

≪その他≫
トイレットペーパー/応急セット/保険証

キャンプ道具にはさまざまな種類があって迷ってしまうかもしれません。例えば、テントひとつをとっても、数えきれないほどの種類があります。そんなときは、最終的に見た目などの好みで決めるのもよいでしょう。ある程度、スペックを比較して絞り込んでいる場合は、最終的にどれを選んでも全く使い物にならないということはありません。それならば使ってうれしくなるデザインのものを選ぶのもひとつの考え方です。

また、キャンプ道具は、ホームセンターやインターネットでも販売されていますが、アウトドア専門店で買うのがベター。経験豊富なスタッフが、行きたい場所や過ごし方を踏まえたアドバイスをしてくれるからです。

【Q4】キャンプ場では、どのような過ごし方がおすすめでしょうか?

【A4】自由に過ごせるのがキャンプのおもしろさです。
ぼうっとして過ごすのもリラックスできるひとときですが、子どもは自然の中を走り回りたいでしょうから、親子で遊んでみましょう。釣りや凧あげをしたり、双眼鏡やルーペで自然観察をしたり、夜間は星座早見盤を手に星空観察をしたりと、いろいろな遊びが考えられます。

できればキャンプは2泊3日がおすすめです。1泊の場合、初日は到着後にテントを設営して調理をすると日が暮れる時間になり、翌日は渋滞を避けるために朝食後に撤収となると、のんびりと過ごす時間がありません。2泊すると、2日目は丸1日たっぷりと遊べますし、じっくりと凝った料理をしたり、昼間からビールを飲んだりといった過ごし方もできます。キャンプには決まった過ごし方はありません。みんなの希望を聞いて思い思いに過ごし、あなたの家族だけの楽しみ方を見つけてください。

※寒川さんが代表を務めるSTEP CAMP監修の『新しいキャンプの教科書』(池田書店)では、未経験者や初心者に向けて、キャンプの楽しみ方や道具の使い方、おすすめレシピまでをイラストや写真とともに具体的に紹介しています。

プロフィール



アウトドアの指導者が各種のレクチャーやワークショップを行う「STEP CAMP」代表。神奈川県三浦市油壷・胴網海岸の「STEP CAMP BASE」を拠点として活動。災害被災時に役立つアウトドアのノウハウを、楽しく、実践的に学ぶ体験型の「防災キャンププログラム」などを提案している。著書に、『新しいキャンプの教科書』(池田書店)がある。

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