【パターン別】子どもの口臭にまつわる原因&対策!

顔を近づけて一生懸命お話しする子どもの姿はほほえましいものですが、おしゃべりに耳を傾けつつも口臭が気になったということはありませんか? ほとんどの場合は一過性のもので、そのうち気にならない程度に落ち着きます。しかし、いつも口臭がする、ずっと続いている、といったケースは口内に何らかのトラブルが潜んでいる可能性があります。この記事では子どもの口臭の原因について、身体的なものによる「生理的口臭」と、病気による「病的口臭」に分けて取り上げ、口臭ケアの方法についてご紹介していきます。


朝の寝起きや舌が白いなど「生理的口臭」の原因&対処法

≪寝起き≫

歯みがきして寝たはずなのに、朝起きてすぐの子どもの口臭がきつくて驚いたというケースがあります。本来、子どもは唾液量が多いのですが、口呼吸の癖がある子どもや唾液量の少ない子どもは、口内の自浄作用が低下して雑菌が繁殖します。それが寝起き時の口臭の原因です。水分を取り、舌をよく動かし、口を閉じて呼吸することで改善していくでしょう。

 

≪むし歯・歯周病≫

子どもの口臭の原因として多いのは、むし歯や歯周病などの口腔内トラブルによるものです。むし歯が進行すると、いわゆる「むし歯のにおい」が発生するようになります。むし歯はミュータンス菌という菌が発生させる独特のにおいがあるのです。歯みがきが不十分だったり歯並びが悪かったりして、食べ物のカスがたまって歯垢や歯石となると、これも口臭の原因になります。この場合、歯みがきのときに出血するなど単純性歯肉炎と診断されることもあります。
口臭を防ぐ方法は、むし歯や歯周病を防ぐこととイコールです。甘いものは控えめに、食事のあとや就寝前の歯みがき習慣を身につけさせるといいですね。また、歯表面のエナメル質が溶け出してしまわないよう、だらだら食いはやめましょう。もちろんおやつだけでなく、甘いジュース類も同様に注意する必要があります。

 

≪舌の汚れ≫

舌の表面が白くなっていませんか? これは「舌苔(ぜったい)」と呼ばれる苔状の汚れです。食べかすや粘膜がはがれ落ちたものに雑菌が繁殖し、異臭を放ちます。通常は唾液で自然に洗い流されるものですが、唾液量が少なかったり免疫力が落ちたり消化器系の疾患などで、舌苔が溜まってしまうことがあります。歯ブラシを使って舌の表面をなでてしまうと、舌を傷付けてしまいます。舌苔ケア専用の柔らかいブラシで、優しく取り除きましょう。

 

≪ストレス≫

意外に思われるかもしれませんが、子どものストレスが口臭を発生させている原因となっているケースもあります。人の身体はストレスを感じると唾液の分泌量が低下しますので、それによって口内が渇き、口内環境が悪くなってしまうのです。緊張状態が長く続くことは子どもの心身に負担を与えますので、ふだんから精神面へのケアも心がけてあげるとよいでしょう。
一方で、ストレスだけでなく栄養バランスの悪さも、口臭を引き起こす一因だと考えられています。全身に不調をもたらす悪習慣は、口内環境を乱し口臭の発生につながるもの。口臭=歯みがきしなければ、と対処療法で捉えるのではなく、子どもをしっかり見てあげることが大切ですね。

 

≪口呼吸≫

ふだんから、子どもの様子をそっと観察してみてください。おもちゃで遊んでいるとき、テレビを見ているとき、子どもの口が開いていることはありませんか? 鼻ではなく口で呼吸すると、口の中が乾燥します。口の中が乾燥すると雑菌が繁殖し、それが口臭の原因となってしまうのです。口の中は唾液で潤っていることで「恒常性維持機能」「免疫」「自浄性」などを保つといわれています。
これらの機能が低下すると、口内環境が悪化。口臭・むし歯・歯肉炎を引き起こす恐れがあります。口呼吸の癖がある子どもは、早めに鼻呼吸できるようトレーニングしてあげるとよいでしょう。もし乳幼児期を過ぎていたとしても、おしゃぶりが有効です。
口を閉じてガムをかんだり、鼻で深呼吸をしてみたり、1日数回短時間ずつでも、毎日声をかけることで改善していくケースもあります。心配な場合は、医療機関に相談してみましょう。

 

≪膿栓(臭い玉)≫

膿栓は「のうせん」と読み、文字通り膿(うみ)が固形となったもののことです。口を大きく開けたとき、喉の奥の扁桃腺(へんとうせん)があるあたりにポツポツとした粒がついているのが見えることがあります。これが膿栓です。くしゃみをした瞬間に飛び出てきたり、痰(たん)に混じって取れたりします。膿が固まったものですので、とても強いにおいを放ちます。これが喉の奥にたくさんあって、そこを通った空気が呼吸の度に吐き出されるため、口臭となるのです。自力で取ろうとして喉の粘膜を傷つけてしまったというケースもありますので、気になるかたは耳鼻咽喉科に相談してみましょう。歯科で口臭外来があるところもありますが、膿栓の処置は耳鼻咽喉科となります。

 

 

