友達がうらやましいのはなぜ? 妬みのウラにある思いを成長の力にと専門家
誰にでもある人を妬(ねた)む気持ち。子どもが友達などに嫉妬した場合、相手を傷つける言動につながることもある。保護者としては気になるところだが、こうした感情を成長のきっかけに変える方法があるという。感情心理学が専門の宇都宮大学教育学部准教授・澤田匡人氏に詳しく聞いた。
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妬みの感情を感じた時にどのように対処するか、小中学生約900名を対象に調査したところ、大きく分けて下記の3つの方法をとることがわかりました。
●建設的解決(相手に追いつけるようにがんばって努力する)
●意図的回避(相手を妬む気持ちを受け流す、考えないようにする)
●破壊的関与(相手の悪口を言うなど相手を傷つける)
調査では「自分が○○ちゃんみたいになれるはず」と強く思っている時、つまり実現可能性が高いほど、建設的解決を選ぶという結果が出ました。「自分は○○ちゃんにはかなわない」と思ってしまった場合や、学校生活に別の不満をかかえている場合などは、破壊的関与を選択してしまうことがあるといえます。
人を妬む気持ちが生じるケースはさまざまです。すべてに対して効果的な対処法はありませんが、なぜ相手がうらやましいのか、子ども自身に考えさせることが妬みを前向きな気持ちに変える一つの方法でしょう。理由を考えることで、自分の求めているものがわかるからです。
子どもが、どういう努力をすればその友達のようになれるのかわからない場合は、具体的な方法をアドバイスしてあげましょう。たとえば、友達のように野球が上手になりたい子どもには、苦手なバッティングの練習、体力作りのためにランニングなど、必要な対策を提示してあげるとよいですね。
また、子どもは年齢を重ねるごとに、自分の妬みをさまざまな方法で処理できるようになるものです。努力しても力及ばず涙することもあるでしょうが、そうした経験を繰り返すことで成長していくはずです。
出典:妬む気持ちが自分を変えるパワーになる!?【後編】妬みの対処編 -ベネッセ教育情報サイト