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2023/12/21
【医師監修】赤ちゃんとのお出かけは生後何か月から?外出時間の目安や注意点は
「そろそろ赤ちゃんとお出かけしたいな」と思われているかたもいらっしゃるのではないでしょうか。初めてのお出かけにワクワクすると同時に、心配ごとも尽きないかもしれません。
赤ちゃんとのお出かけを始める時期や時間の目安、注意点について、東京医科大学教授で小児科がご専門の山中岳先生監修のもと解説します。
赤ちゃんにとっても、保護者のかたにとってもストレスなく、楽しいお出かけにできるよう、参考にしてみてくださいね。
監修者
山中 岳 先生
子どもの心身の成長に向き合う現場を20年以上経験するドクター。経験に加え、日本小児科学会専門医・指導医、日本小児神経学会専門医・指導医、日本てんかん学会専門医・指導医、と数多くの認定資格を所持し、日々、てんかんや熱性けいれんなどのけいれん性疾患、頭痛、発達の遅れ、脳性麻痺など、主に神経疾患のお子さまの診察を行う。東京医科大学主任教授としても、次世代の医師の育成に力を入れている。
赤ちゃんとのお出かけは生後何か月からできる?
赤ちゃんとのお出かけは「1か月健診」のタイミングを目安に始めるとよいでしょう。生後0日から28日未満の新生児期は、体温調節も難しく、免疫機能も発達していません。そのため、外出は避け、基本的にはおうちの中で過ごすようにしましょう。
1か月健診を終えてからの外出が基本ではありつつも、上のお子さまのお迎えなどやむを得ず外出することもあると思います。その場合は、赤ちゃんに温度変化による負荷をできるだけ与えないよう、自家用車やタクシーを利用するなどして人混みはなるべく避け、外出時間も短時間で終えるようにしましょう。
また、事前にお出かけすることがわかっている場合は、できれば出産した病院の医師に外出可能かどうか聞いておくとよいでしょう。抱っこひもやベビーカーは生後何か月から使用できるかを確認し、使用方法についてもよく確認しておきましょう。
また、事前にお出かけすることがわかっている場合は、できれば出産した病院の医師に外出可能かどうか聞いておくとよいでしょう。抱っこひもやベビーカーは生後何か月から使用できるかを確認し、使用方法についてもよく確認しておきましょう。
「1か月健診」を受け、医師に発育が順調で問題がないことを確認してから、お出かけを始められると安心ですね。
短時間の外気浴からスタート
お出かけは、いきなり遠出するのではなく段階を踏んでいくのが大切です。まずは、外の空気に慣れるために10分程度の短時間の外気浴からスタートしましょう。ベランダや庭での外気浴に慣れてきたら、近所の公園へ行ってみるなど、赤ちゃんの体調を見ながら外出の時間を長くしていけるといいですね。
赤ちゃんが外出するメリット
「外出は赤ちゃんにとってストレスになってしまうかな?」と心配に思うこともあるかもしれません。しかし、適切な外出は赤ちゃんに次のようなメリットがあります。
● 気温の変化に適応しやすくなる
外の空気に触れることで、気温の変化にも適応しやすくなります。ただし、赤ちゃんは、まだ体温調節の機能が未熟なもの。服装や日よけなどで快適な状態にしてあげるようにしてください。
外の空気に触れることで、気温の変化にも適応しやすくなります。ただし、赤ちゃんは、まだ体温調節の機能が未熟なもの。服装や日よけなどで快適な状態にしてあげるようにしてください。
● 骨の成長に欠かせないビタミンDが生成される
日光を浴びることで、体内でビタミンDが生成されます。ビタミンDは、骨のもととなるカルシウムを吸収するために必要なものです。
日光を浴びることで、体内でビタミンDが生成されます。ビタミンDは、骨のもととなるカルシウムを吸収するために必要なものです。
● 五感が刺激される
お出かけは、家の中とは違う景色や音、においなどに触れることとなり、五感が刺激されます。これにより、五感はもちろん、脳の発達も促されるでしょう。
お出かけは、家の中とは違う景色や音、においなどに触れることとなり、五感が刺激されます。これにより、五感はもちろん、脳の発達も促されるでしょう。
● 昼夜のリズムが付きやすくなる
2か月を過ぎると、昼夜の区別がだんだんと付いてきます。日中は外出して日の光を浴び、夜は静かな部屋の中で過ごすことで昼夜のリズムが付きやすくなるでしょう。
2か月を過ぎると、昼夜の区別がだんだんと付いてきます。日中は外出して日の光を浴び、夜は静かな部屋の中で過ごすことで昼夜のリズムが付きやすくなるでしょう。
赤ちゃんとのお出かけの注意点
お出かけは、赤ちゃんの負担やストレスを少なくすることが基本。体温調節機能も十分でなく、皮膚も敏感で体力もない時期だからこそ、細心の注意が必要です。
外出時の注意点は?