風邪や鼻づまりなど【病的口臭の原因&対処法】

≪鼻炎・蓄膿(ちくのう)症≫

口ではなく鼻の奥から漂ってくる異臭の場合は、アレルギー性の鼻炎・副鼻腔炎・蓄膿症などが考えられます。鼻の粘膜が炎症を起こし、鼻づまりが続くとその奥に膿が溜まってしまいます。耳鼻咽喉科を受診し、処方される飲み薬で症状が治まります。急性副鼻腔炎を放置してしまうと蓄膿症となりますので注意が必要です。
鼻の奥に原因がある口臭は、嗅覚のセンサーにより、周囲の人間より本人が先に気づくケースも多いようです。とはいえ、子どもの場合は気づいても言い出すことができないことがほとんど。鼻炎や蓄膿症は、鼻づまりがあることから口呼吸となってしまっていることが多いので、親が子どもの様子を見て「口が開いているな」と気づいたら、鼻づまりがないかチェックしてあげてください。鼻づまりがない場合は単に口呼吸が癖になっている、鼻づまりがある場合は鼻炎の可能性がある、というふうに判断することができるでしょう。

 

≪風邪・発熱≫

熱があるときなど、口内の温度が上昇すると唾液の分泌が抑制されます。さらに免疫機能の低下により、口内に雑菌が繁殖しやすくなりますので、口臭がきつくなりがちです。水分をしっかりとれていなかったり、歯みがきする元気がなかったりということも関係してきます。いずれにせよ一時的なものですので、風邪や発熱による口臭については特に心配はいりません。
逆に、いつもはしない子どもの口臭に気づいたときに「頭痛くない?」「喉がイガイガしない?」と聞いてみると、結構な確率で「痛い」と答えますので、口臭を子どもの健康チェックに役立てるのもよいでしょう。

 

≪下痢≫

下痢をしているときは腸内環境が悪化していますので、腸内で発生している悪臭が吸収され呼気(吐く息)に混ざり、口臭を感じると言われています。下痢は腸の中のものを排出するのだから口臭とは関係ないと思いがちですが、実は深く関係しています。腸の中が空っぽで善玉菌の食べるものがないと、病原菌や悪玉菌が優勢になってしまいます。病原菌や悪玉菌が発生させるガスが口臭のもととなりますので、おなかの調子をととのえることも口臭ケアのひとつとなります。

 

≪便秘≫

便秘のときは特に口臭が強くなるといわれています。体にとって不要なものが腸内に長くとどまると、腸内のタンパク質とアミノ酸が腐敗し、有害物質が発生します。また、アンモニア、スカトール、インドールといった有害なガスも発生します。これらが血液に乗って全身に運ばれ、口臭や体臭となって外へ出るのです。ペクチンなどの水溶性食物繊維をふだんからしっかり食べさせるほか、身体を使って遊んだり運動したりする機会をつくってあげて、便秘にならないようにしてあげてください。

 

 

これでバッチリ!予防策4選

1.歯間ブラシを使いしっかり歯をみがく

基本中の基本ですが、子どもが自分でみがいただけでは、みがき残しがありますので、親が必ず仕上げみがきをしてあげましょう。また、歯間ブラシを使えば取り除けていない歯と歯の間の汚れをきれいにすることができます。乳歯から永久歯へ生え変わる時期は、歯の大きさも歯並びも不揃いとなり、歯ブラシはみがきにくいので歯間ブラシがおすすめです。

 

2.鼻呼吸をする

口を開けたままにすると、口内が渇き口臭の原因になります。子どもに声をかけて口を閉じることを意識させましょう。また、鼻がつまり口呼吸になる場合もあります。慢性的な鼻炎にならないように治療しましょう。鼻水は飲み込まず、きちんと鼻をかむことを根気よく教えていきましょう。

 

3.水分をとる

水やお茶などをこまめに飲むことで、口の中が乾燥してしまうのを防ぐことができます。

 

4.舌を動かす

「あっかんべー」のポーズで思い切り舌を出すなど、舌を動かすトレーニングもおすすめです。

 

 

子どもの口臭、放っておくと大変なことに!

 「歯みがきができていないだけじゃないの?」と口臭を放置してもいいことはありません。生理的原因の口臭を放っておくと子どもの身体の機能に悪影響を及ぼしますし、病気的原因の口臭を放っておくと、重大な病気の発見が遅れてしまう恐れもあります。

 

≪生理的口臭≫

口呼吸によりドライマウスが悪化、歯並びが悪くなる、むし歯や歯周病が進行、異物の腐敗による感染症、自臭症などの心身症

 

≪病気的口臭≫

先に上げた各病気の発見が遅れる、急性鼻炎が慢性鼻炎となる、蓄膿症の発症

 

 

子どもに口臭があるとき、そのことを子どもにどう伝えるかについても悩みますね。年齢が低いと「口臭がある」と言っても意味が分からないでしょうし、物心ついてからの年齢になると口臭があることにショックを受けてしまいかねません。「自臭症」といって、気にするほどではない口臭を、本人だけが口臭がきついと思い込んでしまうことにもなりかねません。子どもに対しては口臭があることを自覚させるというより、親が子どもの不調に気づくサインとして捉えて適切なケアを行うのがよいでしょう。

 

 

プロフィール

監修:宮原光興

医療法人社団悠翔会 悠翔会在宅クリニック川崎 院長

宮原裕美
芝パーククリニック 内科医員

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