中・高生を金銭トラブルから守るには? 専門家が説く保護者の役割
日々の生活と切っても切り離せない「お金」。一生続くお金との付き合い方を子どもに教えることは、保護者の役割の一つだろう。特に思春期は自我が芽生え、保護者との距離ができやすく、お金のトラブルに巻き込まれやすい時期でもある。ファイナンシャル・プランナーの山本節子氏が、中学生・高校生への金銭教育について解説する。
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保護者のかたから、子どものお金に関する悩みについてよく相談されます。たとえば、むだづかい。「安いから」と服や小物などをたくさん買い込む、ゲームセンターなどで夢中になって何千円も使ってしまう……。保護者としては大いに気になると思いますが、これも経験のうちです。決められたおこづかいの範囲内での「むだづかい」経験ならば、決してむだではありません。
また、友達とのお金の貸し借りについての相談も少なくありません。友達をなくすことになるのでやめるべきで、どうしても貸すなら、「あげる」つもりで貸しなさいと伝えましょう。借金がいかに人間関係や社会生活を難しくするか、身近に借金や連帯保証人の問題で困った経験のある人がいれば、わかるように話してあげるのもよいと思います。
「お金」は、社会とつながっています。さまざまなものが欲しくなるこの年代特有の気持ちにつけ込む、悪い大人がいます。「世の中に甘い話はない」ということをしっかり教えましょう。誘惑に弱い人や断れない人が悪徳商法の絶好のターゲットとなることは、ぜひ強調しておいてください。
思春期は、大人の世界に関心が向く時期。最も知ってほしいのは「生きたお金の使い方」です。自分が本当にやりたいことは何か。それを実現するためには、どんなことを学び、何に時間を使うべきか……。夢や、自分らしい暮らしを実現するためのお金の生かし方について、家族で話し合う時間を持っていただければ幸いです。
出典:どう教える? 金銭教育のポイント 中学・高校編 -ベネッセ教育情報サイト