マット運動の前転 上手に回れるようになる3つの練習法
マット運動は、身体のすべてを使う運動で、あらゆるスポーツの基本といえる。そこで、苦手意識を持たずに前転ができるように、家庭でできる練習法を、湘南とびうお体操クラブ代表の武田晴信氏に伺った。
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スムーズに前転するためには、最初のポーズが何よりも大切です。
床に手を着く時は、脚の近くになるようにします。遠いところに手を着いてしまうと、お尻が下がったり、回転の時に頭のてっぺんが床に着いたりしてしまいがちです。つま先のすぐ前か、手のひら一つ分くらい離したところに手を着きましょう。この時、膝(ひざ)は深く曲げてはいけません。
上手に前転できるようになるための3つの基本練習をやってみましょう。
(1)ゆりかご
体操座りの姿勢から背中を丸めて、起き上がりこぼしのように、リズミカルに後ろに倒れたり起きたりします。身体を丸めながら回転することに慣れると同時に、腹筋を鍛えるのにも有効です。
(2)背倒立から立ち上がる
「背倒立」とは、後頭部、背中の上部、腕を床に着けた状態で倒立するポーズ。体操座りの姿勢から、うしろに倒れながらお尻をマットから離し、腰と膝を伸ばして背倒立、静止します。次に脚を素早くたたんで勢いよく立ち上がります。脚を下ろす時は、かかとをすばやくお尻に引きつけると立ち上がりやすくなります。
(3)坂道を使って前転
うまく回転する感覚、起き上がる感覚をつかむために傾斜を利用します。手を正しい位置に置き、体を十分に丸め、頭の後ろをマットに着けるような意識で、腕の振りと坂道の傾斜を利用しながら回転します。坂道は、家庭では布団を段々畑のようにずらして3枚、4枚と重ねてスロープを作るとよいでしょう。