「水いぼ」だとプールに入れない?正しい知識で水いぼに対処しよう

 プールの季節、幼稚園や保育園で流行しやすいのが「水いぼ」です。正確には「伝染性軟属腫」(でんせんせいなんぞくしゅ)とよばれ、ウイルスが引き起こすもので、良性のものですが、やはり注意すべき点があります。お友達に感染しやすいのでは?プールに入ることはできるの?どう対処すればいいの?…そんな疑問にお答えします。


表面がつるっとしていて光沢があるいぼができる

 水いぼは体中のどこにでもできるいぼで、表面がつるっとしており、光沢があるのが特徴です。大きさは1~3ミリほど。数個しかできない場合や、10個を超えてどんどんできてしまう場合もあります。ただ、他人への感染力はというと、とても弱いものです。例えば、傷のようになってしまっている場所に水いぼがつぶれたときに出る液が触れたり、そのまま口の中に入ってしまったりするようなことがあれば感染する可能性も大きくなりますが、通常の生活をしていて感染する可能性は少ないと考えられています。

 

 

水いぼが原因でプールに入れないということはごく少ない

 すでに触れたように、水いぼの他人への感染力は低く、プールに入っても感染することはほとんどありません。プールの水は塩素で消毒されていて、ウイルスは死んでしまいます。行政や地域もプールを禁止する必要はないとしていますが、この判断はその園ごとに異なるため、園のプールでお友達と泳ぐ機会がある場合にはしっかり確認するようにしましょう。タオルやビート板の共用は避けた方がいいかもしれません。

 

 

1~2年で免疫ができ自然に治癒するが、病院で取るという方法も

 水いぼの治療については医師の間でもさまざまな見解があり、どうするのが一番よいということは言えません。体内で免疫ができるため、放置しておいても1~2年で自然に治りますが、体に広がってしまう前に取ったほうがいいという医師もいます。

 

水いぼを取る場合には、局所麻酔用のテープで少ししびれさせてから、専用のピンセットで医師がとります。麻酔を使うものの、子どもによっては少し辛い痛みがあることや、1度で取り切れなければ何度も処置を繰り返さなければならないことから、「子どもに辛い思いをさせてまで取る必要はない」と考える医師も増えているようです。水いぼができてしまった場所や、痒み、水いぼの増え方、もともとの肌の弱さ、アトピーやアレルギーがないかどうか…などのことも含め、柔軟に対応を考える必要があるでしょう。

 

水いぼができてしまった場合には、爪でひっかいてしまわないこと、手や衣類を清潔に保つことなどの注意が必要です。小さな子どもはかきむしってしまう場合もあるため、処方していただいたかゆみ止めを塗るなどの対応もしてください。

 

 

監修:高田佳輝

40年間小児外科を中心に小児医療に携わる。小児外科指導医。

プロフィール



自身も7歳、11歳の子どもを育て、育児・食育・親子問題についての執筆を行うライター。医療・健康・体の不思議、子育て中にもできる美容などにも触れ、さまざまな面から「子どもとの生活」についてのライティング実績がある。講師業では、「脳と体を考える食育」についての情報を提供。

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