これだけは知っておきたい、出産祝いのお返し・内祝いのマナー

 現在では、頂いたお祝いへのお返しのことをさして「内祝い」というのが一般的です。しかし本来「内祝い」とは、「内」、つまりわが家におめでたい事があった時、その喜びの気持ちを身内やご近所、親しい方々にもお分けして一緒に喜び祝っていただくという習わしをさしました。ですから出産内祝いとは、みんなに赤ちゃんを紹介して、幸せのお福わけをすることが一番の目的なのです。

 

出産祝いをいただいたかた全員に、出産後30日を目安にお返しするようにしましょう。「お祝いを頂いてすぐに返さなきゃ」と、慌てる必要はありません。マナー研究家の住友淑恵さんによると、「お祝いを贈った人の気持ちを考えれば、2日や3日でお返しが届くのは時間的な余韻を味わえず、『もともと用意しておいたものを、義務的に、機械的に発送しているのかな』と、味気なく感じてしまいます」とのこと。お礼の気持ちだけでもすぐに伝えたいという場合は、電話はお手紙などで「お祝いが届きました。ありがとうございます」と伝えるようにしましょう。

 

近年、内祝いの贈り物として定番になったといえるのが、生まれた赤ちゃんの名前を印した「名入れスイーツ」。カステラやロールケーキなどが人気です。お返しの金額は、頂いたお祝いの半額ぐらいとするのが基本です。

 

ママによっては、出産後の体調がよくない場合もあるでしょう。内祝いの準備や発送の手配をするほど元気が回復しなければ、「出産の1か月後ぐらいにお食事会への招待状を送り、さらに1か月後に、赤ちゃんを主役にしたお食事会を開くというのもいいと思います」と、住友さんはアドバイスします。

 

最後に、「どんな贈り物にも共通しますが、最も大切なのは形式ではなく、心です」と住友さん。冒頭に記したとおり、一番の目的は「幸せのお福わけ」ですから、必要以上に形にこだわることはありません。自分らしくステキな内祝いをしてください。



プロフィール



文部省認可マナー文化教育協会認定マナーコーディネーター。マナー文化教育協会認定実用マナー検定1級。マナーサロン「セレブスタイル」主宰。大学在学中より日本でマナー評論家の第一人者、故)酒井美意子先生の孫弟子として和洋の 正統マナーを習得。現在はサロンでのレッスンや講演、トークショー、TV、雑誌にも出演し自分磨きにおけるアドバイザーとして活躍。自分磨きにおけるリーダー的存在として同世代のOL、主婦ほか タレントや女子アナからも信頼がある。

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