● 首が据わっていない場合は、首に負担の少ない移動方法をとる
首がグラグラしないよう、横抱きができる抱っこひも※や、座面がフラットになるベビーカーで移動するようにしましょう。
※月齢問わず、抱っこひもからの転落などの事故報告があります。安全基準を満たしている製品を正しく使用することが大切です。特に首が据わっていない場合は、「首が据わる前から使用可能」と明記されている抱っこひもを使用してください。また装着方法を必ず確認しましょう。
首がグラグラしないよう、横抱きができる抱っこひも※や、座面がフラットになるベビーカーで移動するようにしましょう。
※月齢問わず、抱っこひもからの転落などの事故報告があります。安全基準を満たしている製品を正しく使用することが大切です。特に首が据わっていない場合は、「首が据わる前から使用可能」と明記されている抱っこひもを使用してください。また装着方法を必ず確認しましょう。
● 温度調節がしやすい服装やグッズを活用する
赤ちゃんは体温調節の機能が未発達であるため、服装やグッズで調整できるように工夫しましょう。脱ぎ着しやすい服や、汗をかいた時の着替え、日よけや寒さを防ぐ羽織りものやケープ、ハンディーファンなどがあるといいですね。
赤ちゃんは体温調節の機能が未発達であるため、服装やグッズで調整できるように工夫しましょう。脱ぎ着しやすい服や、汗をかいた時の着替え、日よけや寒さを防ぐ羽織りものやケープ、ハンディーファンなどがあるといいですね。
● 十分な紫外線対策
紫外線を浴びすぎると、目や皮膚など体へ悪影響が及ぶ恐れがあります。赤ちゃんは大人に比べて皮膚も薄いため、より紫外線のダメージを受けやすいものです。帽子やケープ、ベビーカーの日よけを活用していきましょう。赤ちゃんの肌にも使える日焼け止めを使うのもOKです。
紫外線を浴びすぎると、目や皮膚など体へ悪影響が及ぶ恐れがあります。赤ちゃんは大人に比べて皮膚も薄いため、より紫外線のダメージを受けやすいものです。帽子やケープ、ベビーカーの日よけを活用していきましょう。赤ちゃんの肌にも使える日焼け止めを使うのもOKです。
● 水分補給
外の日差しで体に熱がこもり、脱水症状にもなりやすくなります。こまめな水分補給を心がけましょう。
外の日差しで体に熱がこもり、脱水症状にもなりやすくなります。こまめな水分補給を心がけましょう。
● 普段の生活リズムを崩さない時間帯
赤ちゃんの生活リズムを崩さないことも大切です。普段お昼寝をしている時間での散歩などは、避けたほうがベターです。
赤ちゃんの生活リズムを崩さないことも大切です。普段お昼寝をしている時間での散歩などは、避けたほうがベターです。
外出時の注意点は?
お出かけデビューしたてのころであれば、お出かけ時間は10分程度から始め、20分、30分、1時間と徐々に時間を長くしていくのがよいでしょう。
生後6か月を過ぎたら、遠出にもチャレンジできるでしょう。
生後6か月を過ぎたら、遠出にもチャレンジできるでしょう。
お出かけの時間帯は、過ごしやすい時間帯を心がけて。夏場であれば、日差しが強い10時〜14時ごろは避けておくのがベター。朝の早いうちや、夕方の涼しい時間がおすすめです。冬場は、冷え込みの厳しい朝や夕方は避けて、10時〜14時ごろの日差しがある時間帯がよいでしょう。
外出時間の目安や時間帯は?
お出かけデビューしたてのころであれば、お出かけ時間は10分程度から始め、20分、30分、1時間と徐々に時間を長くしていくのがよいでしょう。
生後6か月を過ぎたら、遠出にもチャレンジできるでしょう。
生後6か月を過ぎたら、遠出にもチャレンジできるでしょう。
お出かけの時間帯は、過ごしやすい時間帯を心がけて。夏場であれば、日差しが強い10時〜14時ごろは避けておくのがベター。朝の早いうちや、夕方の涼しい時間がおすすめです。冬場は、冷え込みの厳しい朝や夕方は避けて、10時〜14時ごろの日差しがある時間帯がよいでしょう。
外出時の持ち物は?
