これは「水いぼ」ではない!?要注意、水いぼととびひの違い

「水いぼ」と「とびひ」は皮膚の表面に症状が出る点で似ていますが、対応が異なります。水いぼは良性のいぼであり、緊急に対応できなくとも問題ない場合が多いのですが、とびひは「火事の飛び火のように、あっという間に広がる」という名の由来があるほど変化が早く、できるだけ早く病院で診てもらう必要があります。水いぼととびひを比較しながら解説します。


虫刺されや擦り傷などの何気ない傷から発展する

 とひびは正確には「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」といい、ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌(溶連菌)といった菌が、皮膚に炎症を引き起こす伝染病です。虫刺されや擦り傷などから発展した「水ぶくれ(水疱)」や「かさぶた」だったところに感染し、さらなる水ぶくれや紅斑を作ってしまいます。水いぼはいぼ状のものが増えていくのに対し、とひびは水ぶくれがやぶけてただれ、中の皮膚が見えるようになり、どんどん大きな傷へと発展していきます。

 

以前は汗をかきやすく、高温多湿で菌が繁殖しやすい夏に流行することが多かったのですが、近年は冬でも暖かい環境が増えたため、年間通じて見られる病気になりました。

 

 

とびひの症状が見られたら、急いで皮膚科か小児科へ

 とびひの治療には、塗り薬と内服薬の併用が効果的だと考えられています。ただれてしまった肌は薬を塗ってガーゼなどで覆い、他の場所への感染を防ぐようにします。水いぼは患部をガーゼや絆創膏などで覆えばプールに入れることも多いのですが、とびひは違います。肌を清潔に保つ必要と、感染を防ぐ理由から、プールに入ることはできません。この点でも注意しましょう。

 

また、傷の大きさ、深さによってはお風呂のお湯がしみる場合もあるため、擦らないようにしたり、ぬるめのお湯を使ったりするなどの注意が必要です。清潔を保つために湯船には入らず、シャワーのお湯を使うことをおすすめします。

 

 

時間はかかるが、とびひの跡は消えやすい傾向がある

 とびひは広範囲に渡って皮膚がただれてしまうので、跡が残ってしまうのではないかと心配になる保護者も多いようです。もちろん程度にもよりますが、深く肌を傷つけるわけではないこと、子どもは新陳代謝が盛んであることから、数年でほとんど気にならない状態になると考えられます。気になる場合には、保湿クリームなどを使って肌の回復を手伝ってあげましょう。色素が残りやすくなってしまうので、完治した後も紫外線防止対策を忘れないようにしてください。

 

 

監修:高田佳輝

40年間小児外科を中心に小児医療に携わる。小児外科指導医。

プロフィール



自身も7歳、11歳の子どもを育て、育児・食育・親子問題についての執筆を行うライター。医療・健康・体の不思議、子育て中にもできる美容などにも触れ、さまざまな面から「子どもとの生活」についてのライティング実績がある。講師業では、「脳と体を考える食育」についての情報を提供。

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