運動会での足の速さを決める白い筋肉と赤い筋肉とは? 専門家が解説

運動会での足の速さを決める白い筋肉と赤い筋肉とは? 専門家が解説各地の学校で運動会が行われる季節になった。連日、かけっこなどの練習に励む子どもも多いことだろう。中には、保護者が練習を手伝っている家庭もあるかもしれない。そこで、子どもに運動をさせるうえで知っておきたい人間の筋肉の種類や働きについて、身体運動科学の専門家・深代千之氏に聞いた。

 

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人には、主に白筋(はっきん)と赤筋(せっきん)という2種類の筋繊維のタイプがあります。白筋は一瞬のスピードを生む瞬発力はありますが、長く動き続けることはできません。一方の赤筋は、瞬発力はないものの、毛細血管が発達していて酸素やエネルギーを筋肉に供給しやすく、長い間運動し続けることができます。つまり、白筋は短距離、赤筋は長距離に向いていることになります。

 

人間の身体の筋肉は、この白筋と赤筋の両方が混ざり合ってできています。その割合は基本的に遺伝で決まりますが、筋トレなどのトレーニングでも変わります。それなら、短距離を速く走るには白筋を鍛えればよさそうに思えますが、トレーニングを重ねても、生まれつき赤筋が多い人は、生まれつき白筋の多い人ほど白筋はつきません。でもこれは、あくまでオリンピックレベルの話。学校の運動会レベルなら、正しい走り方を身に付けることで、走るのが遅い子も速く走ることが可能です。

 

正しい走り方とは、「股関節を使って、脚を素早く力強く引き上げ、同様に地面を力強く蹴って走る」ということです。公園などで、この走法を練習してみましょう。保護者のかたは、他の子と比べるのではなく、子どもに、以前の自分と比べてどうかという点が大事なのだということを伝えてあげてください。練習を始める前にタイムを計り、運動会直前にも計りましょう。タイムが0.1秒でも速くなっていたら、ぜひ、ほめてあげてください。子どもにとって、自分の成長を周囲が認めてくれることはモチベーションアップにつながります。やる気が出ることで、たくましく成長するはずです。

 

出典:白い筋肉と赤い筋肉~まだ間に合う! 運動会準備 -ベネッセ教育情報サイト

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