赤ちゃんとのお出かけの持ち物は「食べ物・飲み物」「着替え」「ケア用品」「飽きやグズり防止」「その他」の5つの分類でご紹介します。
食べ物・飲み物
● ミルクを飲む赤ちゃんの場合
○ミルク(キューブや液体ミルクなど使い慣れたもので)
○哺乳瓶
○調乳のためのお湯や水
● 離乳食
● ミルクを飲む赤ちゃんの場合
○ミルク(キューブや液体ミルクなど使い慣れたもので)
○哺乳瓶
○調乳のためのお湯や水
● 離乳食
着替え
● 下着
● 洋服
吐いたり、汚したりすることも考えられるため、短時間でも1組は着替えを持っていくようにしましょう。
● 下着
● 洋服
吐いたり、汚したりすることも考えられるため、短時間でも1組は着替えを持っていくようにしましょう。
ケア用品
● オムツ
● お知り拭き
● ガーゼやタオル
● ビニール袋
● オムツ
● お知り拭き
● ガーゼやタオル
● ビニール袋
飽き・グズり対策アイテム
● おもちゃや絵本
公共交通機関に乗る際は、音の鳴らないおもちゃも準備しておけるとよいでしょう。
● おもちゃや絵本
公共交通機関に乗る際は、音の鳴らないおもちゃも準備しておけるとよいでしょう。
その他
● 母子・父子手帳
● 保険証
● 医療証
● 母子・父子手帳
● 保険証
● 医療証
赤ちゃんとの外出おすすめスポット
赤ちゃんとのお出かけは、近所の公園や児童館が多いでしょう。時間がある時や、家族で出かけられる週末などは、いつもと違う場所に出かけてみるのもいいですね。
● 図書館
赤ちゃん用のスペースがある図書館も多くあります。絵本だけでなく、大型紙芝居などが置いてあることも。お天気を気にせずに過ごせるのもいいですね。
赤ちゃん用のスペースがある図書館も多くあります。絵本だけでなく、大型紙芝居などが置いてあることも。お天気を気にせずに過ごせるのもいいですね。
● 動物園や水族館
首が据わり、周囲を見渡せるようになったら、動物園や水族館に連れて行ってあげるのもよいでしょう。初めて見る生き物に興味津々になるかもしれません。
首が据わり、周囲を見渡せるようになったら、動物園や水族館に連れて行ってあげるのもよいでしょう。初めて見る生き物に興味津々になるかもしれません。
● 室内テーマパーク
月齢ごとにエリアが分かれた施設であれば安心です。ボールプールや、家にはないブロックやおもちゃで遊べるのもいいですね。まだ、同年代の子と一緒に遊べる時期ではありませんが、他の赤ちゃんが周りにいることは、いい刺激にもなるでしょう。
月齢ごとにエリアが分かれた施設であれば安心です。ボールプールや、家にはないブロックやおもちゃで遊べるのもいいですね。まだ、同年代の子と一緒に遊べる時期ではありませんが、他の赤ちゃんが周りにいることは、いい刺激にもなるでしょう。
赤ちゃんが外出先で泣き出したら?
赤ちゃんは、突然泣き出すことも多いものです。お出かけ先でも、眠かったり、暑かったり、飽きたりとさまざまな理由でグズってしまうことがあるでしょう。とはいえ、外だと周囲の目も気になってしまいますよね。「早く泣きやませなきゃ」と焦るあまり、逆効果になってしまうこともあるかもしれません。次のような方法を試してみるのがおすすめです。
● オムツや体の熱を確認する
ぬれたオムツや暑さが不快でグズることも多いもの。オムツがぬれていないか、体に熱がこもっていないか、汗をかいていないかなど確認して、対応しましょう。
ぬれたオムツや暑さが不快でグズることも多いもの。オムツがぬれていないか、体に熱がこもっていないか、汗をかいていないかなど確認して、対応しましょう。
● 視覚や聴覚に変化を与える
ベビーカーや抱っこひもの中で、飽きてしまってグズっていることも考えられます。ベビーカーに乗っているなら抱き上げたり、視界におもちゃを入れてあげたりすることで、視界に変化を与えてみてください。
また、ビニールのガサガサした音や、お気に入りの音を聞かせて聴覚に変化を与えてみるのもいいでしょう。保護者が歌を歌ってあげるのもおすすめです。
ベビーカーや抱っこひもの中で、飽きてしまってグズっていることも考えられます。ベビーカーに乗っているなら抱き上げたり、視界におもちゃを入れてあげたりすることで、視界に変化を与えてみてください。
また、ビニールのガサガサした音や、お気に入りの音を聞かせて聴覚に変化を与えてみるのもいいでしょう。保護者が歌を歌ってあげるのもおすすめです。
● 抱っこしたり、赤ちゃんに話しかけたりする
人混みや慣れない場所に不安を覚えて泣くこともあります。赤ちゃんを安心させてあげられるよう、抱き上げたり、話しかけたりしてみてましょう。保護者の存在を感じて、泣きやむこともあるでしょう。
人混みや慣れない場所に不安を覚えて泣くこともあります。赤ちゃんを安心させてあげられるよう、抱き上げたり、話しかけたりしてみてましょう。保護者の存在を感じて、泣きやむこともあるでしょう。
まとめ
1か月健診が終わったら、赤ちゃんとのお出かけの始め時。赤ちゃんに負担がかからないようしっかりと注意しながら、時間や距離を少しずつ伸ばしていけるといいですね。適度な外出は、赤ちゃんの五感を刺激して成長を促してくれるだけでなく、赤ちゃんのお世話に忙しい保護者のかたのリフレッシュにもつながるはずです。
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