これだけは覚えておきたい、初心者向けミシンのコツ
ミシン縫いの技術も大切ですが、その前に初心者のかたに心がけてほしいのは、ミシンを使う環境を整えること。安心して作業できるスペースを確保し、縫う前には布をしっかり地直しする...これらはつい忘れがちな作業ですが、実は作品を最もきれいに、早く仕上げるためのコツなのです。
【快適な作業スペースをつくること】
まずは快適な作業スペースをつくりましょう。ミシンがぐらぐらしないよう、しっかりしたつくりのテーブルの上に置きます。このとき、体に対して垂直になるようにミシンを置くことが重要。斜めに置くと縫い目がずれてしまう原因になります。余裕を持って体を動かせる空間や、左側に布を広げられるスペースもつくっておいてください。
また、ふんわりとした袖口の服などを着ていると、ミシンに巻き込んでしまう危険も。ミシンを使うときは袖まわりをすっきりさせることを心がけてくださいね。
座る位置も大切です。ミシン全体ではなく、針に対して、体の中心を合わせるように座りましょう。ミシンと体の間はこぶし1個分くらい空けるのがベスト。無理のない姿勢をつくることで、長時間のミシン作業でも疲れにくくなります。
【糸と針を使い分けること】
使用する布地の厚さに応じて、糸と針も使い分けましょう。合っていないと、糸が切れたり針が折れたりするなどの原因になってしまいます。
若干まぎらわしいのですが、番号が大きいほど糸は細く、それとは逆に針は太くなります。普通地の場合、ポリエステル糸は「60番」、ミシン針は「11番」を使うことが多いので、覚えておくとよいですね。
【地直しも丁寧にすること】
布目がゆがんでいたら、地直しをします。縦の布目と横の布目が90度に交わるように手で伸ばしながら、裏からアイロンで押さえていきましょう。体の中心から端のほうに向かって、布とアイロン台の間の空気を抜くように、適度な力でアイロンを動かします。特に布の端はていねいに、少しずつアイロンをかけていくのがコツ。縦横の布目が直角に交わるようになれば完了です。この地直しをきちんとすることで、縫製の仕上がりが美しくなるのです。
【必ず試し縫いをすること】
縫い始める前には、必ず試し縫いをしてください。作品と同じ布、同じ糸、同じ縫い目...というように、すべての環境をきちんとそろえましょう。
上糸と下糸のバランス、布の厚さと糸・針の太さとのバランス、布の織り目に対して針目の大きさは合っているか、糸は布の色や柄にぴったり合うものを選んでいるかなど、事前にしっかりチェックしておくことで多くの失敗を防げます。